スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド
- 文藝春秋 (2017年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163906171
感想・レビュー・書評
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横浜ベイスターズを黒字化し、地域の人気球団へと変貌させたメソッドが盛り込まれ、その成功譚はプロ野球に関心無い人でも面白く読める。相手が良くも悪くも伝統ある球界だけに、その壁は「常識」というより、慣習とかしがらみと読み替えた方がしっくりはした。山場は別会社だったスタジアムを友好的TOBで取り込むところ。複雑な権利が絡んだ伏魔殿を、金の力で押さえ込むというより、人間関係を重視し信頼を築く事によって目的を達したエピソードは、ITをも駆使する経営のプロが地道なアプローチを取った点で真骨頂と言えそう。近年はロッテや日ハムなどかつての地味球団が、プロ野球が本来持つポテンシャルを掘り起こし成果を上げている例が目立つ。これは危機感を持った弱者だからこそ出来た改革でもある。ベイスターズはその最新形態で、球場をほぼ埋めついに順位も上げてきた活躍ぶりは、野球界のトレンドと言っても良いほど。ただ今後も継続出来るかが鍵。末尾には日本版NCAAの話があり、確かにここにも大きな開発余地があると思った。縦割りの旧態依然が蔓延る大学スポーツでも優れたフォーマットが整えば新たな世界も拡がりそう。
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後々活きてくると思うが、今は星3つ。地域におけるプロスポーツチームのコンセプトからチケットオペレーションの詳細まで、マクロかつミクロな視点を経験や事例を交えて分かりやすく伝えてくれる一冊。
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【25億円の赤字を5年で黒字に変えた組織再生の成功法則】25億の赤字を抱えていたベイスターズを黒字に転換した12球団最年少社長が明かす組織改革とスポーツビジネスのメソッド。
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元DeNAベイスターズ社長、池田さんのスポーツビジネスにおける手引書とも言える本書籍。
特殊な業界ではあるものの、押さえるべき点さえ押さえていれば通常の企業経営とそう変わらないことが池田さんの実体験を基によくわかる。
スポーツとはこうでなければいけないという常識に囚われずに柔軟な発想をすることなどはスポーツビジネスのみならず全ての企業経営に共通する点だと言える。
今後の成長産業と言われているスポーツビジネスに少しでも興味がある人にとってとても有用な本だと思います。