- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607082
感想・レビュー・書評
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非常にクリアな分析、そして紹介される情報にも耳寄りなものが多い。最後に少しだが提言のようなものが書かれている。元新聞記者の言うことだけに、重みがあり、極めて現実的に思える。
それにしても、自分が生まれた頃には当たり前のように存在していた新聞やテレビが、存立を脅かされている。歴史的な転換を目撃しているのだと実感する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いま起きているマスメディアの崩壊は構造的な問題。
それはマスメディアの「マス」が消滅し始めていること。
メディアのプラットホーム化が進んでいること。
大衆の消滅は、みんなが読んでいる雑誌新聞、テレビというものがなくなりつつあって、それぞれの圏域の情報を伝えるメディアだけが重宝される。
プラットホーム化は3Cモデル。
新聞の場合
・コンテンツ=記事
・コンテナ=紙面(記事を運ぶ容器)
・コンベア=販売店(コンテナをを配達してくれるシステム)
ネット時代にでは、コンテナを握る者が、プラットホームの支配者となる。
テレビは2011年の地デジと情報通法の施行により、垂直統合モデルは通用しなくなる。
メディアが生き残る道は、ネットを抱き込むか、富裕層に顧客を絞るか。どちらにしてもダウンサイズは避けられないし、ネットを無視するわけにはいかない。
いままでのビジネスモデル(マス=大衆に向けて広告をうつ方法)は通用しなくなる。90年代の銀行にように2011年からメディアの業界再編・統廃合が起きるかな。
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新聞・テレビと言ったマスコミが終わりだという話は多くの人間が言うが、それが担ってきた権力監視や、世論形成について何が担うのか、どのような担い手が現れるかについてまで論じたものは少なく、本書の結論は貴重。
ただ真剣な調査報道は報道をする側はもちろん、それを受け取る側にも根気強さが必要だが、その根気強さを今、今後の我々が持てるかどうかだろう。その根気強さを今のこの国の住人が持っているかいささか不安だ。アメリカで起こりつつあるような試みがこの国で成功するかは疑問があり、軽い絶望感を味わった。