戦場に散った野球人たち

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900759

作品紹介・あらすじ

東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑が建っていることをご存知だろうか。 昭和五十六年(一九八一年)、後楽園球場の時代に造られ、東京ドームの完成に伴って今の場所に移築されたこの碑は、先の大戦で戦死したプロ野球(職業野球)の選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立されたものである。「建立の趣旨」として、次のような言葉が刻まれている。〈第二次世界大戦に出陣し、プロ野球の未来に永遠の夢を託しつつ、戦塵に散華した選手諸君の霊を慰めるため、われら有志あいはかりてこれを建つ〉 この碑には、計六十九名の選手が祀られている。名前の列記の中には、沢村栄治のように一般的に知られている著名な選手の名前もあれば、殆ど無名の方もいる。本書では、この碑に名前の刻まれている野球人たちの中から六名を選び、その生涯を紹介する。 更に、一口に「戦場に散った野球人」と言っても、それはプロ野球の選手だけではなく、学生野球で活躍した者たちも少なくなかったことを踏まえ、「伝説の大投手」こと嶋清一についての章を加えており、計七名の生涯の記録ということになる。この石碑に内包されている血と涙の記憶とは、どのようなものだったのか。時代の不条理とは常に単層構造ではありえず、その実相を描くには百万言あっても足りないが、僅かなりとも鎮魂の一助とすることを目的に著者が精魂こめて書き下ろしたノンフィクションです。第一章 巨人軍第一期生の最期・新富卯三郎。第二章 戦前のタイガースを支えた元祖スラッガー・景浦将。第三章 墓石に刻まれた「G」の刻印・沢村栄治 第四章 ビルマに消えた炎の名捕手・吉原正喜。第五章 「伝説の大投手」の淡き夢・嶋清一。第六章 朝日軍のエースの行方・林安夫。第七章 特攻を志願した元プロ野球選手・石丸進一

感想・レビュー・書評

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  • もう少し戦争のこと、書いて欲しかったなー
    沢村賞の沢村栄治さんについて知ることができたのは◎

  • 【先人のこの痛みが日本の野球を甦らせた!】戦前、戦中の野球界を背負った沢村栄治、景浦将たち。戦場に散り、靖国に眠る彼らの汗と涙と血にまみれた短い野球人生が問いかける。

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著者プロフィール

早坂隆
1973年、愛知県生まれ。ノンフィクション作家。『世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ)をはじめとするジョーク集シリーズは、累計100万部を突破。『昭和十七年の夏 幻の甲子園』(文藝春秋)でミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。他の著作に『指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎』(文春新書)等。主なテレビ出演に「世界一受けたい授業」「王様のブランチ」「深層NEWS」等。Twitterアカウント:@dig_nonfiction

「2023年 『世界のマネージョーク集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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