暴かれた伊達政宗「幕府転覆計画」 ヴァティカン機密文書館史料による結論 (文春新書 1138)

著者 :
  • 文藝春秋
3.11
  • (1)
  • (2)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 34
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611386

作品紹介・あらすじ

戦国の英雄として有名な伊達政宗。彼は、徳川の世になっても、天下取りの野望を捨てず、家臣・支倉常長をヨーロッパに派遣し、ローマ法王の援助を得て、幕府を転覆しようとした――こういう話は昔からあったのですが、定説ではありませんでした。 ところが、これは事実だったのです!! ヴァティカン機密文書館庁には、カソリック教会にかかわる2000年間の秘密史料が厳重に保管されていますが、その中に、政宗が「カソリック王」に叙任されることを願い出た証拠が、ちゃんと残っていたのです。 では、なぜ、その野望は実現しなかったのか? 歴史好きはご存知のように、政宗は講談などで描かれる豪快な人物なのではなく、じつに細心、もっといえば臆病極まりない男でした。失敗したときに、どうやって言い逃れるかを考えてからではないと行動しないタイプだったのです。 この遣欧使節でも、幕府にバレたときの対応を周到に考えました。自分自身は洗礼を受けず、いざとなったら腹を切らせるため、下級の家臣を遣わしてローマ法王を丸め込もうとしたのです。でも、そんなのうまくいくはずありません。 ローマ法王庁から、「カソリック王にしてくれ、と言いながら、本人がキリシタンじゃないのは、おかしいんじゃないの?」とツッコまれ、支倉たちも、「まー、そーですが、心の中では信仰はあると思うんですよね~」などと、苦しい弁明につとめますが、結局、ローマの返事はノー。政宗の野望は潰えたのです。 筆者は中世のスペイン語、ポルトガル語、スペイン語、ラテン語に精通し、原史料を精緻に翻訳して、この結論にたどり着きました。 戦国ブームの中でも、もっとも人気の高い伊達政宗の人間像ががらっと変わる、画期的な新書です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【スペインと組んだ「幕府転覆計画」は真実だった!】バチカンの極秘資料が示す真実――支倉常長らをローマに送った伊達政宗は、本気でスペインと組んで徳川幕府を倒すつもりだった!

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1943年長野県生まれ、宮城県大河原町で育つ。日本大学博士(国際関係)。
メキシコ国立自治大学(UNAM)東洋研究所研究員、スペイン国立バリャドリード大学客員教授、スペイン国立サンティアゴ・デ・コンポステラ大学大学院客員教授、日本大学国際関係学部・大学院教授等を歴任。現在は青森中央学院大学大学院地域マネジメント研究科教授

「2016年 『政宗の陰謀 支倉常長使節、ヨーロッパ渡航の真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大泉光一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×