戦争にチャンスを与えよ (文春新書 1120)

  • 文藝春秋
3.93
  • (32)
  • (59)
  • (26)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 456
感想 : 52
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611201

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東2法経図・6F開架:319A/L97s//K

  • 表題の1999年の論文はPKOが「戦闘に巻き込まれたり、意図的に攻撃される民間人を守れないことを恐れて」「消極的な傍観者」にとどまる、と看破する。日本と同じぐらい(自国民の命を重んじる)マスコミがうるさいらしい(マスコミは本質的に左翼)セルビア。NGOの「難民支援・保護」活動は、「生地に戻れるという虚しい希望を抱かせて」難民状態を長期化するだけ。パレスチナ問題がまさにそうで、ハマスは失地回復でなくイスラエルの《完全な消滅》を目指している。パレスチナ人難民を国連難民救済機関が養い、その子供をハマスが教育する

  • 戦争による決着なしで第三者が紛争を終わらせようとするから問題が長引くという理論。まあ一理あるかも。

  • 人道介入が戦争を長引かせてしまっているのが現実だった。
    どの国も人も様々な違いが必ずある。第三者はともかく、当事者同士が互いに無関係でいられる社会ではないので、干渉することなくやっていくことは難しい。

  • 1

  • 著者の根本的な考え方は「人間は戦争をするもの」であり、なくすことは困難、だったら肯定的に考える、というようだ。雄は子孫を残すために他の雄と争うという、そもそも動物的本能として、争うことは避けられないという考え方。すべての人間が平和主義者であればよいが、争いを好む男性も一定数存在する限り、戦争をなくすことは難しい。

  • 2016年10月来日時のインタビューをまとめたもの。戦略的思考の方法など語ってる。
    ちょうど米大統領選でゴタゴタしてたころで,オバマ外交はダメだとか,日本外交へのアドバイスとか,そういった話も。

    表題の意味は,「当事者が疲弊しないうちに外部の介入で停止された戦争は,次の争いの火種を残してしまい,長期的な平和にはつながらない。とことんやった上で終わった戦争こそが真の平和をもたらすのだ」ってことだそうで,ちょっとにわかには受け容れがたい命題だ。リアリズムというより

    さらに,欧州の衰退を論じているところ,随分雑な感じでいろんな方面から反感を買いそう。曰く「戦いが、『野蛮』で『原始的』で『後退的』とみなされるようになれば、子供は生まれなくなる。『男は戦いを好み、女は戦士を好む』という文化を失った国は、いずれ消滅する」p.168

    その例示がまたひどい。CNNのクーパー氏(ゲイのイケメン)とトランプ(子供が5人,孫も二桁)を挙げて,「クーパーは、フライトアテンダントの胸など触ったことがないほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。トランプには未来がある」p.170
    …えっ…?こんなので戦略家…?って感じである

  • 中国は隣国の問題でいつも判断を誤る。
    中国は外の世界を全く理解できないだkでなく、大国としてふるまうことができない。中国は大国としての行動を身に着けていない。
    1900年n時点で、今から20年後の世界はどうなると人々に尋ねると、ドイツが世界を支配していると答える人が大半だった。同盟は大戦略を遂行し、勝利を獲得するうえで不可避な選択。

  • ・戦争は「現象」である。
    ・戦争の最大の役割は、「戦争をしたい」当事者の感情を疲弊させ、最終的に、その後の「平和」を生み出す。
    ・「当事者の感情=火」が燃え尽きる前に紛争を凍結してはならない。結局、長期化し、そこで争われている本当の問題は解決しない。
    ・こちらの動きが、相手に戦略的なメッセージとして明確に伝わることが重要。
    ・「あいまいなメッセージ」ではなく、例えば「尖閣諸島を守る」という明確なメッセージ(人員を常駐させる)を伝えるべき。
    ・優れた軍事力で相手にサプライズを与えても、外交や同盟で負けていれば最終的には勝てない。戦前のドイツと今日の中国は同じ。
    ・ドイツ・ブラジル等との「チームの一員としての常任理事国入り」は誰も欲しないプランである。特にスペイン語圏のラテンアメリカ諸国はブラジルを望まないし、ヨーロッパにはドイツを支持する国はない。アフリカも自国すら統治できていない。インドは別。日本はインドとの共同管理を狙う。

  • "コミュニケーション能力が高く、周囲の状況を俯瞰的に観察でき、腕力がすこぶる強い紳士であるべきであり、暴力が必要な場合は躊躇することなく行使できること。
    現実的な世界観を持ち、真剣に平和を考えるのであれば、中途半端な停戦協定を結ぶのではなく、勝者と敗者が明確になるまで戦争を続けるべきというのが著者の視点。
    示唆に富んだ内容、まずは先入観を持たずに読むことを進める。"

全52件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門』(徳間書店)、『ペンタゴン』(光文社)、『アメリカンドリームの終焉』(飛鳥新社)、『ターボ資本主義』(TBSブリタニカ)、『エドワード・ルトワックの戦略論』(毎日新聞社)、『自滅する中国』(芙蓉書房出版)、『中国4.0』(文春新書)、『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)がある。

「2018年 『ルトワックの”クーデター入門"』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エドワード・ルトワックの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×