- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163902227
作品紹介・あらすじ
俳優であり作家でもあった鬼才の素顔とは?ラジオ番組「小沢昭一的こころ」の筋書(台本)作家を務めた著者が、小沢氏の葬儀の場からさかのぼり、その芸と人間性に迫る好著。
感想・レビュー・書評
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「あしたのこころだ」
新装開店した栄の丸善で書棚においてあった小沢昭一の似顔絵を見て懐かしく思い、購入。
小沢昭一が亡くなってもう2年半経つのか。
高校の頃TBSラジオで若山弦蔵の番組が午後5時からやっていて、6時近くになると「小沢昭一の小沢昭一的こころ」をやっていたのをよく聞いていた。社会に出てからはそんな時間にラジオを聞くことなどないのでずっと聞かなかったが、40年間わたる放送一万回を記念して「ラジオのこころ」(小沢昭一著/文春新書)が出たので買って読んだりはしていた。
本書は「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の筋書きを書いていた三田完が捧げる小沢昭一へのオマージュである。内容は葬式から始まり、小沢昭一のゆかりの地を番組プロデューサーと訪ねて小沢昭一の横顔を綴っている。筋書きを書いていただけあって、小沢昭一のラジオ番組の雰囲気で楽しくそして懐かしく読めた。
小沢昭一というキャラクターは演じられていたもので、本人は簡単に素顔を表さず、番組のキャラクターとは違いまじめな学者肌の人だったように感じた。
YouTubeで検索すると小沢昭一の1万回記念ラジオ放送が聴けるのだからなんとも便利な時代になったものだ。
著者の三田完とは同年代。遠くなった昭和がなんとも切なくさみしく感じられる。