フランダースの帽子

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 192
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904078

感想・レビュー・書評

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  • 『世にも奇妙な物語』のような短編集
    語り手は早口で、読むものを引き付け
    最後に謎かけをして終える
    『ノヴァスコシアの雲』『伊皿子の犬とパンと種』がよかった
    タイトルも静物画のような美しさ

  • いずれも「きょうだい」がモチーフの短編集。
    表題の短編が好き。
    昔とやっぱり書き方が変わったなと思うけど、長野先生らしさは変わらない。
    ……と思ったけど雪花草子とかもこんな感じだった気がするから、何も変わってないのかも。
    書く人間の年齢の幅を昔より広げただけかな。

  • いい意味で掴みどころのない…過去と現在、男と女、現実と夢…あらゆる事象の境目が曖昧な、独特な世界観の短編集。理解しようとするとするりと抜けていくストーリー。何だか狐に化かされたような気持ちになりながら読み進めていった。ほんのりと薄気味悪いのに、その余韻に浸っていたいような。
    一応はそれぞれ独立した短編なのだが、双子とかきょうだいとか、似たような設定が次の作品にも登場するので、連作短編集を読んでいるような気持ちになる。好みは分かれそうだが、白昼夢のような、靄のかかったような物語世界に迷いこむのも悪くないなという気にさせられた。

  • 短編集。
    どの話もちょっとだけ驚いたり、騙されたり、意外だったり。そのちょっと具合がちょうどいい。
    「伊皿子の犬とパンと種」がミステリーっぽくて面白かった。

  • ふわふわと幻想世界を漂うようなリアルのお話。
    一筋縄ではいかないミステリが織り込まれている感じが結構好み。こっちと思って読み進めていたら、実はこっちだった!みたいな。
    2話目からは覆されるのを期待して予想しながら読んでしまった。

    「ポンペイのとなり」…年子の姉と弟の話。中学生の頃弟が出奔した。その頃姉は原因不明の頭痛を再発していた。わたしは…(誰)
    「フランダースの帽子」…双子かと思うほどよく似た姉妹ミナカナが付いた嘘。私が学生のころ描いた「フランダースの帽子」という絵画と25年後に不思議な再会をした。
    「シャンゼリゼで」…母々子が開く読書会。今日の本は「かみのふね」。ゆり彦とまり妃子の話。
    「カイロ待ち」…購入した中古の一軒家。誰が住んでいるのかわかりにくい南の隣人。旅行好きの老夫婦が北の隣人。ここに来るたびに起こる謎の頭痛と不快感の正体は?
    「ノヴァスコシアの雲」…「雲の事務所」と書かれた瀟洒な一軒家には謎の老婦人がいた。
    「伊皿子の夫とパンと種」…スキューバダイビング中の事故で記憶を失った遠田浩紀の話。

    「ポンペイのとなり」と「フランダースの帽子」がお気に入り。

著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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