- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167168599
作品紹介・あらすじ
ふらりと橋の袂から出て冷た若い娘は数日間の記憶を失っていた。名主の娘、水油問屋の娘、煙草問屋の女房、筆屋の娘と神田界隈で神かくしが続出するが、これは事件か、色恋の平仄あわせか。表題作ほか「梅若塚に雨が降る」「みずすまし」など粒ぞろいの七篇を収録。大川端の御宿『かわせみ』を幕台に繰広げられる人情捕物帳。
感想・レビュー・書評
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【8作収録】
・赤ん坊を連れてかわせみへ滞在し、毎日赤ん坊を置いて出かける若夫婦。娘のように無邪気に外出するだけの妻に対し、夫のほうは何やら秘密があり・・・
・子ができず、妾に子供を生まれたため用なしとなって離縁された女。るいや千絵の友人であるその女が、妾の子は主人ではなく間男の子だと訴えたため、調査する東吾ら
・夫がいるにもかかわらず偶然出会った幼なじみと関係を持ち、更には人の目も気にせず呉服屋の若主人を追い回す女が殺された。主人、幼なじみ共に動機はあるが・・・
・目の不自由な女を捨て、大店の主人の妹と夫婦約束した男が土左衛門で見つかった。前の女との縁切りのための十両は懐に入ったまま。果たして他殺か事故か
・神林家贔屓の呉服屋の大番頭が行方不明になった。あとに残された妹と弟は金を二分して痴呆の母親を捨てて逃げ、別れた女房は復縁を拒んだ。何が原因で姿を消したのか・・・
・要領が悪く、時には邪魔になる京菓子屋の嫁。慣れない江戸での窮屈な暮らしの中、久々に会った京の幼なじみと羽目を外したことから、姑に追い出され・・・
・神隠しに遭ったように3日間の記憶が無いまま大川端で発見された娘。その後、数件の神隠し被害が続くが、かけおちや自作自演のものばかり。奉公先から行方不明になった娘のみなかなか解決できず・・・
・宗太郎・七重夫婦の長女・花世誕生詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
99年10刷本
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「麻生家の正月」で宗太郎は花世のおむつを洗ったりしている。ほほえましい。