円安亡国 ドルで見る日本経済の真実 (文春新書 1030)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610303

作品紹介・あらすじ

「円」が不確かな時代だからこそアベノミクスもドルから眺めると意外な実相を見せる。グローバル経済の中の日本円の意味、暮らしや資産の展望を明快に説く。

感想・レビュー・書評

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  • 2015年刊。◆日本はアベノミクスによる円安傾向が顕著だが、基軸通貨ドル高とセットでもある。この急激な円安傾向の日本の経済を世界から見た場合、どう映るか。株価2万円台の回復を手放しで礼賛できるか。著者はドル頭で日本経済の実相を検討する意味を解説し、著者なりの数値・資料分析で日本経済を診断。◆その帰結は①ドル建てでの株価上昇も、円建てほどではない。②ドル建ての株価指数リターンはTOPIXも日経平均もマイナス。③鉱工業指数の上昇ないままの株価上昇はバブルの臭い。④土地等のストックはドル建てでは当然下落。
    ⑤アベノミクス開始前から経済回復の兆候有りだが、消費税増税でポシャる。⑥実質賃金の下落傾向に変わりなし、等々。◆ドル建て分析の必要は納得だが、それ以外の経済統計と数値分析は判断の手に余る。なので、アベノミクス支持者は、論点のすり替えはせずに本書への反論をしてほしいなぁ。◇円安は資源高を招来する以上、円安メリットは国内産業には及ばず、輸出産業のみに妥当。ところが、そんな中、トヨタは兎も角、家電メーカー・自動車メーカーでも企業毎の濃淡が顕著なので、マクロ面からみて全体で良くなっているのか?、とも。
    ◇かつ貿易赤字拡大⇒経常収支悪化だし。◇人口、特に生産人口の推移に依るGDP減も当然の帰結。◆なお、著者の言う、米ドル基軸通貨の意味、日本の米国債購入による、貿易収支黒字分の米への還流の問題は、80年代~今も変わらず。なぜ、国は米国債ではなく金の蓄積を目指さないか判らん??なぁ。◆沖縄返還関連の通貨問題は新奇。◆資産フライトに対する出国税を著者は批判。が「タックス・ヘイブン」の記述内容との比較から、この見解は是とし難い。なお、英シティがオフショア取引の窓口化=中の該取引への関与大=中が軸のAIIBに英参加

  • あまりの内容のなさに驚いた。
    ドルで見ることは大切とは思うが、だからと言って円安のために日本の経済規模が小さくなっている=経済衰退になっているとはあまりに乱暴な話。
    では数年前の円高がどれだけよかったというのだろうか。
    著者の自己流の解釈でおそらく経済の専門家には相手にされないようなレベルの本。 

  • ドルベースで考えることが重要。米国証券会社が日本居住の日本人の口座開設を再開。

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著者プロフィール

1952年、神奈川県横浜市に生まれる。立教大学文学部を卒業後、光文社に入社。「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務めた後、2010年からフリーランスになり、国際政治・経済・ビジネスの分野で取材・執筆活動を展開中。
著書には『出版大崩壊』『資産フライト』(以上、文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館新書)、『「中国の夢」は100年たっても実現しない』(PHP研究所)、『円安亡国』(文春新書)、『地方創生の罠』(イースト新書)、『永久属国論』(さくら舎)、翻訳書に『ロシアン・ゴッドファーザー』(リム出版)などがある。

「2018年 『東京「近未来」年表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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