東電帝国 その失敗の本質 (文春新書 810)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608102

作品紹介・あらすじ

札束で政治家を、天下りポストで役所を、寄付金で学界を、潤沢なPR費でマスコミを支配し「原発安全神話」をつくり上げてきた東京電力。元朝日新聞電力担当記者が、長年の取材を元に「驕りの帝国」の実像を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 「タブーの正体」で電力会社タブーについて言及されてており、参考図書の中に記載があったので手に取る。
    東京電力ほか電力会社の成り立ちがよくわかった。元朝日新聞の記者で広い意味では電力タブーの中の人だったからか、切れ味がやや鈍いように感じる箇所も。

  • 東日本大震災直後に書かれた本だが、東電を感情的に批判するのではなく、東電を含む電力業界の戦後の歩みや政治との深い関わり、政治献金を問題等を淡々と綴っている。官僚よりも官僚らしい、と評される東電の組織の成り立ちが良く理解できた。

  • 実に面白い。闇に包まれた東電の体質がよくわかる。東電自体の歴史はわりと浅いけれど、とにかく規模と資金力が圧倒的なことがすごい。

  • レビュー省略

  • 日本各地の経済連合会の会長はすべて電力会社の社長であるという事実を知っただけでも価値あり。いわば近代日本の国是として原発は今後も存在し続けるだろうということがしっかりと、はっきりと分かった。反対派は偽善臭いデモなどで反抗できるものではないことを知るべきだ。死ぬ気というのも甘い。

  • 東電の情報網はCIA並みだった。
    東電の現場の社員はしっかりしていた。そして正義漢に燃えている人が多かった。幹部がダメだった。
    補佐する人は、決断する人が必要だと思った時に、目の前に姿を現していなくてはいけない、逆に必要でないときはしゃしゃり出てはいけない。その判断は以心伝心だ、そうならないうちは完全な補佐とはいえない。

    東電は企業の政治献金を1974年まで続けてきた。

  • 東電帝国 その失敗の本質 / 志村 嘉一郎 / 2012.2.5(8/87)
     札束で政治家を、天下りポストで役所を、寄付金で学界を、潤沢なPR費でマスコミを支配し、原発安全神話をつくりだしてきた。
     当日、福島県双葉郡では地域振興を目的に工業立地に熱心に模索しており、また福島県も独自に双葉郡への原子力誘致を検討していた。
     松永が9電力体制をつくるときに、GHQが反対した板電力会社は電力を供給する区域外にも電源をつくることができるという特例を松永がGHQを説得して認めさえたから、福島にできた。
     田中角栄、通産大臣に就任して電源開発促進税法など電源三法を成立させ、東電柏崎を支援するため、周辺市町村にばらまく制度をつくった。
     CIAなみの東電情報網
     原発の管理は本来、危機管理として対応しなければならないのに、東電ではいつのまにか損得にかかわるリスク・マネージメントにすりかわっていた。電中研は電力業界が年間300億円の研究費を出している。東電はその1/3を負担。電力会社に逆らう研究はありえない。
     営業しないのが東電営業部
     電力会社が自分の意思で停電させれば、電気事業法で義務付けられている供給責任を放棄したことになる。供給責任の義務違反は、供給義務の見返りに与えられている地域独占の権利違反となる。すなわち、供給責任の放棄は地域独占の放棄。
     天性の才能:飽きることなく単純作業を繰り返し楽しむことのできる能力。

  • 東電帝国の歴史を追うのはいいが、
    基本的な考え方が
    昔はよい、今はダメ

    という司馬史観的な発想はどうかと思う。

  • 佐高信氏の「電力と国家」の参考文献にも挙げられていたので、所有本を一気に読みました。

    非常に読み易かった。

  • おかしくなっていくのは何かしら出来事があるのではなく、連続的なことに原因がある。自戒にもこのレポートは使えると思う。

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