見果てぬ王道

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 153
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916354

作品紹介・あらすじ

長崎の貿易商・梅屋商店の跡継ぎとして育った庄吉は、香港で写真館を経営する。
そこで出会ったのが、清朝を打倒し、西洋の武力支配からの自立を目指す若き孫文だった。
西洋列強による東洋の侵略に理不尽を感じていた庄吉は、孫文の情熱を知り、革命を支援することを約束する。庄吉はやがて、日活の前身となるMパテー商会を創立。黎明期の映画事業は大成功を収め、その資金で革命を支援し続ける。

実業家・梅屋庄吉の熱き生涯を描く!

感想・レビュー・書評

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  • 孫文を支えて 日本人が いたことは

    なんとなく 知っていました。

    その人の 自伝があったので

    ぜひ 読んで見たかったです。

    感想は 良かったです。

    男としては 憧れる生き方ですね。

    しかし 家族から見ると

    やめてほしいと 思いますね。

    もう少し 仕事のことが 書かれているかと思いましたが。

    孫文との 交流が 多く。

    ちょっと 残念でした。

    でも この作家の作品 今後 注目したいです。

  • 史実を元にしたフィクション。孫文が日本にゆかり深かった事は知ってはいましたが、ここまでとは恥ずかしながら認識なかったです。また日本人の個人が孫文をこんなにも支えていたんだという事、フィリピンの独立運動にも関係していた事、これまた驚き&新鮮でした。見方や立場を変えた書籍を色々読んで見たくなりました。それぞれ登場人物が英雄っぽく描かりたりせず、人間っぽく描かれている点も好感。

  • とても面白い作品でした。
    孫文のパトロンとして知られる梅屋庄吉の一代記です。時代背景等も綿密に調査されて書かれており、学び多き小説でした。この時代の日本も中国も国作りの黎明期、創成期にあたり、個人が大きな事をし得た時期であったので、男子であれば大変ではあるものの面白い時代だったろうなと羨ましく感じました。
    かたや女性は家や夫に尽くすべしと言った風潮から、夫の女性関係や金銭的にもかなり泣かされただろうと同情しました。庄吉、孫文だけでなく小説に登場する一人ひとりが過酷な運命の中でも逞しく生き抜く姿に沢山の感銘と感動を得ました。是非読んでみてください。

  • 中国革命の父として知られる孫文を経済的に支援した日本人実業家・梅屋庄吉の破天荒な生涯を描いた歴史大作。と言っても史実を重視した作品ではなく、庄吉の人間的な魅力にあふれており、読んでいてとても楽しかった。日本の映画産業発祥にも深く関わっていたことも知り、とても興味深かった。
    にしてもこの人、運がいいんだか悪いんだか、目端が利くんだか利かないんだかよくわからない。新規事業を興しては成功→失敗を繰り返してばかりいる。稼いだ金は惜しげもなくばらまいてしまう。傍から見ているなら面白いが、身内にいたら堪らないだろうな。

  • 少し間が開き過ぎた。一気に読める時間が欲しかった。

  • 歴史を知る小説としては面白かった。梅屋庄吉が孫文の革命への情熱に感化され金銭面で支援するのだがあまりに無頓着で無鉄砲。トクさんや登米さんらの日陰の苦労と比べてしまい庄吉が劣って見えた。

  • 評価は★3に近い★4。

    というのは、まず、川越宗一小説は、ものすごく惹かれる題材なのだが
    読んでいて、わたしには、退屈というか飽きる箇所が多いから。
    「熱源」のときもそうで、すぐに投げた。

    フィクション、それも直木賞受賞作なのだから、エンタメでしょう?
    エンタメで、あんな風にエンエンと革命について語られるのを読むくらいなら、
    新書を読むかなぁ・・・
    とはいえ、エンタメの面白さもあるのは確か。
    梅屋の若き日、妻との関係、孫文との出会いなど、どこまでが
    作者の創作かわからないが、面白く読めた。
    明治日本のそうそうたる名前が出てくるのも嬉しい。

    かつて映画「宗家の三姉妹」で宋慶齢に憧れ、
    四半世紀前の上海を訪ねた。
    (まだ高層ビルが建ち始めた頃だったなぁ・・・)
    そんなだから、横浜にいたという、孫文の日本人妻?について知ったことも
    本書からの大きな収穫。ハマッ子としては、もっと知りたいところ。
    早速、こちらについても、横浜市立図書館で予約をしている。

  • 【孫文を支え続けた日本人実業家・梅屋庄吉の熱き生涯!】映画事業で大成功をおさめ、その資金で革命家・孫文を支援し続けた梅屋庄吉。その情熱と葛藤、国境を越えた友情を直木賞作家が描く。

  • どう切り取っても思想、政治がが含まれてくる難しいテーマの中で、孫文を陰に日向に支え続けた日本人から語るというのは絶妙な距離感だし、もうそれだけでドラマ生まれてるすな。

  • 中華革命の象徴的存在、孫文を主に金銭面で生涯支え続けた梅屋庄吉と、その家族の物語、と言うと、小難しい革命の話かなと思ったら、ほぼほぼ庄吉の商売繁盛記だった。それはそれでおもしろいんだけど、商売が何度かの失敗を経てだけど、結構サクサク大金持ちになったり、そもそも孫文にそこまで入れ込んだ理由がわからなくなるほど、段々孫文との付き合いが希薄になってきて、あれ何の話だっけってなったりして、なんだか登場人物に入れ込めないまま終わってしまった。

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著者プロフィール

『熱源』で第162回直木賞受賞。

「2019年 『異人と同人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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