- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163909622
作品紹介・あらすじ
「生きることって結局は楽しいんだよ」音楽と娘と自分の人生を真摯に愛する規格外な母リョウコのまるで朝ドラのような人生! 「リョウコ」とは、漫画家・ヤマザキマリの今年で86歳になる「規格外」な母親のこと。昭和35年、リョウコが27歳の時、勝手に仕事を辞め、新設された札幌交響楽団で音楽をやるため、半ば勘当状態で家を飛び出した。新天地・北海道で理解者となる男性と出会い結婚するものの早逝され、シングルマザーとしてふたりの幼い娘を抱えることとなる。戦後、まだまだ女性が仕事を持つのが難しかった時代。ヴィオラの演奏家という職業を選び、家族を守るために、大好きな音楽を演奏するために、リョウコが選んだ道は平坦ではなかった。鼻息粗く自分の選んだ道を邁進し、ボーダレスな家庭の中で子供を育てあげた破天荒・母リョウコの人生を、娘マリが語る。見本となるような「いい母親」ではなかったけれど、音楽と家族を愛し、自分の人生を全うする、ぶれないリョウコから娘マリが学んだ、人生において大切なこととは?昭和を駆け抜けたリョウコの波瀾万丈な人生!
感想・レビュー・書評
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パワフルなヤマザキさんの母リョウコさんはやっぱり「規格外」な人だった。丁寧な聞き取りによる面白エピソード満載だが、演奏旅行で預けられた時の心情を『火垂るの墓』にかぶせるなど親子の綱渡り的生き方の心細さや辛さも伝わった。でも親子で好きなものを貫く姿勢かっこいい。名言もいっぱい。
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原田マハさんとの対談本「妄想美術館」でこの本の存在を知り読んだ。
テルマエ・ロマエで有名なヤマザキマリさんの幼少期と、その母親の生い立ちが分かる本。
ヴィオラ奏者で札響創設に携わり、初の女性団員だったとは驚き。時代に縛られない生き方が読んでいてとても気持ちよかったし、楽しく生きているのを見せるのが親の一番の務めという精神も素晴らしい。 -
著者の母親の生き様を描いた、清々しい気分になるエッセイ。自分にとって生きがいとなる職業に就くために一人北海道に飛び込み、仕事を続けながらシングルマザーとしてヤマザキマリさん姉妹を育て上げた。
お母さんが学校の先生に言われて大切にしていた言葉。
「この社会で活き活きと生きること。たとえいつも一緒にいられなくても、一生懸命に働き、満足していること。それを知ってもらうことも、素晴らしい母親のあり方です」
自分の人生を謳歌して、子どもに人生は楽しいんだよということを身をもって伝える。共働きが普通になって、仕事と子育ての両立に悩む現代の親が本作を読んで心が晴れ晴れとすることもあるのではないだろうか。 -
たまたま並行して本書と『兄の終い』(村井理子著)という2人の著者の、全くもってプライベートな家族の話を読むことになった。
他人様(ひとさま)の人生や生活なので、読者である私がその良し悪しについて考える意味は無いと思う。
マリさんと私が生きてきた時代はほぼ同じであるのにもかかわらず、環境があまりに違い過ぎて理解しづらい。
しかしマリさんもリョウコさんもお幸せだということがわかる、ある家族の歴史。
それ以上でも以下でもない、そんな本。
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ヤマザキマリさんの母、リョウコさんの話。
リョウコさんは破天荒というか相当パワフルで、一本筋が通った人という印象だった。
仕事で家を不在にすることも多くて子どもたちを放任しているようにも見えるけど、信頼と愛情を持って接していることも伝わってくる。親子の心の距離感がちょうど良くて、素敵な関係だと思った。
この本も面白かった!
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漫画家ヤマザキマリさんが書いた破天荒な母・リョウコさんのお話です。
リョウコさんはお嬢様だったのですが、親に半ば勘当されながらも札幌に新しく設立されるオーケストラに入団しヴィオラ奏者になりました。夫に若くして先立たれ、1人で長女マリさんを育てます。再婚して次女を授かるものの、結婚生活は続かず離婚。シングルマザーとして働きながら自分の生き方を貫いて2人の女の子を育てていきます。
破天荒なリョウコさんの破天荒な行動に驚かされながらも、お金の価値観、仕事への情熱、周りの人との関りなど、自分の生きがいと子どもへの愛情を考えさせられる1冊です。
子育てで悩んでいたのですが、なんだか吹っ切れました。
読んでよかったです。 -
生きることを楽しむ。
人生を謳歌する。 -
雄々しく、カッコいい。
その一言に尽きる。
ヤマザキマリが描く漫画も好きだが、エッセイもかなり面白い。
たまたま開いた女性誌のエッセイで語られる強烈な母・リョウコの話が面白く、たまたま書籍化された本書を手に取った。
若き日のリョウコはとても可憐だ。
この外見とは裏腹に、暴走列車よろしく望みを叶えるために突き進む姿は、清々しいほど雄々しくカッコいい。
子供を子供扱いせず、自分と同等に見ている節もあり、そう言った意味で、進んだ親であり大人なのだと感じるし、他方で、離別した元夫の母親を迎えに行くエピソードを読むと、愛情や情け深い性格も見て取れる。
雄々しく愛情深い破天荒な母・リョウコ。
自分の親だったら嫌かもしれないが、ひとりの人間としては、途方もなく魅力的だ。
ヤマザキマリは、リョウコの若き日の写真によく似ている。
質実剛健な作風なのに、外見は極めて可憐だ。
母娘って似るもんだなあという事と、漫画のリョウコの、ザンバラで目をギラギラさせている鬼ババ風の外見は、行動力に全振りしたイメージだったのかというのが感想。 -
昭和40年代に、しかも雪深い北海道で、母子で生活するのはどんなに大変だったろうと思う。
いつも留守の母親。寄り添う姉妹。親戚に預けられる肩身の狭さ・・・なんて、書いていると悲惨かと思いきや、大人になったマリさんは、母の生き方に、どれだけ自分が救われたかを思って、この本を書かれたのだと思うのです。(いや、ネタが豊富すぎて??)
どんな時も、音楽に生きる生き方を貫き通したリョウコさんは、マリさんの生き方に多大な影響を与えたであろうことが伺えます。
大人になったマリさんに、感謝されるお母さんリョウコは、マリさんの支えでもあるが、ライバルでもあるように思うのです。
マンガは、各エピソードのダイジェストになっています。
「マヤとその周辺」に描かれていたおばあさんの正体?がわかり、少しだけ心が和みました。