女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904610

作品紹介・あらすじ

いつの間にか心のクローゼットは甲冑だらけ。断捨離? ミニマリスト? そんなのしらんがな!!!敵から身を守るためなのか、世間に認めてもらうためなのか、それとも自らの欲望なのか、今日も女は心身ともにさまざまな「甲冑」を着たり脱いだり大忙し。いつの間にか心のクローゼットは、女の気持ちをやたらザワザワさせる甲冑だらけなのです。「CREA」連載に大幅加筆し、書き下ろしもたっぷり加えた、ジェーン・スー最新エッセイ集!

感想・レビュー・書評

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  • 自虐的で自意識過剰で、食わず嫌いなだけで本当は好奇心旺盛で、女である事に敏感で、でもちゃんと楽しんでいて、冷静に自己分析が出来て、自分の事をこれっぽっちもおばちゃんだなんて本当は思っていない。とても頭が良くて抜群に文章が上手で面白く、何より本音が言えてプライドが高く若々しい。

    共感する事しない事、真似したい事、出来ない事もあるけれど、自分の甲冑を使いこなし、要らない甲冑はいつか捨てられる時が来たら捨てればいいし、捨てられなくて取って置いてもいい。あれこれと気になるのは向上心やプライドが高い証拠。満足するまで試してみれば合うものと合わないものとが、今はもう合わないもの、今はまだ合わないけれど将来的には合うかもしれないもの、大好きなのにどうしても合わないものなど、その時々でわかってくるはず。思い込みもいいし、時間が経ち思い込んでいた事に笑える時が来たら笑えばいい。早々と頑なに決めてしまう必要はないし、誰にも迷惑を掛けない自分の中での変更はいつでもOKなのだから。

    心のクローゼットは一生をかけて、ゆっくり整理して行けばいいのだと、心を軽くしてくれる本。

  • 面白かったー!!すっかりファンです。マイベストはプロポーズのやつですが、これも好き。こっちはわりと嗜好やスタンスや、表題のとおり「甲冑」についての話。

    かっこ悪いことを、それも特に女性のことを書くのがほんとうにお上手だなーと思う。綺麗にしすぎず、自虐しすぎず、公正でユーモアもある言葉選びはどこで手に入れられたんだろう。読書を余りしないというエピソードに本気でびっくりしました。すごいなー!ということは、この文章力というか表現力?は、ご本人の心の中から出たものが多いということだよね。めちゃくちゃ頭が良いのだなあ。

    えーわたしはこうは思わないなあ、でも、ここは共感する、でもどちらでも読んで盛り上がれること間違いなしというか。全部に共感しなくてもいいけど、この本で盛り上がれず気を悪くする女とは絶対に友達になれないなあ、と思う、本当の女友達見極め本かもしれない。逆にこれを読んで分かるよ〜っていう男とは付き合いたくないけど。
    ジェーン・スーさんの本を読むと、どんなキラキラな雑誌や自己啓発本より、わたしは女だなあと感じる。好きです。

  • スーさんのエッセイ、読んだのは2作目。かなり面白く読みました!私自身もどちらかというと自意識に縛られてるタイプの人間なので、分かる〜と共感するところも多かった。斜に構えて冷笑してるフリして、実のところその対象が羨ましかったりするんだよね。そんな自分がいることをちゃんと認めることが大事。シンデレラは実は相当図太くて自信たっぷりな女の子だって話、山田明子さんの魅力の話、映画"コーラスライン"が良いって話にグッときました。

  • 自分を飾る行為は自分の気持ちをあげるだけでなく、他人からどう見られたいかを演出する手段。内面の感情を外見に表す行為。
    しかし自尊心を宿せず、客観性や羞恥心に振り回された結果、恥ずかしくて着られなかった水着や、つけられなかった赤い口紅を思うジェーン・スーさん。
    抵抗勢力となっている自意識を分析することで、感情の動き方が明らかになっていく。

    邪魔をする自意識の存在を踏まえた上で、山田明子さんと華原朋美さんについて書かれたエッセイを読んだら、じんわりと染みるものがあった。
    愛されることの意味みたいなものを柄にもなく考えてしまった。

    誰も傷つけずに、みんなを肯定してくれるジェーン・スーさんの文章は素晴らしい。現代社会の授業で使うべきだ。

  • 初ジェーン・スー。読了後に再度表紙を見るとまた笑っちゃいます。ちゃんと内容が盛り込まれてる!松田奈緒子さんは流石です。
    それにしてもまあ可愛らしく(と敢えて書く)世の中を享受するにはプライドが許さない、でも誰よりも可愛らしい女がふんだんに盛り込まれていて、読んでて本当に楽しかった。甲冑とは何とまあ言い得て妙なのか。
    前髪一つで、額を語るのに「時代という客観と、意思という主観の掛け合わせが毛量となってクロスするスクランブル交差点」なぞと考えたことは過去一度もなかったのに妙に納得させられるこのクドクドしさ(笑)。ディズニーへの背を向け続ける姿勢はもう崇拝に値します。詳細は伏せるが、壮大な下克上に噴き出さない信心深さて。これで察した人間は絶対にこの本を読んだ方がいい。ちょっと楽にならんでもない。
    一番好きなのは日本の世間様が他人を測る物差しの単位についての一考。ため息しか出なかった。でも最後はクスっと誰も傷つかないオチで一つ一つ締めてくれている。あぁ、いいなぁ。

  • “山田明子について”
    “5,6,7,8,はい、今日も頑張りましょう!”
    が特に響いた。

  • 自分と重ねて笑って泣いて忙しかった!
    自意識に縛られ苦しむとこから抜け出しつつあるけど、一緒に伴走してもらってる気分

  • Podcastを聴いては、いつも抱腹絶倒している。そんな彼女のエッセイだし、と読んでみた。ははは、と笑えるけど、途中で飽きてしまった。声含めてジェーン・スーさんのファンなのかもしれないな。

  • iPhoneケースの話がまるで自分の写し鏡みたいで面白かったです。スーさんはあまり本を読まないそうですが、それでいてこの文才とセンスなのだから凄い。
    自虐的な部分も見せつつ最高に自分自身を愛していらっしゃるスーさんは素敵だなと思います!中野さんの解説も共感出来ました。私にも、仲良くなったけど敬語でかつこの距離感を保っている友人というのが少なからず居るので…言葉に引っ張られる関係性は疲れます。。

  • 私たちが~で面白かったジェーン・スー

    同年代だからか(笑)読んでて
    分かるー!な部分が多い

    私は意外とこの少し図々しくなって
    自分らしく生きていけるようになった今が好き。
    作者も色々と大変!と言いながらも
    この年齢を楽しんでいるように見えるのは私だけかしら?

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著者プロフィール

1973年、東京都出身。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月~木曜午前11時TBSラジオ)に出演中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

「2022年 『OVER THE SUN 公式互助会本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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