- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167140052
感想・レビュー・書評
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最も悪女だと思ったのは則天武后。彼女は出世のために自らの子供を殺し、親族を殺し、時の皇后を嵌めた。メアリー・スチュアートは恋愛に生きた女性で、別の男と一緒になるために夫を殺した。
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西洋悪女物語+則天武后。まさかの則天武后逆転満塁ホームラン。恐るべし破壊力。私感もあってか、メアリ・スチュアートが魅力的に描かれていた。女性の強さ、弱さ、気高さやしたたかさ等様々な要素を読み解くことができる。
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悪女とは何たるものか。
本書には、意外な人物も屡々現れる。
小さな此の世界では、自身の持つ能力(容姿も含め)を理解し、それを利用して金銭を得る狡猾さを示す事が殆どだろう。其れ故に、国家権力と云う余りにスケールの大きな此の本の価値観を、現代人の私には些か計り知れない所が多い。
殺戮の残虐さよりも、恐らく権慾の方が尽きる事の無い分、悍しいのだろう。つい残虐な殺戮に目が行き勝ちだが、悪女の根底は其所に在る。
澁澤氏の文章には、矢張り感服させられる。臨場感に溢れる訳でも無く、ただ流麗さを感じさせる。
内容的には然程興味を懐けなかったが、こうした価値観や言葉に触れるのは決して無意義な事では無いだろう。 -
初めての澁澤龍彦。反道徳的でアンダーグラウンドなイメージを持っていた。けれど、これを読んだ限りではそんなには。まだまだ読み足りないか?
文章は読みやすい。語り口が巧妙。もともと歴史物は嫌いじゃないので興味深く読むことができた……が、惜しむらくは俺に西洋史の知識がないこと。高校の頃もう少し真面目に世界史に取り組んでおくべきだったと反省することしきり。あとがきにて著者も語っていることだが、世界悪女物語と名付けられているこの本の悪女の殆どはヨーロッパの人間。やはりある程度西洋史の予備知識があった方が楽しめただろうな。
あと、悪女と銘打ってはあるけれど、これ本当に悪女? と思う人物がちらほらいるのは記しておこう。中には「600人以上もの若い娘を殺して、その血の中に浸った」というエルゼベエト・バートリのような、これぞ悪女というべき女もいるんだけど、ナチスのマグダ・ゲッベルスなんかはどの辺りが悪女なのかわからなかった。いや、悪女じゃなくても面白く読めたから構わないんだけどね。 -
この人の著作はこれで二冊目。相変わらず博識でほれぼれしちゃいます。
出てくる女性たちのなかで『うわぁ〜ほんま悪女や!!』っていうのはあまりいなかったような。
ただどの女性も極端ではありましたが。
私が特に気に入った女性はメアリ・スチュワート。映画の『エリザベス』で出てきたあまり日の目を見ない不幸な女王というイメージしかなかったのだけれど、まさかこんな不毛な愛に突っ走る暗くて熱い想いを秘めていたとは!!!生涯前半の美貌と洗練された文化に囲まれた生活から、後半の報われない愛に自分をすり減らし破滅へとむかう対比が鮮やか。『嫌われ松子の一生』もびっくりというほどの見事な転落人生で、事実は小説より奇なりってこのことをいうのね。
フレデゴンドとブリュヌオーの二人も女
の執念の恐ろしさを見せつけてくれました。世界史を習っていたときは、フランク王国など中世初期の辺りは、なんとなく神秘のヴェールに覆われた時代という気がして、すんなり覚えられたものだったけれど。まさかまさか、こ〜んなに激しい女性二人が血で血を洗う争いを繰り広げていたなんて思いもよりませんでした。学校の教科書というものは、あえて客観的に書いてあるからその時代の印象というものがイメージしづらいものだけれど、高校生時代にこういう本をもっとよく読んでおけばよかった。
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世界の名だたる悪女のその生涯についてが描かれています。作者が昔の方なので今ではあまり使われていない漢字が多用されていますが不思議と読みにくさはありませんでした。ただ、これ本当に悪女?といった人もいました。おそらく、この本を通して調べていけばその逸話がごろごろと出てきて初めてその悪女っぷりが分かるのですかねぇ
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081202(n 090321)
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どの女性も熱いものをお持ちですが、個人的にメアリ・スチュワートがいいと思いました。
解説は、美輪明宏さんです。 -
よみかけ。
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なんで買っちゃったんだろう