上海ベイビー (文春文庫 ウ 12-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167218744

感想・レビュー・書評

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  • せつない。。。

  • 十年近く前に読んだ本。
    退廃的な感じがとても淋しかったのを何となく覚えています。

  • 長い。女流作家にありがちな日常の切り抜き。ただ、初期設定が、一般人とは一線を画す非日常。かつ、自叙伝を彷彿させるかのようだ。舞台は上海。果たして、上海にこのような前衛芸術的なシーンが成立するのか。小説は、やはり、共産国において、発禁本になった。しかし、中身は、言うほど、猥褻ではない。寧ろ、ミラン クンデラら海外の作家に影響を受け、奔放な性を描いているに過ぎない。そして、それは、雰囲気を醸すために必要な描写であり、芸術だ。これを発禁本にする判断はさすが教条主義の国、中国。

    外務省の人間が海外の事を学ぶ際、時にその国の小説が教材になる。日本を知るために、村上春樹が読まれる事も多いらしい。本小説をそんな視点で眺めてみた。

    まず、実在する通り。実在するホテル、飲食店。日本とは違い、フィクションであっても、実名を用いるようだ。次に、上海にも前衛的なシーンがあり、ソニックユースなんかも聞かれるようだ。そしてやはり、公安は知り合いであれば、微罪程度、お咎めなしだ。そして最後。これは、完全な思い込みかも知れないが、ドラックにはまった登場人物は、必ず最後に殺すような、倫理観を織り込まなければいけないのかも知れない。アヘンに過敏なのではないか?

    しかし、長い。この小説の素晴らしき欠点は、無駄話が多いことかもしれない。

  • 2001年に文庫が出たときにすぐ買って読んで、何故古本屋行きにならずに所持してたんだろうと思うくらい肌に合わず。
    当時は面白いと思ったんだろうなあ。
    今の私にはあんまり。とても読みやすいのだけれど。

    天天が悲しかった。

  • こらもラリってる。

  • これがあの共産中国のうら若い25歳の美人女性が書いた小説?自由奔放なセックス!中国人だけでなく、ドイツの若者と繰り広げ、大胆、執拗な性描写! まるで「限りなく透明に近いブルー」を読んだ時に感じたような、無国籍な世界を感じ、上海という国際都市の猥雑性を印象づけられます。中国国内でベストセラーになり発禁処分を受けたということですが、このような実態はもはや驚きではないのでしょうか。

  • 村上春樹に似て読みやすい文体です。中国で発禁処分を受けたわりには、えぐい性描写はありません。詩的な描写で表現されるメッセージみたいなのものも共感できました。

  • 当初の宣伝文句があまり好きではなく、読む気がしなかった。
    作者衛慧は、読書量が多いというより、言葉に対して鋭敏なんだろう。表現力が豊かで、時には陳腐でさえある。

    ココ、天天、マーク、マドンナ、朱砂、康女尼・・・

    それぞれが、上海という舞台でしか登場しないような人物設定。
    天天は、何かXJapanのドラマーをやっている青年を思い浮かべた。
    母親が、スペインに行ってしまって、別の生活をしている。
    そのトラウマが、性的要因なんだろう。
    大麻、麻薬におぼれていく。
     
    何の苦労もなく、生きていける人々。
    そこにある退廃。
    作家という仕事を目標に励むココ。
    わがままで、自分の意志どおりに生活する。

    世紀末の上海を描く。
    この享楽の都市には快楽のあぶくがあふれ、
    新人類達がはびこり、感傷的で神秘的な情緒が
    立ちこめ、唯一無二の東洋の都市は、
    30年代から1貫して西洋との混淆文化を
    発展させてきたが、今また欧化の波に洗われている。

    「この世で唯一のそして正真正銘の愉悦は、
    自分でこしらえた監獄から逃げ出すことである。」
    トマスモートン

    精神分析で、絶望が克服されたら、それを絶望とはいわない。
    ペンを取って、自分の話さえすればと。
    思いの丈を述べる欲望は、誰にとっても、
    人間らしく生きてゆくための精神上の要求なのだ。
    あなたは、永遠に私の言葉が聞こえない。

    刺激的な上海に漂う 青春。

  • フィフティ・シェイズ・オブ・グレーだとか、最近はトワイライトかぶれの若い女子が喜びそうな官能小説が流行りで、これもそれのはしりなのかと思い読んでみたのだが、ところがどっこい、思ったより真面目なお話だった。
    主人公のココが25歳(私と同い年)の作家志望の美女ということで、自己愛に溢れ、自分の魅力を知っていて、それを楽しむだけ、楽しもうとして、正直羨ましくなった。
    絶対友達にはなりたくないタイプだが、誰しもが一度は憧れるタイプのヒロインだろう。
    美青年芸術家の恋人と、エリートビジネスマンの愛人のドイツ人。
    結局誰が何を楽しんでいたのだろうかと、空虚。
    人より何かが優れている人にあらゆる幸せがたかり、気づけば不幸に向かっていくお話はあまり好きではありませんが、中国ってこんな面があったのか…と数年前行った上海を想い浮かべて、しんみり。

  • ココの自己愛の強いわがまま女っぷりに半分共感しつつ、
    終始自分が一番カワイイっていう姿勢に反感を覚える


    でも上海の古さと新しさの混じった雰囲気とか、天天の弱さとか、文体が好き。

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