この国のかたち 六 (文春文庫 し 1-85)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 580
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105853

作品紹介・あらすじ

巨星、墜つ-。1996年2月12日、十年間続いた『文芸春秋』の巻頭随筆「この国のかたち」は、筆者の死をもって未完のまま終わることになった。本書は、絶筆となった「歴史のなかの海軍」の他、書き言葉としての日本語の成り立ちを考察した「言語についての感想」「祖父・父・学校」などの随想、講演記録「役人道について」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • しみるなぁ~後半のエッセイが特に。

  • 日本人が持つ「公」の意識を忘れてはいけないん

  • 森有礼。18歳でロンドンに留学したため、日本的教養が少なく、志士活動の経験もない、質のいい坊や。医学や理化学用語の日本語訳がまだなかった当時、日本語を捨てて英語を国語とすべきだと主張。エール大教授のW・D・ホイットニーに意見を求めたところ反対される。民族というのは共通するのは言語しかない。森は極端な国家主義者で「国家」が富国強兵すれば、民族文化は衰弱してもよいという不思議な純粋思考をもっていた。p.87-88.

    日本文化は過去からの連続性が濃厚。貯蔵能力が高い。古代や中世の歌詞が豊富に保存されている。古事記、日本書紀、梁塵秘抄、閑吟集。文章資料が大量にある。

  • 著者の絶命による未完の書。司馬遼太郎が考える日本についての考察。面白かった。本巻は随想集が追加されている。またこれが司馬遼太郎の原風景を述べているようで興味深い。敗戦直後の京都という都市についての考察が興味深かった。

  • 全6巻通読。日本の古代から現代までの歴史、そして著者自身の体験と、様々なトピックを通して、日本を形作ってきた(いる)要素を説いてゆく。第6巻途中の絶筆の項まで、筆致に体調不良を感じさせず、そのあと付け加えられているエッセイも、統一感を持たせるべく、日本とは何かについて語ったものが収録されているので、未完に終わったという感じが無い。話題が尽きることなく、滔々と古今の有様を論じる姿から、もし著者がさらに長命していたら、ライフワークの一つになったのではと思うほど。一見話が飛びながら、ふんわりテーマを纏める手腕は、読者を講演か座談に参加しているかのような錯覚に陥らせる。

  • 司馬さんの絶筆となったこの国のかたち。もう20年以上前のものであるのに全く色褪せない。
    山本権兵衛の評価がとても高いあたりに、合理性を尊ぶ司馬さんの思想が表れているように感じる。
    「祖父・父・学校」は江戸時代と明治の断絶を和算と数学というもの、学校を通じて鋭く描きだしている。司馬さんの少年時代の話で、なんとも興味深かった。
    「役人道について」は、公とはなにかを旧アジア世界と日本の比較を通して語っている。現代でも、刺さってくるテーマであった。

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  • 司馬遼太郎さんのエッセイ「この国のかたち」最終巻です。全体を通して、色々な時代の日本の出来事・思想が書かれています。

    第6巻では、海軍について多くのページが使われています。日本の海軍は、帝国主義時代の防御ようとして増強されましたが、気がつけば統帥権を武器に歯止めの効かない大きな組織になっていました。歯止めの効かなくなった組織の恐ろしさ、行く末について学ぶことが出来ます

    司馬遼太郎さんの知識の元、俯瞰的に歴史が書かれているので、世界との関わりや時間の繋がりを感じながら読むことができます。

    深堀して知りたい好みの時代も出てくると思います(自分は、明治〜大正〜昭和初期)。

    司馬遼太郎さんの何とも言えない飄々とした語り口。随筆ならではのリズム感。是非読んで見てください❗

  • 日本とは日本人とは何かを考察した司馬遼太郎の晩年のエッセイ。全6巻。

  • 日本はアジアにありながら中国や韓国のような儒教国家とは異なる国になっていった。このことが清廉な役人を生む土壌となったが最近では不正が横行している。日本の公意識が日本人の我慢の上に成り立っているものであり、政治家や官僚の不正に対して取り分け厳しい批判がなされるのも納得できた。言語について、明治時代以前の読書家には黙読の習慣がなかった。声にだして読んだり、落語のように聞いて理解していた。僕も分かりにくい時は声に出して読んでいる

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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