死神の浮力

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163823003

感想・レビュー・書評

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  • 日々を摘め

    音楽を愛する風変わりな死神の千葉、再登場!しかも長編!!人に必ず訪れる死。ある少女の死を巡りいくつもの死が交錯する(当然、死神も!)。相変わらず軽妙な伊坂節だが、ラストはさらりと書かれているものの結構残酷。そのコントラストが魅力の一つといえるので、その意味では期待は裏切らない。

    千葉の設定や死神の仕事についての説明が途中まで無いので、前作『死神の精度』を読んでいないと少々とっつきにくいかもしれないないが、飄々とした千葉にすぐに引き込まれることであろう。

    しかしながら、死神が主人公なだけに否が応でも死について考えさせられるので、そこはよく考えて読まれた方が良いかと。

  • 死神の千葉が活躍する
    短編集「死神の精度」の続編。
    今回は長編。

    25人に1人いるという良心のない人間に
    娘を殺された作家夫婦の復讐劇。
    今回、千葉が担当するのは殺された娘の父親。

    人間と死神の言葉のとらえ方のギャップにクスッとしたり、
    引用される著名人の言葉に考えさせられたり、
    聞き入った人物が出てきたり、
    面白かったですが、でも短編の方がよかったのかなとも思う。

    「浮力」って、そういうことか。

  • リミットの短さがしっくりくる。キャラ設定もしっかりしてて勉強になる。死神の浮力。題名が上手い。

  • おもしろかった。

    でも子供が死んでいるので星ひとつ減。

    死神世界の還元キャンペーンのいいかげんさに唖然としながら、本城の結末は痛快だった。

    子どもを殺すやつは大嫌いだ。

    同じ年頃の子どもを育てている真っ最中なので、山野辺夫妻には感情移入して読んだ。

    菜摘ちゃんのファスナーのくだりには涙がとまらなかった。

    2015-05-15
    再読。

    このメディアメーカーのよくないところは、再読したときに新たな登録ができないところだな。

    子どもが死んでいる小説を読むのは苦痛だが、再読したくなるくらいこの小説はおもしろい。

    千葉がいい味を出している。

    初回読んだときはそれほど主人公の父親について感慨を持たなかった。

    多分その当時まだ私の母が生きていて、身近な人の死が実感できなかったからだろう。

    今は、すごく身に沁みて分かる。

    去年母が死んだ。

    だからか、この小説の中で主人公の父親が「先に行ってみてくる」「きっと怖くないから」先に行って確かめてくれているという解釈に、今頃感動した。

  • このずれた、でも気の利いたテンポのよい会話が絶妙。
    重いことこそ軽く語るべき、なんですよね。多分。

  • 名言たっぷり、生きてることを考えられる。ああ幸せ。

  • 千葉に再会。
    ようやく読めた。

  • 小説

  • 死神・千葉の話し。前作は短編集の連なりだったが本作は長編。娘を殺された夫婦が復讐する、という話し。
    伊坂作品らしく伏線とその回収が面白い。

  • 死神の精度の続編でかつ長編.渡辺一夫「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」 というテーゼが全編に貫かれている.個人的には短編集の死神の精度の方が好きかな.

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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