スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906171

感想・レビュー・書評

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  • 横浜ベイスターズを黒字化し、地域の人気球団へと変貌させたメソッドが盛り込まれ、その成功譚はプロ野球に関心無い人でも面白く読める。相手が良くも悪くも伝統ある球界だけに、その壁は「常識」というより、慣習とかしがらみと読み替えた方がしっくりはした。山場は別会社だったスタジアムを友好的TOBで取り込むところ。複雑な権利が絡んだ伏魔殿を、金の力で押さえ込むというより、人間関係を重視し信頼を築く事によって目的を達したエピソードは、ITをも駆使する経営のプロが地道なアプローチを取った点で真骨頂と言えそう。近年はロッテや日ハムなどかつての地味球団が、プロ野球が本来持つポテンシャルを掘り起こし成果を上げている例が目立つ。これは危機感を持った弱者だからこそ出来た改革でもある。ベイスターズはその最新形態で、球場をほぼ埋めついに順位も上げてきた活躍ぶりは、野球界のトレンドと言っても良いほど。ただ今後も継続出来るかが鍵。末尾には日本版NCAAの話があり、確かにここにも大きな開発余地があると思った。縦割りの旧態依然が蔓延る大学スポーツでも優れたフォーマットが整えば新たな世界も拡がりそう。

  • 後々活きてくると思うが、今は星3つ。地域におけるプロスポーツチームのコンセプトからチケットオペレーションの詳細まで、マクロかつミクロな視点を経験や事例を交えて分かりやすく伝えてくれる一冊。

  • 「常識の超え方」で手に取りました。

    ごめんなさい。
    「スポーツビジネスの教科書」でしたね。

    確かに偉業だったと思いますし、人間性も素晴らしいから「すべての状態を180度ひっくり返す」ことができた方だと思います。

    けど、私が期待した内容ではありませんでした。
    確かに「スポーツビジネスの教科書」です。
    良書だと思います。私が勘違いしていただけです。


    とはいえ、学んだ点もいくつかあり。
    適切にお金を使うことや、来たるべきチャンスに向けて地道な取り組みをする、といったところは共感しました。

  • 【25億円の赤字を5年で黒字に変えた組織再生の成功法則】25億の赤字を抱えていたベイスターズを黒字に転換した12球団最年少社長が明かす組織改革とスポーツビジネスのメソッド。

  • 元DeNAベイスターズ社長、池田さんのスポーツビジネスにおける手引書とも言える本書籍。
    特殊な業界ではあるものの、押さえるべき点さえ押さえていれば通常の企業経営とそう変わらないことが池田さんの実体験を基によくわかる。
    スポーツとはこうでなければいけないという常識に囚われずに柔軟な発想をすることなどはスポーツビジネスのみならず全ての企業経営に共通する点だと言える。
    今後の成長産業と言われているスポーツビジネスに少しでも興味がある人にとってとても有用な本だと思います。

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著者プロフィール

1976年1月23日横浜市けいゆう病院、星川生まれ。横浜市立いずみ野小学校、藤沢市立第一中学校、県立鎌倉高等学校、早稲田大学卒業後、住友商事、博報堂勤務などを経て2007年に株式会社ディー・エヌ・エーに参画。2011年横浜DeNAベイスターズの初代球団社長に就任(35歳での球団社長就任は当時、球界で最年少)。2016年まで5年間社長を務め、コミュニティボール化構想、横浜スタジアムの友好的TOBの成立をはじめさまざまな改革を主導した。観客動員数も、2011年の110万人から194万人へ大幅増加させ、球団は5年間で単体での売上が52億円から110億円超へ倍増し、黒字化を実現した。退任後はスポーツ庁参与、明治大学学長特任補佐、Jリーグ特任理事、日本ラグビーフットボール協会特任理事などを務めた。2019年3月、さいたま市と連携してスポーツ政策を推進する一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長に(~2021年6月)。2020年3月、B3リーグさいたまブロンコスの経営権を取得し代表に(2021年6月退任)。また、世界各国130以上のスタジアム・アリーナを視察してきた経験をもとに「スタジアム・アリーナミシュラン」として、独自の視点で評価・解説を行っている(https://plus-j.jp/)。著書に『空気のつくり方』(幻冬舎)、『しがみつかない理由』(ポプラ社)、『スポーツビジネスの教科書 常識の超え方』『横浜ストロングスタイル』(文藝春秋)など。

「2021年 『横浜改造計画2030』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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