硫黄島 栗林中将の最期 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
3.77
  • (8)
  • (25)
  • (11)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 140
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607617

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前作の補足と後日談のような内容。
    散るぞ悲しき が良かったから読んだ!
    面白い。

  • 「散るぞ悲しき」の外伝的内容。
    栗林中将の死に様、その異論を検証するとともに、その他の将校にもスポットを当てたドキュメント。
    同じ小笠原師団でありながら父島との違いが興味深い。
    硫黄島でこそ狂気の沙汰が繰り広げられていてもおかしくなかっただろうに・・

  • 『散るぞ悲しき』の続編てことだけど、前作よりルボ色が強い。文藝春秋の記事なので仕方ないか。ドキュメント5は、よく書いたなと感心した。

  • 著者の「散るぞ悲しき」の後に読むことをお勧めします。

  • よくぞここ迄きちんと調べて書いてくれた。現在の日本は過去のたくさんの人の思いの上に出来上がったことを忘れてはならない。

  •  本書は、筆者の話題作「散るぞ悲しき」の完結篇、並びに、番外篇とも言へる多彩な力作五篇からなってゐる。どれも甲乙つけ難い作品ばかりであり、それぞれに籠められた意図によって作品が立ってゐると言っていいと思ふ。

     ドキュメント1は、栗林忠道中将の最期をめぐる異説に対する論証の作品である。中将の最期を見届けた人がゐない間隙に諸々の事情から「ノイローゼ→投降→部下による斬殺」といふ妄説が出来上がったわけである。結論的には、武人としての誇りを全うした見事な最期といふオーソドックスな答に落ち着いた形である。

     ドキュメント2と3は、三人の将校とバロン西の肖像を描いてゐる。華やかな場面だけでない埋もれた事実を掘り起こさうとの筆者の努力が光ってゐる。三十代の社会人が召集で硫黄島に呼び寄せられた事実、家族の哀惜の念、部下家族へのあふれる愛情は胸つまる思ひで読ませていただいた。

     ドキュメント4は、異様な人肉食事件の背景と状況にアプローチしてゐる。次は自分達の番だとの屈折や十分な力の発揮できない環境での事件であったが、かなりショッキングな内容である。深層へのもう一越えの肉薄があるともっとよかったかもしれない。

     ドキュメント5は、皇后陛下の戦歿者と遺族に対する敬敬虔な祈りの実相を解き明かしてゐる。

    どれも戦場の真実を冷静に瞠め、受け止めようといふ謙虚な姿勢に満ちて居り、とても感銘深かった。

    (千葉県在住 40代 男性)

  • (欲しい!) 栗林中将/新書

  • 映画の「硫黄島からの手紙」のイメージが強いなか本書を読んでみたが、そのイメージに違わない人物像が垣間見れて、感動とともになんだかほっとした。

全19件中 11 - 19件を表示

著者プロフィール

ノンフィクション作家。1961(昭和36)年、熊本市生まれ。北海道大学文学部卒業後、編集者を経て文筆業に。2005年のデビュー作『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。同書は米、英、仏、伊など世界8か国で翻訳出版されている。著書に『昭和二十年夏、僕は兵士だった』、『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、講談社ノンフィクション賞受賞)、『原民喜 死と愛と孤独の肖像』、『この父ありて 娘たちの歳月』などがある。

「2023年 『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梯久美子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×