電氣ホテル

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901305

感想・レビュー・書評

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  • (ちょっと読みにくいなぁ…)
    大好きな吉田さんの本だが、
    滞在予定日数の2週間を過ぎてしまったので
    返却する事にした。

    新しくインコの本を2冊借り、
    ついでにウンコの本を予約した所で
    図書館員さんが
    「今回は貸し出し期間が3週間になりますよ。
     いつもよりちょっと長いです。」
    と、掛けてくれた言葉が

    フト、返却済み本の一番上に重ねてあった
    <電気ホテル>の暗い窓に明かりを灯した様な気がして、
    「あ、じゃあその本をもう一度貸してください。」
    と、借りてきて再び挑んでみた。

    が、やはり引っかかりがある。
    これはまるでチンプンカンプンな難しい話を聞いていると眠くなるのと一緒で
    私の中には無い言葉の、物語の、エピソードの出現に私自身がいちいち戸惑っているせいだ。

    だが、3週間も滞在していると
    やがて終わりはやってくる。
    その頃になってようやく電気ホテルへの入館キーを見つけた様な気がした。

    ふと、
    目を落とすと一緒に借りてきた
    インコの本がそこにあった。
    (フフ…。鸚鵡返しだってよ♪)
    なんとなく秘策となりそうな言葉を口にすると
    表紙の鳥達はつん、として
    「インコですよ♪」

    なんて。
    どうやらお話にはまだ続きがあるようなので
    今度はオウムのごとく復唱でもするように
    のんびりゆっくりリゾートしてみようかな。

  • シリーズものの第一巻にあたるらしく、今作は序盤で物語はまだ続く...というラスト。物語は地上=1階から中2階→2階(物語の世界?)へと上がるようだが...何となく過去作の「百鼠」を思い出す。
    しかし...ぶつ切りの文章で読みづらい。文章も講談風、あるいは映画の活弁風?でリズム感重視なのかもしれないが、もっと短く区切った方が頭に入りやすかったのでは、と思ってしまう。

    登場するキャラクターも個性派揃いでそれぞれが変わった名前を持ち、由来や容姿描写を読んでいると「クラフト・エヴィング商會」の吉田さんだ、と感じる。
    甘い香りを放つ女「バニラ」と砂犀の「シラジラ」(白白と開けてゆく朝のように優しい子だからとバニラが命名)と不老不死の薬を少し口にして永遠に牙が生える象「プラネタリウム」(体の中に宇宙をひとつしまいこんだ象だからというバニラ命名) が好き。
    それぞれキャラクターが濃いのに、いかんせん数が多すぎて個人の物語が印象に残りにくいのも残念...続編では上手く収集がつくのだろうか

  • 詩人のオルドバとシャバダ(どちらも本名は上田)は詩人ユニット「ブラック」を組んでいる。オルドバは停電調査の旅が趣味で、猿のチューヤーを連れて旅に出る。その頃東京では、児島さんばかりが失踪する事件が発生。探偵犬・終列車を連れた探偵・中田が事件の行方を追っている。図書館司書のシュビは長い本を読むのが仕事。ある日、トトキという女忍者のような謎の人物からある取引を持ちかけられ…。

    とにかく登場人物が多くてどんどん増えていくので全貌を把握するのが大変。しかもこれ、第一幕で、まだ続編があるらしい。本書では終盤でやっと「電氣ホテル」がちらりと登場、電力を奪うため各地で停電を起こしているらしいことがわかる。巻末にそれっぽい資料があるのだけど、きっとクラフトエヴィング商会でやりがちな、本物そっくりのジョークだろうと思っていたら、どうやらこの電気ホテル、昭和5年の上野に本当に実在したようです。(参考:https://www.ehagaki.org/shopping/weja/weja_a3/weja_a3_a1/weja_a3_a1_a13/weja_a3_a1_a13_a2/57165/

    で、あの、なぜか本作、文体が独特で、大変読みにくかった。体言止めを多用してあるせいで、最初は「なにこれラップ?」と思い、だんだん「講談調なのかな?」と思い、そのうち映画弁士が登場したので、なるほど弁士の口調なのかも、とも思い、さらにアングラ演劇のセリフまわしみたいなダジャレや言葉遊びがふんだんにちりばめられていて、かなり実験的。これについていけるか、苦手と思うかで評価がざっくり分かれそう。個人的には、正直ちょっと乗り切れなかった…。

    スクリーンに映し出された池田屋の二階に突入するくだりなどは、新選組オタク的にちょっとときめいたし、部分的にはとても好きだったのだけど、なぜこういう文体になったのか、イマイチ作者の意図が見えてこなくて戸惑ってしまう。そして続編はまだ出ていない…?

  • ストーリーはおもしろかったけど、文章がぶつ切りすぎて、内容が頭に入ってこない。
    その混乱が面白いといえば面白い
    タイトルと内容がイマイチ合致しない
    タイトルに惹かれて読んでみたけど、タイトルと内容の不一致が、なんとなく気持ち悪い感じ

  • なかなか読了するのに骨が折れました。

  • 何だか頭がごちゃごちゃしてしまい、途中で断念。

  • 体調が悪い時に読んで、集中力が続かなかったのもあるんだろうけど、最後まで入り込めなかったなぁ。
    ま、こんなこともあるか。
    続編がありそうな終わり方・・・まさかねw
    と思ったら、ホントにあるの?

  • 登場人物が多くてそれぞれが深堀される前にお話が終わっちゃった感じがする。

  • 2月の講演で話しがでていた「電気ホテル」なる実在のホテルのチラシから着想をえたという作品。クラフト・エヴィング商会の展覧会でも構想メモがでていて、魅力的な登場人物がたくさんいるようだったのだけど、登場人物(動物)が多過ぎてもう混沌、大混乱。
    ちょっとつらくなってきたので、積読にします。

  • 二人の詩人、探偵、司書などなど、ちょっと不思議な町の住民たちがあるひとつの謎にとりつかれる。
    答えは二階にある、らしいのだが。

    2014年10月30日読了。
    まさかの続きものに思わず絶句。
    答えを知りたいような、知らない方がいいような。
    吉田さんの作品は「好き」か、「理解不能」かに分かれるのですが、今回は後者の方でした。
    続きを読めば、前者になる可能性も否定出来ませんが、ちょっとツライかなぁ。

著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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