漱石「こころ」の言葉 (文春新書 977)

著者 :
制作 : 矢島裕紀彦 
  • 文藝春秋
3.79
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本棚登録 : 72
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609772

作品紹介・あらすじ

「辛くなったら漱石先生に聞こう!」代表作「こころ」の新聞連載から百年を機に、またまた「ブーム」の様相を呈している夏目漱石。彼は単なる小説家である以上に、人生を探求する哲学者であり、文明批評家であり、さらには、頑固で短気で癇癪持ちといったイメージとは裏腹に、若い門弟や友人の相談にのって的確なアドバイスや励ましを与える慈父のような存在でした。遺された小説、随筆、評論、書簡、俳句、漢詩等にも、百年後を生きる私たちの指針となる言葉があふれています。「人を観よ。金時計を観るなかれ。洋服を観るなかれ。泥棒は我々より立派に出で立つものなり」「余計なことをいわずに歩行いていれば自然と山の上へ出るさ」「本を読むばかりで何にもできないのは、皿に盛った牡丹餅を画にかいた牡丹餅と間違えて大人しく眺めているのと同様だ」「あなたの生涯は過去にあるんですか、未来にあるんですか。君はこれから花が咲く身ですよ」「夫婦は親しきを以て原則とし、親しからざるを以て常態とす。君の夫婦が親しければ原則に叶う。親しからざれば常態に合す。いずれにしても外聞はわるいことにあらず」……。本書は、ユーモアと真理に満ちた234のメッセージを厳選した名言集です。ご一読いただけば、文豪が「あなたの心の師」と感じられることでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 先日、恥ずかしながら初めてまともに漱石の文に触れ、感動し、何から読み進めていこうかという時にこの本に出会いました。
    読みたいものがたくさん見つかりましたし、あたまから読み進めてこの本に出てきた言葉に再び出会った時、その言葉の重みがどのように増すのか楽しみです。

  • p.2014/6/24

  • 夏目漱石の著作から集めた名言集。現代にも通じる言葉が多いのは、それだけ人間社会や人間の生き方には時代を超えた共通のものがあるのだということなんだと思います。夏目漱石の言葉を借りれば、自分自身、真面目に生きたいです。

  • 【代表作「こころ」の新聞連載から百年】文豪の遺した小説、随筆、評論、書簡、俳句、漢詩の中から厳選した234の金言を読みとくことで、漱石が「わが人生の師」となる。

  • 夏目漱石の『こころ』刊行から百年、らしい!
    ということで、漱石のこころに触れるための、名言が作中や書簡などから抜粋されて掲載されている。

    読んだことのないものも多数あった。
    心を打たれるものもあれば、反面、内容の解釈ができないものも多数あった。

    本書の構成として、言葉の注釈は幾つか加えられているけども、”名言”に対する解説は一切なく、読者にその解釈(味読)をゆだねている形になっている。
    余計なことはしないという、良い計らいだ。

    漱石の言葉に触れる良い機会だった。

    やはり原著/原作に当たることが大切だと思う。
    ※最近、名言のみを集めた本が多数出版されているけども・・・。

    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより】
    頑固で短気で癇癪持ち…。そんなイメージとは裏腹に、門弟たちの良き相談相手として慈父のように慕われていた漱石。遺された小説、随筆、評論、書簡、俳句、漢詩等にも、百年後を生きる我々の指針となる言葉があふれている。ユーモアと真理に満ちた234のメッセージを厳選した名言集。
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    【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
    夏目/漱石
    慶応3(1867)年東京生まれ。帝国大学文科大学英文科卒業。東京高等師範学校、松山中学、第五高等学校の教職を経て、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学で教鞭を執るかたわら、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』を執筆。明治40(1907)年より朝日新聞社員となる。『明暗』を執筆中の大正5(1916)年死去した
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    【目次】
    第1章 自我
    第2章 学問
    第3章 未来
    第4章 自由と孤独
    第5章 正義
    第6章 覚悟
    第7章 恋愛と家族
    第8章 処世
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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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