恐怖 (文春文庫 つ 1-12)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167181130

感想・レビュー・書評

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  • 忙しい時期が続いているので、筒井康隆御大作品の大ファンなのにもかかわらず、買っただけで読んでいないものが何冊かある。
    しかし、この作品、何気なく冒頭を読み始めたら先が気になって、読んでしまった。

    何より、連続殺人事件の設定がすばらしい。
    いくらでも妄想が膨らむ。

    以下、ネタバレ注意。








































    多くの方が書いているように、ミステリーとしての結末は無難な感じ。作中人物があれやこれやと想像した犯人像のさらに上をいくダイナミックな仕掛けを期待していたのでその点は少々拍子抜け。
    もうひとつのテーマの「恐怖」の追求も、過去の筒井作品での突き詰め方からしたらやや消化不良。もっと多くの枚数で、さらに恐怖な状況に主人公を置いて、主人公が発狂するまでをじっくりと味わいたかった。

    とはいえ、作品が短く終わっている分だけ、それらの部分は読み手がいくらでも妄想する余地があるという意味では、ほどよい分量、ほどよい味付けの作品なのだろうと思う。

  •  技術(こてさき)だけで書いた小品(´ェ`)ン-…

     ミステリーとしてもホラーとしてもドタバタとしても心理小説・実験小説としても、取り立ててみるべきもののない大凡作(´ェ`)ン-…
     それが狙いの一つではあるのだろうけど、「文化人(プチブル)」意識のやらしさだけが鼻につく(>_<)

     ほんともう、内容・ページ数両方の意味での薄さ以外、何も語ることのない作品で、解説子の苦労が忍ばれる(>_<)
     あからさまなよいしょ感想文ではあるけれど、「私と筒井さんの思い出」みたいな逃げを打たなかったところは偉い( ´ ▽ ` )ノ
     
     昔ならこういうのは中編集の一作あつかいだったのに、昨今はむりやり長編として一冊刊行しちゃうからなあ(´ェ`)ン-…
     筒井先生にとっても読者にとっても、これはいいこととは思えない……(´ェ`)ン-… 

     まあ、「前栽(せんざい)」という言葉と読みを憶えられたことは数少ない収穫だった( ´ ▽ ` )ノ
     なんであんなに繰り返しこの単語が出てきたのか、よく分からないけど( ´ ▽ ` )ノ


    2017/10/03

     そうそう、何より表題の「恐怖」についての論考にキレがなく、主人公の心理描写にリアリティも迫力も切迫感もなかったことが、最大の敗因(>_<)
     喜劇仕立てにしたことが仇となって、あれじゃ単なる病的な臆病者(>_<)
     だからといってギャグとしてもうまく行ってないわけだし、なんかこう、もっと神経症的に身に迫ってくるような(読んでるうちに自分まで狂っちゃうんじゃないかと思うくらいな)切実な「恐怖」感を描いてほしかった(>_<)
     昔の作品で言えば「走る取的」みたいに、ね( ´ ▽ ` )ノ

  • 連続殺人の中である作家の心理状態がどのように変化していくかを描いた作品。
    筒井康隆お得意の狂気の世界が展開される。
    解説によれば、これは筋の通ったミステリーとして読むべきであり、その中に筒井康隆としてのテイストが入っているとしている。
    しかし、むしろ、筒井康隆の狂気の世界が展開していく中で、やがてそれがミステリーとして収斂したと解釈したい。

  • ミステリというより筒井先生に「恐怖とはなんぞや」という講義を受けているような内容。おもしろいとかおもしろくないではない。

  • 思いのほか面白くなかった。ドタバタからあまり進歩してないように思う。

  • 疑心暗鬼で臆病で発狂という筒井康隆らしいミステリ。話が面白い反面、薄く字がでかいので、あっという間に読めてしまって物足りない。「邪眼鳥」の方が好み。

  • 敵は税務署なり

  • 人によってなにかしら怖いもんがあると思う。それは他人からみると全くこわくないものであるのだ。そのちがいこそが恐怖の原点である。恐怖を恐怖することこそが恐怖なのである。

  •  建物の保存運動をした文化人が次々と殺されていく。次は誰が殺されるのか。その恐怖をテーマにした小説。

     まじめそうでまじめでなく、緻密そうで荒っぽい。200ページほどなので一気に読める。そのせいもあってか、時間つぶしというほかにあまり読後感が残らない作品だった。

  • ミステリーorホラーかと思いきや、
    恐怖を覚える人間の心理が延々と書き連ねられる一作。
    ある意味肩すかしでもあり、
    人が恐怖をつのらせていくプロセスが楽しくもあり。

    ただまあ、もう少しストーリーとして
    まとまってほしかったかもなぁという気も。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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