おもちゃ 河井案里との対話

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 65
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914701

作品紹介・あらすじ

 すらっと伸びた脚と大きな目、最先端のセクシーなファッションに身を包んで政界に登場したときは、マスコミはこぞって「女性政治家の星」として好意的に取り上げた。しかし、史上最大級の選挙違反で逮捕されるや、手のひらを返したように、「稀代の悪女」としてここぞとばかりに叩いた。
 河井案里。
 参院議員として活動したのは二年足らずだったが、世間に大きなインパクトを残した。
 彼女はマスコミの寵児となったが、実のところ、彼女のプライベートをよく知る記者はいない。
 筆者は、当選直後から逮捕されるまで、インタビューなどの取材だけでなく、ことあるごとに電話やメールでやり取りをしてきた稀少な存在である。筆者の手元には、膨大な量の録音、メールがある。
 あらためてそれらを読み返すと、不思議なことに気が付く。
 宮崎で成功した建築家の家に生まれ、慶応大学に進学し、代議士の妻、そして自身も県会議員から参院議員と、これだけ聞くと恵まれすぎた人生のように見えるが、彼女からは、いっこうに幸せそうなようすがうかがえないのだ。
 生きづらい女。
 筆者は彼女の生まれた宮崎を訪れることからはじめ、その人生をあらためて取材してみた。すると、そこには、マスコミで見せた鼻っ柱の強い美人政治家とは別の顔が見えてきた。
 タイトルの「おもちゃ」は、案里のメールにあった言葉だ。官邸も関与したであろう買収事件だから、きっと検察がもみ消してくれる。そんな期待は、黒川東京高検検事長のスキャンダルで吹き飛んだ。
「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」
 河井案里という一人の女性政治家の人生を通して、現代社会における女性の生きづらさに迫る。
 小泉純一郎、中村喜四郎に続く、政治家独白三部作の完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 申し訳ないですが、、どうもお嬢様気取りで好感度が高くなるとはおもえません。

  • 地方選挙にどんなお金が動いてるのか
    それはそういう方達には当然の慣習なのでしょう

    例えば仮に私の納めた税金が誰かを買収する為に当然のよう使われているとしたならば…

    そんなの普通の事なんだから。と
    そこで思考が止まるような人には投票したくないな

  • 東2法経図・6F開架:289.1A/Ka93t//K

  • 書評はブログに書きました。
    https://dark-pla.net/?p=3033

  • 2022.03.16 品川読書会で紹介を受ける。著者は河井案里が当選する前から取材。

  • 政治についてある程度の知識がないと、理解できないキーワードも多いかもしれない。
    ただ、これから県政や国政の場を目指そうとする政治素人の方は、一読をお勧めしたい現在の地方政治の実情がここにある。
    政治家になって自分探しをする人は、結構存在する。
    しかし、その結果、被害を被るのは、その政治家を生み出した有権者であるという事実は、投票する人が知っておいて損はしない現実ではなかろうか。

  • 面白かったです。具体的で濃厚。カフェで立読みしてたのですが、そのまま買ってしまいました。菅前首相の本を読んだときも感じましたが、安倍総理時代に持ち上げられ、敵勢力のリークで人生狂わされる優秀だけど閨閥出身じゃない人の憐れさを感じました。戦後80年経ち、日本も下から這い上がるチャンスが狭まり階層が固定化してきているのでしょうか。。

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著者プロフィール

1979年生まれのノンフィクションライター。ヤンキーとイノシシが元気に走り回る茨城県笠間市(旧岩間町)出身。しばらく東京・隅田川沿いに在住。著書『無敗の男 中村喜四郎全告白』が高い評価を受け、大宅壮一ノンフィクション賞と講談社本田靖春ノンフィクション賞の最終候補となった。『小泉純一郎独白』で第23回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞(作品賞)を受賞。街頭演説と選挙にまつわる昔話をこよなく愛す。地方選の観戦を通してその土地の特色を味わう「選挙ツーリズム」を提唱中。

「2020年 『地方選 無風王国の「変人」を追う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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