ウイルスが作った日本のこころ パラサイト日本人論 (文春文庫 た 33-4)
- 文藝春秋 (1999年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167270056
感想・レビュー・書評
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猫、チンパンジーやニホンザル、原人、新人、縄文人、弥生人、渡来人など生物学的な見地から日本人について綴られたエッセイ集(?)。これはこれで成る程とは思ったが、思っていた内容とは違った……。
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ツバメの尾って、長いのはオスだけで、メスはそんなに長くないのだそう。
そしてモテるのは尾の長いオス。
ツバメ社会は見た目のいいオスがモテるらしい。
尾が長いとどうなの?
エサとなる虫を取るのは苦手らしい。
でも、モテモテ。
なんで?
尾の長いツバメは寄生虫に強い遺伝子を持っているらしいのだ。
寄生虫に強いということは、健康であるということなので、長生きできる可能性が高まる。
子孫を残せる可能性が高まる。
メスの遺伝子も残せる可能性が高まる。
ツバメは一夫一婦制だけど、浮気はあり。
尾の長いツバメはより取り見取りだけど、尾の短いツバメは浮気もできない。それどころか、尾の短いツバメの妻であるメスの浮気率が高い、と、とことん見た目にこだわるんだって。
ひるがえって、人間。
足の長い男がモテる条件なんだそうだ。
樹上生活から地べた生活になった人間は、寄生虫にお尻が狙われるために、足が長いほうが寄生虫対策上よろしいそうだ。
なので人類はどんどん足が長くなっている…?
え~。そこまで言うとちょっと胡散くさいなあ。
肉食獣より草食動物の方が腸が長いんだよね。草は消化が悪いから。
柔かくて消化のいいものばかり食べている現代人は、足が長くなっても当たり前で、決して寄生虫対策ではないと思うんだ。
逆に、サプリメントをタブレットでがぶっと丸呑みして栄養補給している人は、消化が悪くて腸が伸びそうだよね。
寄生虫が自身を守るために寄生主の行動を操作するのは確かにありそう。
でも、それで全てが説明できるかといえば、それはへ理屈にすぎないのではないかという気がする。
屁理屈だとわかったうえで読むとしたら、こういうのは嫌いじゃない。
むしろ好き。
面白かった~。 -
氷河期というのは沖縄の気温が東京くらいに、東京の気温が札幌くらいになる程度のもの、という話だけ為になった(この本の本題とは全然関係ない話。自分は無知なので氷河期ってのは地表が全部氷で覆われるくらいのものかと思っていた)
あとは延々と著者の妄言が書き連ねられている。読む価値なし -
トラウマからの帰還 140611
一度依存・搾取・支配と言う甘い汁をおぼえると
それがどれほど致命的な危険だと気付いても
抜け出すことは非常に難しい
いざその危険で孤独で住みにくいにも関わらず
甘い汁を無くす危険が迫ると
パニックを起こすというトラウマにはまる
これは麻薬におかされた状態と同じである
つまりほかの物理的な危険におかされるという
更なる危険を通り抜けるか
同じ追体験をリアルにスローモーションによって
咀嚼し直すことで頭だけでなく無意味だという体感を
心でする狭き門を通る以外に抜け出す方法がない
この経験によってのみ無菌状態に戻ることができる
この世というパラドックス体感を得る冒険の旅は
この追体験によって自分という存在が部分性と全体性の
両面を持っていることを納得する場のなのである
まさしく考えられない程に馬鹿げて理不尽な
物的痛みの状態を往復することで自らの肉体と意識を使い
理解と納得を得る場なのである -
読みながら、ホンマかいな~を連発!パラサイトの生命力が日本人を形成していた。縄文人と渡来人がどこから来て、どのように枝分かれし、日本人の道筋を辿っていくのか(純正日本人はアイヌ人だそう)を想像すると鳥肌が立つほど。都道府県によって異なる宗教観、戦争意識などなど、これらも元をただせばパラサイトの影響だという。科学的生物的見地からなる仮説の数々は時にホンマかいな~と強引だが、突拍子もなく面白い。
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読書録「パラサイト日本人論」5
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
P170より引用
“そのために宿主には、ぜひとも元気で長生きをして欲しい。子
孫も増やして欲しい。逆説的に聞こえるかもしれないが、それが
彼ら本来の願いである。”
目次から抜粋引用
“二つのルーツを持つ日本人
男と女のパラサイト
日本人の死生観
ウイルスが作った日本のこころ”
動物行動学者である著者による、日本人の気質の形成について
記された一冊。
猫の尻尾の形の違いと分布についてから成人T細胞白血病ウイル
スと人間の関係についてまで、歴史背景やデータを元に記されて
います。
上記の引用は、ウイルスや他の病原体の繁殖戦略について書か
れた項での一文。自分が利益を得たいのならば、周囲と上手く折
り合いをつけなければいけないというのが、ウイルスなどのレベ
ルの大きさの存在からくるものとは…。闘う相手を全て滅ぼすよ
うな方法は、双方に不利益をもたらすのかも知れませんね。
極端に対処せずに、少しずつ関係を調整し共に生きる事の大切
さがよく分かる一冊です。
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(2000.01.04読了)(拝借)
ウイルスがつくった日本のこころ
(「BOOK」データベースより)amazon
なぜ京都人は恐妻家で九州人は男尊女卑なのか。それを解くカギは寄生者にあった!ミトコンドリアが語る日本人のルーツ、縄文人だけがもっていたウイルスの秘密、動物はなぜ異性の外見にこだわるのかなど、最先端の研究を駆使して人間とパラサイトの不思議な関係を論じた、目からウロコの落ちる傑作。 -
「あーもう人間なんて!」と思う直前で竹内久美子を補充することで、
「あーもうしょうがないなぁ、ヒト科は…」と思うことで、
救われたり救われなかったりもともと足元すくわれてたり、
まあそんな感じ。
この本が出たのが1995年。
ALTウイルスは少しずつ減少し、そして今、日本人の心は…。 -
文句なしに、おもろいし、考えさせられる。