- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167190064
感想・レビュー・書評
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20p弱の短編8つからなるサクッとした短編集。
各篇話の繋がりは無いが、主人公の視覚情報と回想・想念がシームレスに接続された特殊な文体が全てに用いられ、コンセプト小説とも言える。
作者があとがきで述べている人物達の“固有の希望”が描かれ、独特な暖かみのある読後感を残す。
前述のミニマムなボリュームの中で読者にシンパシーをしっかりと残す上手い作品だと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表題作の内容がデジャブだったのは、見城徹さんの本に出てきたからかな?
他の村上龍作品とはかなり異質な短篇集でした。 -
たった数分で人間の脳内が、とてつもない情報量を処理し、思考しているという様がリアルに描かれている。
思考の中で、現在と過去を自在にトリップしている浮遊感が面白い。
まるで、シャッターをスローで切った時の写真を引き延ばして濃縮された映像をスローモーションで観ているような感覚に陥る。
音響から情報を引き出し事象を想像するエピソードが良い。
どの短編も、思考の描き方にリンクしているかのように、過去→未来へ開かれていて心地よい終わり方なのが好きだ。 -
起承転結でいえば起のまま進んでフェードアウトしていく感じです。背表紙でかなり評価されているように書いてあったので手に取ったが残念。警備室で監視モニターをみているような感覚で読みました。
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面白かった。時間が凝縮されている手法をとった短編集。何人かの人生を横から切り取るような体験だった。その時その人が何を見て何を考えているのか。文章がとても思考に寄り添う形になっていたので、本当に細かいところまで想像できる。良い文だと思った。自分がそこにいてその人になっているかのような錯覚がある。そして、現実は往々にしてそうであるが、今見ている世界との乖離、思考の振り返りで物語が進む。その切り替わりが突然だったりするのがリアルだった。切り替わりのきっかけも不意だったり原因があったりするのが余計面白かった。
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読みにくかったー、、
短い時間の中で主人公の考えてることと周りにいる人達の言動が交互に怒涛のように書かれてる
披露宴にてと空港にては比較的わかりやすかったけど他は何が言いたいのかよく私にはわからないというか刺さらなかったなー、 -
どこにでもある風景からふらっと始まる物語。人生うまくいっていない人が書かれていて、自分だけじゃないなという気分になった。
おもしろいなあ。
居酒屋の他の客の話していることに興味がわき、自分の頭でそれを作り出しているかもしれないという一文には考え深いものがあった。 -
著者特有の過激とも言える表現はかなり少なかったが、各短編のその状況における描写がとても丁寧で素晴らしかった。ある場所という1つの設定からここまで拡げられるのは凄いなとしみじみ感じた。自分が最も好みだったのは最初の「コンビニにて」だった。とてもありふれた場所という設定に加えて事件が起きるわけでもないのに、文章は飽きさせることなくとても緻密な描写力と表現力には凄みを感じた。
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まず、空気感が好きでした。
希望について書かれているとあとがきで読んで、言われて気づきました。私は描かれている社会の闇・裏の方に気をとられました。
留学イコール希望の証という感覚にすごく納得できました。