- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163913612
作品紹介・あらすじ
人気キャラクターたちの秘められた過去や、知られざる思い。本編では描かれることのなかった珠玉のエピソード。
「オール讀物」に掲載された「あきのあやぎぬ」「ふゆのことら」「なつのゆうばえ」「はるのとこやみ」「ちはやのだんまり」「おにびさく」のほか、「かれのおとない」、さらに書下ろしを加えた全8編を収録。
感想・レビュー・書評
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八咫烏シリーズ外伝集第二弾。今回は本編の脇役や市井の人々の視点で山内での生活を描いた話が多かった印象。西家当主の新側室視点の「あきのあやぎぬ」や鬼火灯籠職人視点の「おにびさく」では特に庶民の生活振りがより深く判り世界がより生き生きと感じられて良かった。しみじみいい話だし。妹の彼氏を紹介されて戸惑う千早と明留の「ちはやのだんまり」可愛い!身悶えする。後半の南家「なつのゆうばえ」や東家「はるのとこやみ」の不穏な話や最後の奈月彦親子の「きんかんをにる」タイトル通りの話からの展開を読んだらそうだ、本編色々きな臭いままだったと思い出した。二部読むのちょっと怖いな…。
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八咫烏シリーズ外伝の短編集。
久しぶりに読むので、冒頭に人物紹介と相関図があって、助かる。
「きんかんをにる」がよかった。
立場上、なかなか普通の親子らしくいられない、奈月彦たち。
普通の親子のようなエピソードで、ほほえましかった。 -
短編集、まあ、さくっと面白かった。八咫烏シリーズのファン向け。
今まで出てきたキャラのお話。北家雪哉と山内の茂とみよしの話。市柳の次男と雪哉。千早と千早の妹の縁談。西本家顕彦の正室と側室たち。西家の職人。南家夕蝉。東家の浮雲の話。金烏奈月彦と浜木綿の娘の話。
雪哉の話と最後の金烏の娘の話は好み。 -
とんでもない意気地なし、と噂の少年・雪哉に剣の指導を頼まれた腕に覚えのある市柳は、おびえる雪哉に自信満々で打ち込むが、まもなく違和感を覚え始める――(「ふゆのことら」)
貴族の少年たちが、父の跡を継いだ職人が、全身全霊で守りたいものとは何か。山内に生きる人々の幸せを誓った彼、そして、権力闘争のはざまに育つ姫君の心の奥にある思いとは。
「文藝春秋BOOKS」より
この外伝も本編に負けず劣らず、というかこれがあるからこそ本編が面白いという関係性にある. -
大好きな八咫烏シリーズの外伝。これを読まなくても本編にはあまり影響しないが山内の世界を隅々まで知りたい!と僕みたいにどっぷり浸かりたい人には嬉しい一冊。
第一部から山内を統治する側の視点で描かれているので庶民から見た山内の世界が垣間見得て楽しい。
本編に出てくる魅力的なキャラクターが外伝でも生き生きと描かれていたり、シリーズにはまった人は臆せず手を出してほしい一冊。 -
八咫烏シリーズ外伝。異世界「山内」を彩る八咫烏たちの、
想い、愛、そして恋を綴るファンタジー短編集。
かれのおとない・・・兄・茂丸の死は家族だけでなく、その親友にも
深い悲しみを与えた。妹・みよしが雪哉に語る言葉。
ふゆのことら・・・市柳が勁草院へ行くきっかけは、雪哉との出会い。
郷長の息子の「責任」を知らしめる雪哉の行動が怖い。
ちはやのだんまり・・・結が相思相愛の相手を紹介。千早は黙する。
が、明留は相手のシンを探り、対峙し、真の姿を知る。
あきのあやぎぬ・・・環が側室になった相手は、西本家の次期当主。
彼、正室と数多の側室たちの関係とは・・・なんかホッコリ。
おにびさく・・・養父のような腕前は無い。だが養父は彼の良きモノを
見ていた。鬼火灯籠の「腕比べ」の選者と送り先に驚き。
なつのゆうばえ・・・南本家を取り巻く思惑と陰謀。だが、決して
一人ではなかった。皇后になるべく生まれ育った夕蟬の思い。
はるのとこやみ・・・音楽が推奨される東領で龍笛を学ぶ双子。
東家の姫の長琴の技は二人の運命を変える。姫の名は、浮雲。
きんかんをにる・・・書下ろし作品。金柑の甘煮を介して描かれる、
奈月彦と6歳になった娘、浜木綿、そして雪哉の日々。
平穏と緊張の中で育つ娘の姿が際立つ。運命の予感?
用語解説、人物紹介有り。
異世界に息づく八咫烏たちの、想いや恋を語る短編集です。
本編では語られられなかった、あの八咫烏たちの、
過去やその後が中心ですが、東西南北の四家や各領の
人々の生活や営みの様子も盛り込まれています。
なんとも大らかな西本家の支える人々、支えられる人々。
というか、真赭の薄と明留の兄って・・・弟妹関係はどうなの?
南本家の思惑と陰謀は、取り巻く環境が影響。だからこその夕蟬。
「あなた、だぁれ?」浮雲の仕草に、娘のあせびが重なる戦慄。
奈月彦の娘から金柑を口に突っ込まれる雪哉の脳裏には、
かつての、己を信じていた頃の奈月彦の姿を重ねたことでしょう。
細やかな短編とは言え、設定の深さを感じられる物語でした。 -
本編の幕間の光景が描かれていて、しあわせな話ばかりで切ない気持ちになる
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楽園の烏、
より前の時代だということはよくわかる。
このタイミングで奈津彦達の娘を出してくるのが、うまいなぁ。。。
雪哉に何があったのか、と思わずにはいられない、最後の物語が印象的
2021.5.22
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阿部さんの短編は毎度読む度に心が色々引っ張り回されて読後ぼーっとしてしまうなぁ…
しばらくするとまた凄い読みたくなっちゃうし。
書き下ろしのきんかんを煮るを読むと、やっぱり雪哉は1度立ち直っているにも関わらずあの楽園の烏での化けよう…
一体何があったんだ…