- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163825601
作品紹介・あらすじ
まったく新しい時代ファンタジー長篇誕生!時は江戸。ならず者の巣窟「極楽園」と異形の存在「金色様」に翻弄される人々の運命を描く長篇。人間の善悪に迫る、著者の新境地。
感想・レビュー・書評
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分厚さに怯むも、読み出したら止まりませんでした。
でも、タイトル思い切りネタバレというか、まぁネタはすぐにバレるんだけれども、未来のかぐや姫…っていうより、思いっきり『★ターウォーズ』のC-3POっての?の脳内イメージが払拭できず、金色様が出てくるたびに最初は興醒め(笑)。
でも、このズレ感が癖になってきて、「幕引き」のくだりはおっ♪と思えました。
恒川さんは金色お好きだなぁ。
前作の『金色の獣…』にも似た雰囲気なのかな。どんな内容だったか忘れちゃったけど(^^;;
個人的には初期作品を超えるほど好きにはなれませんでした。
読後感の良し悪しよりも、読書そのものを楽しめる、そんな一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まさか恒川さんで長編時代物が読めるとは。しかも物悲しくも繊細で不思議な幻想世界はそのままに。未来、もしくは異世界から来たと思われるアンドロイド“金色様”こと“金色機械”。主人公であるはずなのに表立つことなく、さまざまな人間達の織り成す人生模様に静かに影響を与えていく。無機質であまり感情が見えなかった金色様が、後半になるほど感情を持つ様に感じられた。遥香と事を成してから後の30年間、二人はどんな生を送ったのだろう。
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儚い物語が多く、興味深く読めた。遥の人生が儚く思えた
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『夜市』を読んで、この作家にハマった。
謎多いストーリーを、飽きさせず読ませる。
初期設定がそもそも明らかになっていないまま、そのまま終わる。
いろんな人物の生き死にを読み、その人生を知る。
ああ、こうやって生きてきたからこそのこの最期なのかなぁ、とか。
こんなに頑張ってきたのにこうなるの、とか。
感じることは多くあった。 -
これはおもしろかった!
このひとは長編ファンタジーをもっと書くといいのに。
舞台は日本。時代物ファンタジーってどんな?と思った。
人の殺気が目に見える女郎屋の主,そこへ訪れたのは命を終わらせることができる娘。
お話自体は二人の過去と,その二人にかかわる人たちの視点で書かれていて,徐々に集約していくところが先へ先へと読み進めさせる。
さらにそれぞれの視点にちらちら登場するのは不思議な金色ボディーの人型近未来機械。はるか昔に宇宙より来たりて,ひっそりと隠れ住む一族を守り守られてきたというこの金色様が物語の核となっています。でもこの近未来機械あくまでも脇役なところがとてもいい。ぜんぜんターミネーターじゃない。どこか寂しいというか,悲しきアンドロイド感がとてもいい。
最後やっぱり少し物悲しいところが良い余韻としてのこりました。これはもう一回読みたい。絡まる人間関係をしっかり把握しながら読み直したい。 -
恒川光太郎さん、「夜市」「秋の牢獄」「南の子供が夜いくところ」・・・、恒川ワールドからしばし遠ざかってました。久しぶりにあやしい世界を覗きたくなって~!2013.10.10発行の「金色機械」を手にしました! 444ページ、いままでの恒川さんの「独特の世界」に「義理と人情」がちりばめられた・・・そんな気がします。章ごとに時代が、舞台が、相前後する構成も含め、これは「大作」、素晴らしい作品だと思います。「金色機械」・・・、タイトルに納得です!人間が無機質化しつつある昨今、著者の「警鐘」でしょうか・・・!
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2015/10/18。2015年11冊目。
夏に図書館で読み始め、途中貸し出しで読めない期間を経て本日了読。
人に死をもたらす不思議な力を持つ娘、遥香。殺意を視ることの出来る遊郭の主、熊五郎。捕縛の名手である柴本厳信。遥香の両親紅葉(美雪)、善彦。
山奥の鬼御殿に山賊、拐かし。するすると読み始めたら止まらない展開、圧巻の時代SF?ファンタジー??445頁。
でも一番のツボは時々ぴこんと音がする、金色様。たまらんです。うちにもいて欲しい。金色機械の神様☆ -
これは今年読んだ本の中で一番面白かったわ~。出たの2013年だけど。女子供が拐かされて来る「鬼御殿」には「金色様」という異形の存在がいて…、という話で、ジャンルはファンタジーというか時代SFというか、本文にもある「御伽草子」がぴったりかな。
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途方もなく長い、その上時系列も前後するため間を空けて読むと人物の相関関係すらわからなくなる…それでも物語にのめり込み克服すればこれほど面白いものはないのではないかと不思議な感動に包まれる。
これまでの恒川作品とは趣きが異なり時代物とSFにファンタジーが混在する壮大なパラレルワールド。
ちょっとネタをバラせばあの存在はまんま3POだしラストはT2じゃねーか!と突っ込みたくもなるのだがそんなことはご愛嬌程度で済まされてしまうのはやはり緻密に計算された構成の力なのだろう。
これだけ読んでもまだ読みたいと思わせる…恒川光太郎恐るべし