謎の大王 継体天皇 (文春新書 192)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601929

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションとしての面白いテーマたが、何せ古すぎて解明が難しそう。

  • 王朝交代

  • ふむ

  • 中世以降、問題のある皇位継承が起きるたび、「このような先例もある」と引き合いに出される天皇がいる。その名は継体天皇。皇位継承者が居なくなる異常事態を受けて、はるか地方、はるか遠縁から、群臣に乞われて即位した天皇。その継承の異常さから皇位の簒奪者との説まであるこの人物、しかしその伝承はどこまでが真実なのか? 古事記、日本書紀その余の文献を検討しながら、継体天皇の真の姿を推定する。やや古い本ですが、同著者の本を読むための基礎として。

  • 古代史好きならみんな気になる継体天皇。日本書紀の記述が不自然すぎて、今までの王家とぜんぜん血縁ない人が王位を簒奪して天皇になったんじゃないの?という学説が唱えられるなど、もっとも歴史ロマン溢れる天皇だと思う。万世一系を否定する学説なので戦前なら大問題だろうけど、とにかく興味深い。
    そのあたりも含め、日本書紀や古事記を丹念に読み解いて、継体天皇の正体を探っていく。ごく限られた資料から当時の政治体制や勢力関係を紐解いていくのは古代史の醍醐味だと思う。

  • 2001年刊行。著者は堺女子短大非常勤講師。

     記紀おいては応神天皇五世孫とされ、後世の歴史家が王朝交代説を唱える要因となった継体天皇。また、彼の死後は二王朝が鼎立したとの疑問まで生まれている。
     著者は、この謎多き継体天皇について、その前史から死後の大和朝廷内の混乱まで解説する。

     本書の最大の長所は、自分と異なる見解について丁寧に内容紹介した上で、批判検討をしている点だ。これは研究者としては極めて良心的な叙述態度で、好感度大。

     もとより陵墓の調査検討が不可な中で、文献解読のみでは説得力ある叙述は難しい。結論よりもその思考過程を味読したい。

  • 王朝交代説もある謎の大王、継体天皇とはどのような人物だったのか。即位の経緯や出身母体などを探ることで、古代社会の考え方や大王のあり様が見えてくる。エキサイティングで興味深い内容だった。特に、その後、継体天皇の故事を引いて、天皇の即位を配下が決められるようになったという指摘は、古代の出来事がその後の歴史に大きなインパクトを与えたという鋭い観察だった。

  • 最近、古代史がまたマイブーム❤

  • 万世一系の天皇と言われる系図の中で、古事記・日本書紀とも応神5世の継体が皇位継承したという記事を書いており、古今疑問を抱かれてきた。その継体に焦点を当て、出身地近江・高島の豪族・息長氏出身説を論証。そして大和王朝の実力者・葛城氏が対抗勢力であったと推論。確かに記紀の記述には当時の政治情勢が隠されているはずで面白いものでした。そして後々まで天皇の代替わりの一つのモデルになったということは、現在の皇室に男子がおらず、女子天皇がささやかれている中で時宜を得た出版だと思います。

  • 出自がハッキリしない継体天皇について、論点を整理しながら進めていて読みやすい。エピソードも知らないものが多く、例えば、葛城氏の凋落と蘇我氏の台頭は、古代にあった下克上じゃないの。他にも、早くも、母系外戚による政治運営など知的好奇心が刺激された。

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著者プロフィール

水谷 千秋(みずたに ちあき)
1962年生まれ。龍谷大学大学院博士後期課程単位取得。文学博士。現在、堺女子短期大学副学長。専門は、日本古代史。主な著書に、『継体天皇と古代の王権』(和泉書院)、『謎の大王継体天皇』『謎の豪族蘇我氏』『謎の渡来人秦氏』(いずれも文春新書)、『古代豪族と大王の謎』(宝島社新書)がある。

「2022年 『日本の古代豪族 100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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