- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163823003
感想・レビュー・書評
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死神シリーズ。サイコパスを扱った重い内容なんだけれど、千葉君の存在がそれを重く鬱とさせない。あいかわらず千葉君のキャラが良い。
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「敬意とは、面倒くさいことをしなさい、という意味である」なるほどなぁ。たしかにそうだ。所々にこういう名言が混ざってる、伊坂幸太郎さんの本は面白い。
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最高〜!千葉最高〜٩(>ω<*)و
千葉軸(死神軸でもあるが仲間とはまた違う軸)がおかしい!(笑)おもしろすぎ(笑)
すっとぼけるにもほどがある!けど本人は至ってマジメ。
読み終えて感想書くの忘れてたから千葉への高揚感がなかなか取り戻せず書いてるけど、それでも思い出してみると
いや〜千葉ってなんなん?(笑)てなる。
千葉がブレないから成り立つお話し。
ずーっと楽しかったです。
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死神の精度の続編。
千葉は千葉だった。
チルドレンの続編のサブマリンで陣内が陣内だった様に、千葉は続編でも千葉だった。
拷問の件や自転車の件、想像すると面白くなって電車では読めない。
死神の主観だからこそ、人間が客観的に書かれている印象で納得出来る表現も多数見られる。
読みながら人ってなんだかなぁと思いつつ死とはなんだろう、親というのはなんだろうとも考えた瞬間があった。
色々考えることにも繋がる本。
伊坂幸太郎はやっぱり面白い。
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死神シリーズの2作目。1作目では、死神・千葉が6つの人生に出会う。
今作では、ストーリーの中に、幾人かの人生が交差するけれど、千葉が調査するのは、ただひとつの人生のみ。
千葉は、仕事をやり遂げる。奇跡は起きないし、結末は最初から予想できているんだけれど。
それでも、痛快!と叫びたくなった場面もあったな。
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死神千葉さんのキャラが良い。
テーマが重くて辛いものだけど、千葉さんの言動は面白い。 -
寛容は自らを守るために、不寛容に対して不寛容たるべきではない。まさにこれに尽きる作品だった。また、後半は怒涛の展開が多く、読んでいておもしろかった。
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「伊坂幸太郎」の長篇小説『死神の浮力 (英題:Buoyancy Of Death)』を読みました。
『マリアビートル』に続き「伊坂幸太郎」作品… 今月初めに読んだ『ホワイトラビット』以来、5作連続で「伊坂幸太郎」作品ですね。
-----story-------------
娘を残虐に殺された小説家の「山野辺」は苦しみのなかにいた。
著名人であるが故にマスコミからの心無い取材に晒され、さらに犯人とされていた男「本城」が第一審で無罪になったのだ。
しかし、「山野辺」は彼が犯人であることを「知っていた」。
彼はサイコパスと呼ばれる反社会的人格者で、 自分が犯人である証拠を、「山野辺」宛てに送ってきていたのだった――。
控訴の猶予期間は二週間。
「山野辺」とその妻「美樹」は一時的に自由の身になった「本城」を探し、動き始める。
そこに「千葉」という男が現れ「本城の居場所を知っている」と言う。
「山野辺夫妻」は半信半疑ながらも、この妙な男と行動を共にすることにする。
「山野辺夫妻」・「千葉」チーム対サイコパス「本城」の勝負の行方「本城」は?
今回、「千葉」が「担当している」のは誰なのか?
そして調査の結果は?
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5年近く前に読んだ『死神の精度』の続篇として描かれた作品で、今回も死神の「千葉」が登場します、、、
前作は連作短篇でしたが、本作は長篇… やはり長篇の方が読み応えがありますね。
小説家の「山野辺遼」は、近所に住む無職の青年「本城崇」に10歳だった一人娘「菜摘」を殺された… しかし、狡猾な「本城」は、巧みな法廷戦術や予め用意しておいた映像証拠等により証拠不十分で無罪判決を勝ち取ってしまう、、、
しかし、「山野辺」と妻「美樹」はそのことを哀しんでいなかった… 二人は「本城」への敵を討つことを計画しており、自らの手で「本城」を殺める決意を固めていたからである。
メディアの取材攻勢を逃れて自宅に閉じこもり、本城を追いつめる瞬間を待つ「山野辺夫妻」を、一人の男が訪ねてくる… 「山野辺」の幼馴染の「千葉」と名乗り、自分も「本城」に怨みがあると語る男は、しかしどこか調子外れなところがあった、、、
この不思議な男「千葉」が、「山野辺夫妻」の手助けをするという… 実は、「千葉」の正体は死神で、彼は対象となる人間と7日間行動をともにし、その人物を死なせてもいいか否かを判断するという任務を負っており、その7日間がたまたま、「山野辺夫妻」の仇討ち行と重なり合ったことから、彼等はともに「本城」を追うことに――。
しかし、サイコパスの「本城」は、「山野辺夫妻」が復讐を計画していることを事前に察知しており、何重もの罠を仕掛け「山野辺夫妻」を窮地に追い込もうとする… 「本城」には死神の「香川実夕子」が任務についており、「本城」も殺される運命なのかなぁ、と思わせつつ、死神界のルール変更(還元キャンペーン?)により20年間の命を保証されるという意外な展開、、、
「山野辺夫妻」に感情移入して、懲悪勧善の展開を期待していたのに、何でー と思わせつつ、納得できる結末が用意されていました… 本来なら死ぬべき大ケガを負い、湖底で苦しみ続けるなんて、しかも、湖には鰐が棲息しているかもしれないというオマケまでついて、地獄並みの絶望的な20年間を送ることになるなんてねぇ。
ユーモア溢れる「千葉」のズレた会話(本人にはズレた意識はないのですが…)が物語を覆う哀しみや事件の陰惨さを中和する効果があるし、ファンタジーの衣を着させることで、死に対峙した人間の弱さと強さを浮き彫りにするという重いテーマを扱っている割には、心地よい手触りが感じられる物語に仕上がっていましたね。
でもなぁ、やっぱり「山野辺」は「見送り」にして欲しかったなぁ… でもでも、そうするとあの心地良い余韻が残り、泣けるエピローグが成り立たなくなるので、それはそれでダメだなぁ、、、
やっぱり「見送り」じゃなくて、「可」で良かったのかな… うーん、どっちの方が良いのか、心が揺れ動いちゃいますね。
以下、主な登場人物です。
「千葉」
音楽をなにより愛する死神。
対象の人間を七日間調査し、その死について可否の判定をくだすことを仕事としている。
彼が仕事をしている間はいつも雨が降っているため、まだ晴天を見たことがない。
「山野辺遼」
小説家。
テレビ出演もこなす人気作家だったが、三年前から新作を発表しておらず、作品の売れ行きも下がっている。
一年前、殺人事件により、十歳だった娘の菜摘をうしなう。
「本城崇」
山野辺家の近くに住む、無職の青年。
十代の頃に両親をなくし、その遺産で暮らしている。
山野辺夫妻の娘、菜摘の殺害容疑で逮捕されたが、証拠不十分により、一審で無罪判決を受ける。
「山野辺美樹」
山野辺遼の妻。
「香川実夕子」
死神。千葉の同僚
「箕輪」
山野辺遼が作家デビューした当時の出版社担当編集で現在は週刊誌の女記者
「轟貢」
盗撮常習犯の引き籠り男 -
死神が良いキャラ