美貌なれ昭和: 諏訪根自子と神風号の男たち (文春文庫 ふ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167219093

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  • 図書館の本

    ヴァイオリニスト諏訪根自子の伝記だと思って借りてきたのですが
    諏訪根自子、飯塚正明、塚越賢爾 3人を軸にして、飛行機とヴァイオリンに人生をかけた日本人のヨーロッパにおける物語になってました。
    もうちょっと諏訪根自子の活動がわかるかと思っただけにちょっと残念。
    でも2次大戦の神風特攻隊の前に「神風」という日本の飛行機が世界記録を樹立したのは知りませんでした。
    戦前の日本人のほうが世界で通用する人材が多かったようにも感じる1冊でした。

    小野アンナらの日本での活躍は知っていましたが、なぜ日本で教育者として活動を始めたかがわかったのは貴重な思いがけない収穫となりました。

  • 諏訪根自子と飯沼正明、塚越賢爾に共通する美貌は見た目の美しさだけではなく、彼らの生き方の軽やかさである。それは決して彼らの人生が易い物だったということではなく、様々な選択の場面でしがらみに絡めとられずに自らの意志でとるべき行動を選んだから、第三者から見た場合にそう見える、ということである。飯沼と塚越が神風号の盛大な出発式の後、途中での天候不良を理由に出発地点まで戻ってやり直しをしてしまうこと、諏訪が戦時下のパリで周りの日本人が帰国してゆく中、自らの未来を音楽に賭けてヨーロッパでの活動を継続したことはその例だ。また、彼らの生き方が結局のところ戦争に蹂躙され、その美貌をあるがままに保ってゆくことができなかったのは実に残念なことだ。
    彼らがもっと違う時代に生きることができたら何を成し遂げただろう。そして彼らの美貌を今の時代の人間が持ち続けるためには何が必要だろう。

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