- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167271060
作品紹介・あらすじ
ピアノやハープといった、大型で壊れやすい楽器はどうやって運ぶのか。読みにくいスコアを美しいパート譜に清書する写譜屋さんが使うのは、耳それとも目?クラシックのコンサートを支える裏方たちの、さまざまなこだわりの仕事ぶりを集めたエッセイ集は、目からウロコが落ちる思いがすること間違いなし。
感想・レビュー・書評
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裏方にも色々ありますが、なかなか面白い着眼点だと思う。脚光とは無縁の裏側で発揮される「職人気質」が心地よい。
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他の楽器奏者と違って、ほとんどのピアニストは自分のピアノで弾けないという指摘にはなるほどと思う。弦楽器奏者からは気が付きにくい視点。
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昔読んだ本。
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指揮者・岩城宏之氏による「お仕事探訪」的ルポ。
音楽家自身やオーケストラのことではなく、それを周りで支える人々に焦点を当てている。
チラシ配布会社(ホールでよく見かける)など、わたしたちも見かけているけれどよく知らない仕事がある。
また、写譜屋さんなど、わたしたちが見かけることはないが、欠かせない仕事がある。
指揮者として日々オーケストラと関わり、音楽ホールに出入りしている著者であっても初めて知るようなことが色々あるらしい。 -
20180311読了
2006年出版。「指揮のおけいこ」に引き続き、「裏方のおけいこ」として1998年から2001年まで連載されたものをまとめた単行本(2002年発行)の文庫版。クラシックのコンサートを裏方として支える人たちにフォーカスしている。事務局職員(ステマネ含む)、ピアノやハープ専門の運送業者、オケ全体の楽器運搬業者、オケの演奏旅行に帯同する医師、スコアをパート別に写しかえる写譜屋、ピアノの調律師、コンサート会場でのチラシ配布業。●P216.アンコールはいつから始まった? オーケストラには組合(ユニオン)がある。演奏会は原則として2時間で終わらないと労使協定違反となり、経営者側が演奏者に超過手当を支払うことになる。
20180223蔵書 -
タイトル通り。楽器の運送屋さんからチラシ配りの会社まで舞台に立つ人以外の様々な仕事について、指揮者である著者が取材をしたり実際に現場に同行しアルバイトを行い書いた記事をまとめたもの。
15年以上も前の記事なので細かいことは変わってしまったこともあるだろうが、純粋に勉強になった。高名な指揮者が書いたとは思えないような、いい意味でカジュアルな文章で面白い。 -
数ヶ月前に知ってずっと読みたかった本。
オーケストラの裏で活躍する職人たちをクローズアップした内容のエッセイです。
楽器の運搬をする運送会社や、コンサートホールの事務、楽団と一緒に旅するドクター、作曲家や編曲家の曲を読みやすく書き取る写譜屋、ピアノの調律師、チラシ配り…
音楽を通ってきた人間にはとても興味深く面白い内容でした。知らなかったこともたくさん。
うまい写譜屋さんの楽譜は本当に綺麗だし、音階のシステムやルーツもなるほどという内容で、多少音楽をやってきて共感する部分もたくさんありました。
その日のコンディションによって、いつもは好きでも今は聴きたくない曲とか、音楽以外にも色々ありそうです。
ピアノの調律の話は、少し前に羊と鋼の森を読んだ影響もあって、共通する部分と、もっと現実的な部分や技術的な部分、併せて楽しめました。
自分で調律したピアノで育った子がプロになったり、独立して顧客をごっそりもらうのがクラブのホステスのシステムと例えられていたり。
個人的にいくつか引用残しておこうと思います。 -
筆者の飄々とした様子が感じられ、つい読み進めてしまいました。
クラシック界には、様々なお仕事のプロがいるんですね。とっても勉強になりました。 -
一気読み。相変わらず、軽妙で魅力的な文章を書く人だと思った。
写譜の話とピアノの調律の話がおもしろかった。あと楽器を運ぶ話。
チューバを同じ町の練習場所から発表場所まで大八車で引いていったことも思い出した。それは高校生の私(苦笑)。
読み終わったら「アマデウス」でコンスタンツェがモーツァルトの許しなく楽譜をお金にしてしまって怒鳴り込まれるシーンを急に思い出した。 -
いつもお願いしている運送屋さんが出てきて、ビックリした・・