牡蠣礼讃 (文春新書 542)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166605422

感想・レビュー・書評

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  • カキ食いてー

  • 宮城種を始め、三陸の牡蠣について、震災前に書かれた本。

  • 日本の牡蠣は世界とつながっている。スペインとモロッコの市場で牡蠣を見かけたけど、これももしかして日本から輸出した種だったのかも。

  • 牡蠣の美味しい食べ方、産地の話などが書いてある本だと思ったがそうではなく、牡蠣養殖を生業とする牡蠣士とでも言う方の講義のような本だった。
    面白い、面白くないというよりも勉強になったというのが感想。
    ・卵をもってるとおいしくない(マガキ)
    ・むき身の牡蠣は貝柱が透明なものを選ぶ
    ・宮城新昌さん、水上助三郎さんというお二人が牡蠣養殖のパイオニア
    ・4,50年前にフランスの牡蠣はウイルス性の病気で壊滅状態になったが、宮城種がその状態を救った
    ・カキ殻は浄化する力がある

    そして何よりも著書が大事にしていて伝えたいこと、それは、「森は海の恋人」ということ。いい牡蠣を作るためには、いい環境、いい海。そのためにな海でなく山も考える、すべての環境を考えるということだ。

  • 牡蠣の様々な知識や情報が本書一冊に凝縮されているといった印象を受けた。著者は牡蠣の生産者であり、テレビや雑誌で牡蠣の事が取り上げられる事は多いが、事実と全く違う蘊蓄を傾けている様子などに我慢ができなくなり、生産者自ら筆を執ったという事である。
    「Rのつく月に牡蠣を食べるな」というのは、欧米でポピュラーなヨーロッパヒラガキがもとになっているという話から始まり、我が国の牡蠣の旬、牡蠣の種類、養殖の努力など、多岐にわたる内容に非常に興味をそそられた。
    去年の震災で、東北の牡蠣生産者のためにフランスの人々が復興に力を入れていたが、実はフランスの牡蠣は日本によって救われたという記述もあり、世界の様々な国との牡蠣を通した交流も興味深い。
    養殖の技術が発達した現在、大好物の牡蠣を何の気もなく食べている自分がいるのだが、これも先人たちの大変な努力があってのもので、本当に感謝して食べないといけないと感じた。
    牡蠣は海で獲れる物だが、それには良い山と森が必要だと著者は説く。
    その重要性を子供たちに示す事で、子供たちの自然環境に対する正しい理解を取得させる活動なども行っており素晴らしいと思った。
    栄養満点、美味の牡蠣。牡蠣から学ぶ事は非常に多いと教えられた一冊である。

  • [ 内容 ]
    三陸で牡蛎を養殖している漁民が、世界の牡蛎を尋ねてみると不思議な縁が待っていた。牡蛎と人生を共にしているからこそ見える魅惑の世界。
    牡蠣への限りない愛情に溢れた一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 Rのつかない月の牡蛎を食べよう!?(牡蛎の旬はいつか? 水山養殖場の四季―宮城県・舞根湾)
    第2章 おいしい牡蛎ができるまで(宮城種の故郷 牡蛎に憑かれた男―宮城新昌と水上助三郎)
    第3章 世界の牡蛎を食べる(日本一の生産地から学ぶ―広島県・広島湾 日本の牡蛎がフランスを救った―フランス・ラングドック 魅惑の味・オリンピアオイスター―アメリカ・シアトル 顰めっ面をした牡蛎―熊本県・有明海 干し牡蛎は万能薬―中国・沙井 タスマニアデビルオイスター―オーストラリア・タスマニア)
    第4章 知られざる「カキ殻」パワー(カキ殻が地球を救う 日本の白を彩る胡粉)
    おわりに 牡蛎がつなぐ世界(二十年ぶりの南仏ラングドック)
    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 牡蠣の養殖人の牡蠣についてのエッセイ。小粒のオリンピア牡蠣五粒をブラディマリーに入れて飲む、シアトルのオイスターショットの話がおいしそう。

  • ●未読
    ◎「辰巳芳子 食の位置づけ」p.146【牡蠣の養殖〜畠山重篤氏】で紹介

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著者プロフィール

畠山凪の祖父。1943年中国・上海生まれ。漁師。気仙沼市舞根湾で牡蠣・帆立貝の養殖業(水山養殖場)を営む。1989年、「森は海の恋人」を合言葉に漁民による植林活動を始める。2005年より京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授。2012年に国連「フォレストヒーローズ」を受賞。著書に『日本〈汽水〉紀行』(文藝春秋/日本エッセイスト・クラブ賞)、『漁師さんの森づくり』(講談社/小学館児童出版文化賞及び産経児童出版文化賞)他多数。

「2022年 『ととのはたけと、うたれちゃったしか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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