- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163905891
感想・レビュー・書評
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かつて天才画家と謳われたオーブリー・ビアズリーの研究をしている甲斐は、文学者オスカー・ワイルドの研究者である女性から折り入って見せたいものがあると手紙を受け取る。
ビアズリーとワイルドと言えば当時世間を騒がせたサロメだが、彼女が持ってきたそれはサロメに関する見たことがないビアズリーの絵だった。
これは創作の、いわばおとぎ話のようなものであると頭ではわかっていても、原田さんの描く物語はまるで本当にそんなことがあったのではないかと錯覚してしまう。
サロメの愛憎劇に負けないほどの、愛と嫉妬に満ちた物語に圧倒されっぱなしだった。 -
世界観に引き込まれる本。
中身はこれでもかというほどどす黒い。
人間は誰しも怪物になりうるのだろうか。 -
原田マハの本はいつもながら読み始めると止まらない。実在の人物が主人公で流れもわかっているのに一気に読まされてしまう。
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「サロメ」の挿絵画家と、著者と、女優の
ドロドロすぎる愛憎劇。
姉の執念、恐るべし。 -
【いちぶん】
その逆もいえる。つまり、ピアズリーの挿絵があったからこそ、〈サロメ〉は永遠に人々の記憶に残るものとなった、と。
(p.13) -
誰の心にも潜んでいる罪深きものへの興味、怖いもの見たさ。人間の原初的な感覚に、オーブリーのナイフはまっすぐに切り込んでくる。彼の〈サロメ〉をひと目でも見てしまったら、もう逃げられなかった。(285ページ)
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今まで読んだ原田マハとはちょっと違う、怖い印象の一冊。
ロンドンの空気感と、拗れている人間関係と、主人公の行動がマッチして中々にダーク。
登場人物のことを知らなかったので、この本の内容に大分引っ張られそうなくらい、登場人物たちのキャラクターが立っていたように思う。 -
最後の余韻がいい!!
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良くも悪くも淡々としている。自分があまりこの画家に惹かれないせいか?