蜂蜜秘密

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163815909

作品紹介・あらすじ

“奇跡の蜂蜜”を守るため、昔ながらの暮らしを続けるポロウの村。不思議な転校生が訪れてから、次々と奇妙な出来事が…。永遠の少年と花守る少女が秘密の扉をひらく。

感想・レビュー・書評

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  • はちみつって、秘密や魔法のにおいがしますよね。
    言葉の中に「みつ」という響きがある上に
    何年たっても傷まなくて、とろりときれいなままだからでしょうか。
    ママがしまっておいたお菓子を食べちゃうと、必ず見つかって叱られるけれど
    はちみつは、ひと匙こっそり舐めても、減ったんだか減ってないんだかわからなくて
    こどもにとっては、まことに都合のいい秘密になるからかもしれません♪

    可愛らしい装幀そのままに、牧歌的な村、馬車に乗って現れる美しい少年、
    咲き乱れる花々、蜜を探して飛び交うミツバチ、妖精の言い伝え、などなど
    わくわくするようなエッセンスがいっぱい詰まったファンタジーです。
    『秘密の花園』や『小公子』が愛読書だった方は、ぜひ!

    石塁で囲まれた小さな楽園のような、ポロウの村。
    ここでしか育たないキングサリーの花から
    ここにしかいないポロウミツバチが集めた蜜で作られる、ポロウの蜂蜜。
    生態系を壊さないよう、自動車が一台もないこの村の農学校に
    遠い国から、はちみつ色の髪の少年レオが入学してきて。。。

    遠い昔には、不老不死にもなれると言われたポロウの蜂蜜に纏わる陰謀と
    レオが背負わされた数奇な運命。
    彼が抱える秘密に気づきながらも恋してしまう少女サリーはどうなるの?
    サリーが大好きなのに、家同士の決まりごとで結婚を許されないジャックは?!
    と、少女に戻ってハラハラドキドキしてしまいます。

    読み終えたら、はちみつ入りのハーブティーが飲みたくなること請け合いの物語です♪

    • 円軌道の外さん

      はちみつが
      秘密や魔法のにおいって
      なんともいい表現ですね(^O^)

      確かに言われてみれば
      魔法使いの絵本なんかにも
      よ...

      はちみつが
      秘密や魔法のにおいって
      なんともいい表現ですね(^O^)

      確かに言われてみれば
      魔法使いの絵本なんかにも
      よくはちみつは出てくるし、

      あの黄金色の
      甘やかな味わいは
      甘ければ甘いほど
      禁断の実を食べたかのようで
      どこか官能的ですらありますよね。


      てかてか、あの小路幸也さんが
      これほどまでの
      純正のファンタジーを書けるなんて
      めっちゃ意外やし、

      まろんさんの
      その気にさせる魔法のレビューで
      是非とも読んでみたくなりました(^_^)v

      引っ越ししてから
      いまだ図書館を探しだせてないので(汗)
      また探しに行かなきゃなぁ♪


      2013/04/22
    • まろんさん
      円軌道の外さん☆

      小路さん、こんな可愛らしいファンタジーも書くんだ!と、私もびっくりでした。
      はちみつ色の髪の、謎めいた少年レオがとても魅...
      円軌道の外さん☆

      小路さん、こんな可愛らしいファンタジーも書くんだ!と、私もびっくりでした。
      はちみつ色の髪の、謎めいた少年レオがとても魅力的な上に
      ポロウの村の風景がとてものどかで素敵です。

      瓶の中できらきら光るはちみつを、こどもに戻ってこっそり舐めたくなってしまうお話ですよ~♪
      図書館、便利な場所にあるといいですね(*'-')フフ♪
      2013/04/24
  • 自然に囲まれ昔ながらの素朴な生活を送るポロウの村に、ある日中等部の編入生レオがやってくる。レオは何か秘密があるようなのだが…。
    レオが悪者には見えないし、雰囲気からして悪者になるわけないよねと思いながらも、色々含みを持たせる文章に惑わされた。でも、だからこそ続きが気になり一気に読めました。最近、少し暗めな読書が続いたので、ハッピーエンドに癒された。
    文中に風のエキスパートが出てくるので、時代背景や雰囲気は『キサトア』と同じ感じかな?小路さんのこういうファンタジー系の話は結構好きです。そして、装丁もとても好み!

  • 装丁でヒトメボレ。
    こんな素敵なレシピ本みたいな、
    はたまた外国の料理本みたいな、
    手にするだけでうっとりする。
    そして装丁だけではなく、ストーリーもいいのだ。
    〈秘密〉がちらりちらりと顔をだし、わくわくした。
    どんな秘密なのか、予想ができ、故にさあどうする?と
    より楽しめるようにできている。

    こんなふうに生活をしたら地球にやさしいなあと
    空想のなかの美しい風景に想いを馳せる。

    この蜂蜜、ぜひ欲しい。一瓶じゃなくて箱で。

  • 先祖代々受け継がれていた特別な蜂蜜。その蜂蜜を作る蜂のために馬車に乗ったり、大きな音を出さなかったりと静かで昔ながらな暮らしをしている村があった。しかし、ある日、不思議な少年が現れてから村に住んでいる動物たちや自然に異変が起き始める。

    不思議な少年は、本当は村に住んでいる人達が
    知らないうちに村が異常事態になっているため、それを救い、異常事態の原因となっている人達を成敗し、村で神聖視されている2つの一族の跡継ぎの少女と少年に、村におこっていた異常事態の背景と村の秘密、そして不思議な少年の秘密を話し村を再生しようとするためにやってきた。
    不思議な少年の上記のミッションは成功するのかそして、その後村はどのようになっていくのかという物語だった。

    日本人の作家が書いた物語なのだが、まるで外国の作家がかいたような物語だった。読み終えた後なんだか、ふわふわした気持ちになった。
    物語のタイトルと本のデザイン、そして物語の内容が良い意味でマッチしておらず、予想外な展開で驚いた。

  • 小さい頃に読んだような懐かしい話。
    翻訳物かと思いました。
    装丁も素敵。

  • ポロウの村でしか採れないポロウの蜂蜜には不老不死の効用がある。

    ファンタジーとして、心惹かれる設定で文章自体も読みやすく、すいすいページをめくることができた。


    後半に一気に村の謎が解けていくが、なんか釈然としない感じだった。村を救うべくやってきたレオ。そのレオが、村に来る前から知っていたことを最後の最後にバァーッて伝える感じ。


    なんか、登場人物に深入りできなかった気がする。物足りないなと思ってしまいました。


    でも、美しい情景と登場人物の温かさに心がホッとする一冊です。

  • 久しぶりにファンタジーはまった
    色が素敵。
    ポロウの蜂蜜たべてみたい…

  • この世界観、大好き!
    人々を健康にする特別な蜂蜜を作る村にやってきた不思議な少年と、村の跡を継ぐ少年少女達の交流。
    村の自然描写や、村の素朴な人々、祭りの楽しさ、そんなほんわかな中、不思議な少年の気になる行動。
    蜂蜜の秘密は妖精だった。
    ものがたり全体が優しく、それでいて謎が見え隠れしていて、小路さんの巧みな文章力でぐいぐい引き込まれる。
    「キサトア」にも出てきた『エキスパート』という職業がここにも出てきて、あ、同じ世界なんだという事に気づき少し嬉しかったりもする。

    読後、蜂蜜をとかした温かいミルクが飲みたくなった。

  • 昔ながらの暮らしを続ける村。
    そこへ天才と言われる男の子の転校生が。
    閉鎖された村に外から人が入ってくると注目されるだろうなぁ。しかも、なんか独特の雰囲気があるみたいだし。
    こんな村があったら住んでみたい。
    少々、窮屈に感じるかもしれないけれど、気持ちよさそうだ。
    こんな夢の国のような村にも欲深い人っているもんなんだな。

  • 蜂蜜と妖精の話。
    個人的には まぁまぁ おもしろかったな。

    冒頭で 蜂蜜は腐らないって 書いてあって
    知らなかったから そうなのかーと驚いた。


    奇跡の蜂蜜とされる ”ポロウの蜂蜜”。
    それを売って生計をたてている ポロウの村。
    外から 転校生のレオがやってきてから 不思議なことが起こり始める。

    レオと友達になった
    サリーは 唯一 キングサリーの花を育てられるロウゼ家の跡取り。
    ジャックはポロウの蜂蜜をつくる養蜂家ゼンダ家の跡取り。
    村の中では 特別な家系。

    ただし
    最初にポロウの蜂蜜を作ったとされている ポロウ家は 村にいない。
    それは、村の秘密であり、掟。
    「ポロウ家の秘密をきいてはならない」。
    レオには 考えがあって、この秘密を探ろうとする。


    昔はいた妖精たち。
    なぜ ポロウ家の人が 追いやられたのか。
    なぜ ポロウの蜂蜜が作られたのか。

    レオが 村にやってきた本当の目的と行動が
    意外だったな。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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