カルト村で生まれました。

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 色々カルト村への 突っ込みどころが
    心からあふれてくる本なのですが
    まずは 高田さんが 非常に中立な気持ちで
    自分の子供時代のことを淡々と描かれていること。
    それによって 自分が知りえない
    共同体としての生活の実態がよく理解できたと思います

  • 借りたもの。
    カルト村、ヤマギシ会のコミュニティーで生まれ育った著者の、幼少期から中学校前くらいまでのエッセイコミック。

    コミックというよりイラスト寄りの可愛らしい絵が、きつい状況を緩和する。

    「本当にカルトなんだなー……」と思う。
    手紙の閲覧、入ってくる情報の統制を図るなど……
    しかし、退けたところで外界と関わる以上、それを排除することはできない。

    “所有のない社会”という共同体なので、子供も“皆の子供”という考え方だったらしい。
    しかし、このコミックを子供を読むと、子供を皆で育てている風には見えない。
    まるで刑務所に隔離された、囚人と看守のような関係に見えた。
    世話役の人は、子供を“問題を起こす存在”としか見ていない気がする。
    誰の気持ちにも寄り添わないような……

    村の外で結婚式に招かれたとき、口止めされていたり、朝ごはんを食べさせて貰えなかったり……
    それなのに、なぜ母親が食べて、子供に食べさせないのか?普通、逆では?
    ネグレクトによる愛着障害の気配も感じてしまう……

    所々で村の酪農生活と、そこで得た自分達で餅や調味料を作れるスキルは素晴らしいと思う。
    ……でもそれはこんな共同生活でなくても得られるはず。

  • 農業を基盤としたコミューン(生活共同体) 手紙の検閲 不承不承 薄着推奨 村の考える「男は男らしく・女は女らしく」の縮図みたいな光景で 相手が自分より弱いと認識した時点で殺意は消えた 季節の移ろいや天候には敏感に反応し 子供が無休で働いていることを糾弾されたらしく休日が設けられ 読んだ本と想像力さえあればいくらでも物語をつくることは可能で_臨機応変に形の変わる物語 奇跡の融合

  • ヤマギシ会という宗教団体に所属する両親の元に産まれ、その施設で育った筆者。
    今はそこから離れ、一般人の夫と結婚したことで今までの暮らしが普通でなかったことを知り描いたコミックエッセイ。

    筆者にとってはその閉ざされた空間や親子関係が当たり前。
    だからこそ悲観的には書かれていない。
    読み手としてはだからこそ、気持ち悪さを感じずにはいられないところもあり。

    幸せにこれからも暮らしていただきたい。

  • 本の構成がいいです。
    著者のキャラクターもいいです。

    素直な本。

    社会共同体的な暮らしに興味がある人、
    共産主義的な暮らしに興味がある人、
    SDGsや自給自足に興味がある人、
    テレビは人をスポイルすると思っている人、

    などにおすすめ。

    払ってもいい金額:800円

  • 作者がまだまだ洗脳から解けてなくて、なんだかもやもやした。こんな所がまだまだたくさんあると思うと、救われて欲しいなと思う。

  • 時折出てくる大人になった著者が、まだ洗脳とけきってない感じがして得も言われぬ嫌悪感がわいた。
    字が綺麗。
    カルトというわりに、宗教施設というかヒッピーみたいな感じか。どちらにせよ関わりたくないなと思った。

  • 毎日新聞2016年3月5日 いしかわじゅん評

  • 夢中になって読みました。
    タイトルにはあまりひかれなかったけど読み始めたら止まらない。
    知らない世界が気になります。
    絵が優しい。主人公の雰囲気が可愛い。

  • ヤマギシ会については昔問題になった時に文章で読んでいる(カルト全般を扱った書籍で宗教以外の例えばマルチ商法なんかも載っていたと思う)
    カルト=宗教だと思っている人も見受けられるけれど、特定の主義主張や対象を熱心に信奉していればカルト(マニアックな映画をカルト映画といったり)なので「宗教じゃない」と批判したり弁護したりは本来意味はない。
    特殊な環境下で育った人のコミックエッセイで、彼女が育ったその時代の、コミューンの中の、更に一つの村でのお話である。これが全てではないし、今はいくらか改善されただろうことは著者も描いている。でも改善されたということは問題があったということだ。
    昔、ヤマギシ会が話題になった時も子どものことが一番の問題点であったと思う。漫画にしたことで問題点はわかりやすくなり、「親と離す」「学校生活に支障が出る」「栄養不足」「体罰の肯定」等、児童虐待ととられる事例があったのだなとより具体的な内容がわかった(著者のところの世話係は特に酷く、理不尽さが際だっているとは思う。でも会じたいがそれに目をつむっていたことは事実だ)
    著者はいくぶん冷静な面もあり、会を全面否定も肯定もしていない。自分が問題児であったから特別多めに体罰を受けたことも描いている。保存食や調味料を手作りしながらもカップ麺が大好きだという。まだ洗脳がとけていないのではと気にしている読者もいるけれど社会生活が問題なく送れていれば大丈夫だと思う。農業生活じたいは問題ないのだから。

    内部からの声はやはりリアリティがある。個人の体験、感想なので偏りがあったとしても。今でもヤマギシ会は活動しており、体験会や講習会が行われている。何も知らないより自分で是非を判断する材料の一つとして読んでおくのは良いと思う。

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著者プロフィール

唐戸俊一郎(からと・しゅんいちろう)。1949年、福岡県生まれ。1968年、東京大学入学、1977年、東京大学理学博士。1989年、アメリカに移住。ミネソタ大学教授を経て、現在イェール大学教授。地球惑星物質の研究を通して地球や惑星の起源やダイナミクスを理解することを目指し、ミクロとマクロを結ぶ学際的な研究を続けている。専門論文の他に『レオロジーと地球科学』(東京大学出版会)、“Rheology of Solids and of the Earth”(Oxford University Press)、“Deformation of Earth Materials”(Cambridge University Press)など編著書多数。日本学士院賞、ラブ・メダル(ヨーロッパ地球科学連合)、レーマン・メダル(アメリカ地球物理学連合)などを受賞。

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