ストーカーとの七〇〇日戦争

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163910284

感想・レビュー・書評

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  • 交際相手(恋人)が、別れ話を経て、ストーカーに。

    「週刊文春」連載(2018/05/17号-2018/12/27号)のドキュメント。

    タイトルは、ママチャリ作のラノベ「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」(27巻まで刊行)を意識しているのだろうか。

    p.17「自営業だからってフルネームと住所をネットにあげちゃうの、危ないからやめてください......」
    特定商取引法に違反することを唆していますか?
    出版社の校正担当者はそれを見逃しましたか?

    特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)
    (通信販売についての広告)
    第十一条 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。(中略)
    (第1号から第4号略)
    五 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
    --
    特定商取引に関する法律施行規則(昭和五十一年通商産業省令第八十九号)
    (通信販売についての広告)
    第八条 法第十一条第五号の主務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
    一 販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
    (第2号から第10号略)

    p.190「ま、ホントにお金のない人が一番強いと言われています。」
    無敵の人は怖いという話になるのかな。

    p.346「もし気がついたら加害者側の立場になっていたら、どうか。」

    このノンフィクションは、女性被害者側からのもの。どこまでが許されて、どこからが許されないか、というテーマは、扱っていない。

  • ストーカー規制法にこの本がきっかけで良い変化があるとしたら内澤旬子さんのおかげです。被害者よりも加害者に有利な環境を変えるべく出版されました。一冊でも多く売れて世の中が良くなるようになりますように。縦割り行政が優先なので早く人権が優先されるようにならないかな。息つく暇もない展開で一気に読んじゃいますよ。内澤さん、ご無事で!!

  • いやぁすごい。急にトラブルに巻き込まれる怖さが、読んでるだけの私にまでじりじり迫ってくる。
    日本における被害者救済の弱さや警察や裁判所の横の連携のなさ。相手が何かしでかさないと対応策をとれないことに「犯罪者を一人増やすことで、一体誰が得をするというのだろう」と内澤さんが憤るのもうなずける。ゴネたもん勝ちで相手にお金がなければ違約金も取れないなんて、そりゃ理不尽すぎる!
    ともあれ、(端から見たら)冷静にチクチクと対処していく内澤さんが時に危なかしくて、逮捕を目指す警察に「困ったことに内澤さんのやりとりを見るとあんまり怖がってないんですよね~」って言われちゃうのも失礼ながらちょっと笑ってしまった。

  • 加害者の前科や今の居住地とかは個人情報で守られるのに、被害者は引っ越したり見つからないように目立たないようにビクビク暮らさないといけないことの不条理。もし自分が被害者になったらどのようにしたらいいのか、内澤さん自身今から考えるとこうすればよかったということを教えてくれています。恐怖心はまともな思考や決断力を奪うこともよくわかりました。

  • 感情で行動が支配される人がいること、そういう人に関わったら面倒くさいこと、法律の知識の必要性、論理的な思考の大切さ…

    読了60分

  • とても良い本だった。
    ストーカー加害者、被害者、日本におけるストーカーに関しての情報がとてもわかりやすく、誰もが加害者、被害者になってしまう時代。
    オススメ本です。

  • 図書館で。本屋大賞ってノンフィクション賞もあるんですね。知らなかった。以前、清水氏のストーカー殺人事件を読んだ時は痛ましいな、とかこういう恐ろしい思考の人と円満に別れるためにはどうすれば良いんだろう?とか思ったのですが。別に年齢とかで差別するわけじゃないですが、もう少し上手に立ち回れなかったのかな、とはちょっと思いました。

    どんな出会いでも粘着質な異性と出会う可能性はあるし、友人の紹介や見合いの席で出会ったからと言って100%信頼のできる人である事は無いと思います。ただ、やっぱりネットでの出会いは慎重に慎重を重ねないとイカンのだろうなぁと思いました。あと気になったのが、著者が自分はずっと「被害者」で、相手のことは「加害者」と決めつけている点がちょっと引っかかりました。

    別に擁護する気もないけど、加害者側の男性からしてみるとこんな感じなのかなぁと思ったんですが、「いつも俺の意見に合わせてくれる、結婚を前提に付き合ってる彼女が、ちょっとよそよそしくなったと思ったらいきなり別れ話をメールで送ってきた。その後はいくら電話しても出ないし、メールも他人行儀な文章のみ。納得いかない。他に好きなヤツでもできたのか、アイツ、浮気でもしてたのか。とにかく納得いかない。せめて一度ぐらい会って話をするべきじゃないのか。直接会って、顔を見て話したい」とか取っ掛かりはそんな感じだったんじゃないかなぁと。
    つきあっているときは気まずくなったりこじれるのがイヤで相手に合わせていたとあったので、その辺りで男性の方は「コイツは俺の言うことを聞くヤツ」とか、「俺の事好きだろう」とか、「コイツはバカだから俺が守ってやらないと」なんて勝手に思い込みが強くなってそうだなぁ…とも思いました。

    その後、男性が捕まって、色々こじれていく訳ですが。正直ネットの書き込みなんか無視すれば良いのになぁと読んでいて思いました。それやったらあなたも同じ穴の狢よ、と。

    警察や弁護士への不満も、愚痴を言いたくなる気持ちはわかるけれども彼らは彼らなりにきちんとやってくれてるよなぁと読んでいて思いました。他人事だって怒るけど、だって他人事だし。結局は自分がどうしたいのか決定しなくては話は進まないですものね。
    でも実際問題、住所も知られている相手が家に押しかけてきて何するかわからない、という状況の時に冷静に対処できるかと言われたら難しいものはあるかとは思います。

    私は悪くない、向こうが一方的に悪い、とか、私はそんなに酷いことしてないのにストーカー化されるなんて酷いとか、そういう意識では解決は難しいんだろうなぁ。間に入ってくれる人が居て、相手の事情やこちらの事情を聴いてくれるカウンセリング大事なんだなと思いました。2人きりの付き合いとかは何かあった時に難しいですね。結局は、人間関係全般を大事にしておかないとイカンのだろうなぁとそんな事を思いました。

  • よく書いてくれたな。
    自分にはないと思いたいけど自分や身近な人が被害者になったときに役に立つと思う。
    あとこれ読んで不愉快になる人は加害者にならないように気を付けてほしい。

  • 2021/10/22


  • 読み物としては、心情が細かく書かれており、主人公(作者)に感情移入しやすかった。
    ノンフィクションということもあり、とてもリアルだった。

    また、実際にストーカー被害に遭ったら…という観点から勉強にもなった。

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著者プロフィール

ルポライター・イラストレーター

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内澤旬子の作品

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