トマトとイタリア人 (文春新書 310)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166603107

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  • イタリア料理とは切っても切れないのがトマトである。
    そのトマトも、南米大陸からヨーロッパに渡った当時は
    「いかがわしい果実」「罪深い果実」と呼ばれ、食卓に
    登場するまでは長い時間がかかった。

    そんなトマトの歴史とヨーロッパの食文化の変遷、イタリア
    料理にトマトがなくてはならない食材になるまでを面白く
    読ませてくれる。

    ナス科の植物であり毒があると言われたことから、アメリカ
    ではリンカーン大統領にトマトを食べさせて暗殺しようという
    壮大な(?)計画があったらしい。考えた本人たちは真剣だった
    のだろうが、今考えたら笑える計画だよなぁ。

    「トマトは、さまざまなヴァリエーションを受け入れる。
    どんなふうに使われても、オリジナルの魂を失うことはない。
    トマトを使って料理をしていると、五線紙に音符を書いている
    ときのような、実にすばらしい気分になる」(作曲家ロッシーニ)

    「私にとってトマトのない人生なんて、まるでモノクロの世界ね。
    トマト抜きで料理するなんて、不可能なことです。常備トマトが
    切れてしまったら、私はもうお手上げ状態。太陽がないのと同じ
    ことですもの」(女優ソフィア・ローレン)

    尚、私は料理中に味付けに失敗するとトマトで煮込んで誤魔化す
    ことにしている。笑。

著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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