斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫 な 47-1 現代日本文学館)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167151119

作品紹介・あらすじ

没落貴族の家庭を背景に、滅びゆく高貴な美を描く『斜陽』。太宰文学の総決算ともいうべき、小説化された自画像『人間失格』。ふたりの若者の信頼と友情を力強く表現した『走れメロス』など、20世紀の日本が生んだ天才作家の名作11篇を収める。奥野健男氏のくわしい年譜、臼井吉見氏のこまやかな作品案内と作家評伝付き。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか分厚くて読めない

  • あなたは早死にだろうねと言われることが増えて、自分でも自覚があって早めに死んでも全然満足!って思うのだけど、それって文豪への憧れが根深いからだと思う。語り継がれるような作品を残したのち、酒と女に溺れて心中するような文豪たちが幼い頃からかっこよく見えて仕方なくて。
    何度も女との心中を試みながらも終戦を迎えた太宰が、愛人だった静子をモデルに描いた作品がこの斜陽だと言われているんだけど、女は女の味方なのでイケイケGOGOと思いながら読みました。読書好きと言うからには近代日本文学をおざなりにはできないので、太宰開拓していくぞ!
    物語というよりはほぼドキュメンタリーなので、リアルさ故気持ち悪い

  • 娯楽小説のような面白さは当然なく、ときに読み進めるのが辛くなるのだけど、心のうちを痛烈に表現するようなこういう堅苦しい本をときたま読みたくなる。

  • 「人間失格」人間を恐れるがあまり過度にご機嫌伺いしたり道化になりきったりしてしまう男。
    「ダス・ゲマイネ」佐野次郎を中心に、太宰という人物も登場する短編
    ダス・ゲマイネ=ドイツ語で一般的なもの、通俗的なもの。
    津軽の方言 ダスケ=だから マイネ=だめだ
    「富嶽百景」常に富士山が見える場所での生活
    「駆込み訴え」師を売る弟子の独白。ぐるぐる変化する感情
    「走れメロス」久々に読むと、メロスのくじけそうになったりいやだめだ、と揺れ動く心情が面白かった。あと読みやすい。
    「トカトントン」いざ何かを始めるぞ、と思うとどこからかトカトントン、と聞こえてやる気がすっかり失せてしまう。
    「ヴィヨンの妻」人非人でもいいじゃない、生きてさえいればいいのよ
    「桜桃」子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。

  • 若い時読んでいたらどんな感想を持ったのか。「葉桜と魔笛」が好き。

  • 人間失格と向田邦子さんの作品に女性を見ました。

  • 太宰治は学生時代にかじった程度だ。
    文字からインプットする話は、ネガティブ結末を好む傾向があるものの三島由紀夫はハマったのに太宰はハマらなかった。今回は井伏鱒二が描いた「太宰治」を読み、どのような時を生きた人が描いたのか。を想像しながら読むことができた。
    人間失格の葉蔵然り、斜陽の直治然り、ダス・ゲマイネの馬場然り。何とも言えぬ、瞳の奥にひどく暗く深い闇を持った瞳が常に読者を見据えているような感覚に陥る。
    太宰の描いた作品に登場するこれらの人物は少なからず太宰本人の過去を投影し、あるいは膨らませた上での人物なのだと感じる。
    作品に作者そのものがここまで投影されているように感じるのは、太宰に魅せられているからなのか。果たして太宰の思う壺なのか。まだ時間をおいて読みたいと思う。

  • "文豪"ということで一見とっつきにくいが、読み始めてみるとテンポよく話が進みとても読みやすかった。

  • 大人になってから読み返した「斜陽」と「人間失格」は、思ったより軽いタッチだった。書かれている事実に気を取られず、人物の心情を客観的に見れるようになったからかもしれない。
    同じページに注釈が載っており、大変読みやすい。
    また、「駆け込み訴え」を読んでから「斜陽」を読むと大変わかりやすい。
    個人的には「富嶽百景」や「葉桜と魔笛」が好きで、太宰中期の作品にもっと触れたいと思うきっかけになった。このあと「女生徒」を買うに至る。

  • 斜陽の上原みたいなのを好きになっちゃうタイプだと思う
    太宰って聖書の引用多いんだ
    人間失格久しぶりに読み直したらこんな話だったんだって全然覚えてなかった

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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