死者にこそふさわしいその場所

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 312
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914183

感想・レビュー・書評

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  • 普段目にしないが、そこここに存在するであろう汚い物が次々と出てくる。
    目を背けたくなるが、ある一区切りまで見ないと気がすまない。
    読んでいるうちにそんな世界に引き込まれた気がして陰鬱な気持ちになる。
    筆者がそう意図して作品を作ったのならば、まんまと思惑通りになったと言える。

  • 手を叩いて笑えるようなシーンがあったわけではない。
    印象的なシーンを述べろと言われてもやや困ってしまう。
    しかし面白かった、というのが読了直後の率直な感想だ。
    自分のなかの面白いという感情の振り幅が思いの外広いことに困惑している。

    著者の文章表現の巧さゆえ独特な世界観にすぐに引き込まれ、短編集ながらも濃い一冊だった。
    一見「変な人」ばかりが出てくるが、読み進めていくとその思いにも変化が生じるかもしれない。
    じわりと滲み出てくる物語の深さを楽しみたい人にお薦めしたい。

  • 難しい。
    抽象度高すぎなのかな。
    どこか自分にもある狂気というか、社会とのズレみたいなものの片鱗は掴めるような気配を感じはしたが、ちょっと飛びすぎていて、しっくりこなかった。

  • 『折口山駅付近を舞台に繰り広げられる狂乱』

    一癖も二癖もある登場人物が繰り広げる狂乱を描いた連作短編集。最後には全員集合して… 随所にチャバネゴキブリが登場するなど、好き嫌いは大きく分かれそうな作品でした。

  • 全員不幸的な内容に惹かれた。

  • 滑稽で奇妙な人間劇。理屈にまみれた日常なんてくそくらえ。これはフィクションなのか歪んだ現実なのか。
    わたしたちはみな狂気のすぐ隣でいきているんだ。

  • 【怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる】折口山に暮らすのは、性交の回数を記録する愛人、どうしても起きられない女、生傷だらけの聖職者…世界の蓋を引き剥す連作短篇集。

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著者プロフィール

1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

「2020年 『ひび割れた日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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