三国志 第十巻

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163808307

作品紹介・あらすじ

十万の軍を率い、魏軍と対峙するさなか、孔明は篤い病にたおれる。そして蜀は魏延と楊儀の抜き差しならぬ対立から衰亡の道を辿ることに…。

感想・レビュー・書評

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  • 孔明の死と、それからの三国。決して無能ばかりではないのに、どこか足りない。そのもやもや感が悔しい。

  • 十万の軍を率い、魏軍と対峙するさなか、孔明は篤い病にたおれる。
    劉備亡き後の蜀を支えてきた諸葛亮は、建興12年、五丈原で薨じた。そして蜀は魏延と楊儀の抜き差しならぬ対立から衰亡の道を辿ることになる。
    <amazon商品詳細より>

    蜀では丞相の諸葛亮が亡くなり、魏では皇帝の曹叡が亡くなる。
    呉の孫権は相変わらず苦しい時期である。
    またもや混乱の時代となるか。
    戦乱を勝ち抜いた英雄たちはほとんどいなくなり、
    新しい世代での話になっていく。

    これからの司馬懿が楽しみである。

  • 諸葛亮死す

  • 諸葛亮死す。

  • 正史ベースではあるが共に戦争を通じて武将として成長したと描写される孔明と司馬懿は宿命のライバルに相応しい。
    魏の滅亡のポイントは明帝の死かもしれない。というのも彼の死後復権した権力者がポカをしでかすから。

  • 曹叡の賢帝ぶりがますます明瞭に。後漢最後の献帝が死亡し、礼服に身を包んで出席する魏の皇帝。禅譲により正統政権であったことを痛感する。半ばあたりで孔明も死す。魏呉の戦いなど、これまで知らなかった世界に詳しい。孔明の死を疑わなかったが、退かざるを得なかった司馬懿の「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の故事の解釈もユニーク。司馬懿の名誉回復にもなるだろう。その前後の、楊儀と魏延の対立により、魏延の反逆に至る記述は分かりやすい。孔明の死に際しての後継を李福に伝える場面が感動的。そして後の蜀の記述は、著者が非常に客観的な記述に心がけたことを感じさせる。

  • 五丈原にて諸葛亮が息を引き取る。「死せる孔明生ける仲達を走らす。」その真実を教えてくれる。孔明も最初から天才的な兵略家ではなかった。司馬仲達にしても諸葛亮との再三に渡る戦いを通して用兵において成長したと言ってよい。敵同士がそれぞれの成長の糧となっていく不思議な輪廻のようなものに抗い難く心惹かれた。物語は孔明が五丈原に散った後も克明に綴られる。魏、呉、蜀、それぞれの崩壊への序曲が始まる。ここからの歴史は結末以外ほとんど未知。かなりドラマティックな展開が待ち構えていた。興趣をそそるに十分な内容となっている。今しばらく楽しめそうだ。

  • 諸葛亮が五丈原に散り、三国志の前半に出てきた人物は殆ど居なくなりました。
    魏では曹叡亡き後幼帝の後見となった曹爽は司馬懿を祭り上げ政治の実権から遠ざけ、浮華の徒を重用し、呉では孫権が奸臣呂壱を重用し君臣の間に亀裂を生じさせ、蜀も孔明という巨大なカリスマを失った後の不安定さがあり、三国それぞれ建国から100年も経たないうちに暗雲がきざしています。それを考えると国の維持と言うのは難しいものです。

    不正が行われないようによく調べ、しかも民にとってわすらわしい規則をはぶくことを、「清覈寛省」と、いう。
    この言葉の逆を孫権はやろうとし、今の日本の政治も、この言葉と逆だなと思い少々息苦しさを感じました。

  • 諸葛亮孔明がとうとう五丈原で没した。3国の均衡が崩れる。司馬懿仲達がいる魏においても皇族の彼に対する警戒感から彼は誅されないように万全の気を張る。が曹叡からは信頼されていたが、彼が没するととたんに一旦は引き下がるがやはり、外難には彼があたり魏は安泰。
    一方の呉は孫権の政権は長くなり一部たるみが出てくる。跡継ぎが次から次へと若死にし、彼も消沈している。もう一つの蜀は特に外に出ることもあまりせず、内政を残った蒋琬などがしっかり行ったことで、劉禅があまり明敏でなくてもまだ蜀は持っていた。
    というところで孔明後の三国は司馬懿の晋までの蜀の滅亡、呉の滅亡までの波乱だと思うが、吉川英治の三国志では五丈原で終わっているので、その辺りも知りたいと思う。 この三国志では後漢のはじめから話が始まって曹操の先祖などがどうして家を興したかも興味深い。

  • 孔明が死んだ。
    そして、司馬一族の時代がやってくる。

    宮城谷三国志を読んでいると、
    司馬懿という人は、よほどの傑人だったのだと改めて痛感する。
    司馬懿と対抗できる人材がいたのだろうかと。

    何回読んでも三国志は面白いね。
    そー思わざる終えない。
    三国バカな自分です。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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