- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608850
作品紹介・あらすじ
二十年連続で二ケタ成長をつづける中国の国防費。空母建設に乗り出す一方で、サイバー&宇宙空間への進出に野心を隠さない。周辺諸国との領土紛争を抱える中で、秘密のベールに包まれた「危険な隣国」の軍事力の正体を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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[大所帯の本当のところ]中国の台頭とともに、対外関係的にも多くの注目を集めている人民解放軍。機密性が高い存在であるその軍の内幕を、幅広い視点から記述した一冊です。著者は、中国関係のニュースの解説などで見かけた方も多いのではと思われる富坂聰。
情報が少ない中でどうしても憶測や想像で話が進められてしまいがちになると思うのですが、客観的なデータや歴史的事実を豊富に用い、その沿革や近年の意図を的確に記述している姿勢に好感が持てました。新書という形式ではありますが、中国を考える上で欠かすことのできない人民解放軍に関して有益すぎるほどの情報を与えてくれますので、興味のある方にはぜひオススメしたい作品です。
個人的に関心が引きつけられたのは、上り調子一辺倒に見える人民解放軍についても、その内部に深刻な問題を多面的に抱えているという点。腐敗や汚職といった、広く語られるテーマに限らず、近年の軍事革命がもたらした軍自体の変革への挑戦などについても言及がなされており、特に考えさせられることが多かった読書体験でした。
〜解放軍はいま、大国にふさわしい軍を目指し、外に向けては膨張を続ける一方、日々深刻化する内患に悩まされている。〜
これを新書で出せてしまうのはいろいろな意味でスゴいと思う☆5つ -
解放軍と党の関係、軍の組織構造や特徴、「サイバー」「宇宙」への関心とその足元で進む腐敗や弱体化、といった点について、若干総花的ではあるが、概要を把握できる内容。中国の軍事行動について、その意図を把握する際に読んでおくべき本と思う。
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自分にはちょっと読みづらかったかな。途中から飛ばし読み。しばらくしてからもう一度読んでみよう。
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自分にはちょっと読みづらかったかな。途中から飛ばし読み。しばらくしてからもう一度読んでみよう。
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人民解放軍について、新書にしてはかなり詳しく書かれていますが、大きな流れをつかみたい人には、その細かい情報の部分がやや煩雑に感じられるかもしれません。論評にはいちいちうなずける部分が多く、いろいろ考えさせられました。一つ非常に興味深かったのは1989年の天安門事件後の日本政府の振る舞いに関する部分です。富坂氏は、アメリカは表面上は非難しながらもいち早く水面下で接触を図り関係改善に動いていて、まじめに制裁をやっていたのは一部のヨーロッパの国と日本くらいだったという指摘です。少し前に読んだ中西輝政氏の著では、日本は国際社会に先駆けて制裁解除をしてしまった、と否定的に書かれていたのと180度異なる見方でした。どちらが正しいのか?