されどわれらが日々 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167102012

感想・レビュー・書評

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  • 第51回芥川賞
    解説:野崎守英

  • あの時代の雰囲気が分かって面白い。こんなにも長文の手紙をやりとりしていたのかと驚きを感じた。
    それにしても、物事をこんなにも難しく、面倒くさく考えて生きていくのは大変だ!

  • ずっと昔に読んだことがある.倉橋由美子の「夢の浮橋」と同時代の作品だったかなと思い再読.実際は,こちらの方が古く1964年芥川賞受賞.
    私は学生運動よりずっと後の世代だが,中学,高校の先生たちにはその余韻を残す人たちがいた.最初に読んだときは,その挫折感,虚無感,あるいはそれからの再生をある程度共感をもって読んでいたのではないかと思う.
    しかし,長い時間を隔て再読してみると,何か時代の痛々しさの印象が強い.考えることの虚しさというか.「夢の浮橋」の新鮮さと対照的だった.

  • 時代感じることは否めないが、バイブルとなり得る要素を大いに秘めた作品。捉え方次第。若者におすすめの書。歳を重ねた今、過去の自分に投影できる部分もあり熱くなった。空虚の国では生者と死者との関係はないのである。そこでは生者は死物のように生き、死んで本当に死物になる。そしてそれをできるだけ目覚めさせないですむように粧われた静謐な場を日常的に仮構しようとするのだ。果たして自分はどうだろうか。

  • お母さんに、「もっと青春小説を読みなさい、ハリーポッターと思想書の間が欠落してるのよ」って言われて借りた本。
    「でもぜんぶお母さんの影響のせいにされるの嫌だから、他の本読みなさい」とも言われた。まあ一理ある。ほっとくとお母さんの影響全身で受けちゃうからなー。よくないよくない。

    ヴィクトール・フランクル(実存哲学)の「人生の意味」についての言及と通じるところがあるかな。それを求めると手に入らないけど、具体的作業を懸命にやるとき、その意味が生まれるみたいな。
    また読み返したら面白そう。

    こういう小説の女のひとは、どうしていつもこう感じやすいというか、センシティブなのかしら。

    同年代の話とは思えないなー。時代が違うとは言え。
    学生運動ばりばりの時代は、なんかどの世代もぴりぴりしてたんだろうなー。いまはどこも「うぇーいww」だもんなー。平和ぼけですね。幸せなことだけども!

  • 流れるような美文。
    少し昔の(インテリでエリートな?)若者がみんな読んでた、ってほんとなんだろうか。知らない時代の日本を知った気分で、本って面白いなぁ。
    櫻井さんの名前の由来になった作家さんだということで読みました…。

  • (1974.07.25読了)(1974.06.18購入)
    第51回(昭和39年度上半期) 芥川賞受賞
    内容紹介
    何一つ確かなもののない時代そういう時期に生きる者の青春─生きることの虚しさの感覚を軸にして一つの時代を共にした何人かの男女の大学生の生の悲しみを造型した不朽の青春文学。

  • (30年ぶりの再読)
    持ちえていなかった何かを手にするために、生きたといえる日々を持つことのために、惰性と決別することを選んだ青春の物語。

  •  映画で見たいなーなんて思って読んでいたら、映画化もしていたみたい。是非見てみたいのだけれど、DVDでは出ていないっぽい?


    【目次】
    されどわれらが日々――
     序章
     第一の章
     第二の章
     第三の章
     第四の章
     第五の章
     第六の章
     終章
    ロクタル管の話
    解説 野崎守英
    本文庫版のテキストについて

  • Blog"蚕の桑"<a href="http://blogs.dion.ne.jp/calimero/archives/1361239.html " target="_blank">2005-06-30(蚕)</a>
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著者プロフィール

作家、ドイツ文学研究者。
1935(昭和10)年1月 東京生まれ。
武蔵高校から東京大学へ進学、工学部から転じて独文科卒。
1960(昭和35)年 東京大学大学院独文科修士修了、同大文学部助手。
1961(昭和36)年「親和力研究」で日本ゲーテ協会ゲーテ賞。
 翌年より2年間、西ドイツ・フランクフルト大より奨学金を得て、留学。
1964(昭和39)年『されどわれらが日々─』で第51回芥川賞。
 東大助手を辞し、西ベルリンなどに滞在。帰国後、都立大講師、助教授を経て
1969(昭和44)年4月 東京大学文学部助教授、のち教授。文学部長を務める。
1994(平成6)年3月 定年退官、名誉教授。4月、共立女子大学文芸学部教授。
2004(平成16)年3月 同上定年退職。

「2019年 『〈改訂増補版〉詩に映るゲーテの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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