- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167277079
作品紹介・あらすじ
この対談には「一瞬の女のイノチが輝いている」と山口瞳さんは言う。水上勉、吉行淳之介、二子山勝治ら十七人の対談者にそれぞれの思いを残させた希なひとによるただ一つの対談集。
感想・レビュー・書評
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実家の母の本棚から拝借していて、長らく読んでなかったらしい(内容に全然覚えがなかったから)。紙が茶色く焼けていて、そのせいもあってか、本当に事故直後のショックや喪失感をビシビシ感じた。初版で、ご丁寧に帯付きだった。母も出版直後に買っていたのかなぁ。この人の作品は好きだけど、ご本人は…という方もたまにいるけど、この対談を読んでもやっぱりこの方は利発で気取らずに素敵だなぁと思った。ますます好きなって興味が湧いた。そして、対談相手のいろんな方々にも、興味が湧いた。脚本家の目から見た、当時の俳優やTVタレント評価がまた興味深かった。
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向田邦子の飛行機事故死から約半年後、吉行淳之介氏の「向田さんとの対談が出てないじゃないか」から始まったとされる17人との対談集。
爆笑太田、諸田玲子氏の寄せ書きが特別に挟んであり、本文としては対談相手に呼ばれなかった山口瞳氏の「こんな女にあったら揉みくちゃにされる」から始まる。
どれも楽しい対談だけど竹脇無我と澤地久枝との対談がより向田邦子のイキイキした発言を感じられた。 -
黒猫のような人だったらしいこの人のことを祖母のように叔母のように友人のようにおもう
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「向田邦子」の対談集『向田邦子全対談』を読みました。
『思い出トランプ』、『女の人差し指』に続き「向田邦子」作品です。
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「山口瞳」さんは「この対談集には一瞬の女のイノチが輝いている」といっております。
「吉行淳之介」、「二子山勝治」、「中川一政」、「水上勉」など17人の人達と語った唯一の対談集。
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17人の人たちとの対談と「山口瞳」と「吉行淳之介」の解説で構成されている作品で、「向田邦子」唯一の対談集です。
■対談せざるの弁 山口瞳
■小野田勇
■水上勉
■江國滋
■小田島雄志
■谷川俊太郎
■山藤章二
■吉行淳之介
■二子山勝治
■竹脇無我
■中川一政
■澤地久枝
■倉本聰
■鴨下信一
■阿川弘之
■和田誠
■矢口純
■矢崎泰久
■この対談集について 吉行淳之介
「向田邦子」作品って、小説でもエッセイでも言葉のリズムが独特で、知性やユーモアに溢れていて、艶っぽさもあるところが大好きなんですよね、、、
対談でも、その才能が存分に活かされていて、相手を惚れさせて本音を語らせるような、そんな雰囲気でしたね。
意外だったのは、「谷川俊太郎」との対談で明かされる「向田邦子」のコンプレックス、、、
「私、コンプレックスはいろいろあるんですけど、特に詩人、漫画家、オーケストラのコンダクター、棋士、こういうかたは、人種が違うとしか思えないんです。」
詩人… とかって、作家に近いと思うんですけどねぇ。
「向田邦子」に関する新しい事実がわかって面白かったです。
あっ それと懐かしいなぁ… と思ったのが、「水上勉」との対談で出てくる"はったい粉"、、、
幼い頃、おやつとして食べていたのを思い出しました。
現在のスイーツとは、味も触感も比べ物になりませんが、甘いものに飢えていたので、当時はおいしく感じたような気がします。
懐かしいなぁ。 -
中川一政美術館へ行くので、そう言えば向田さんが対談していたな、と思い出し、何度読んだかもう覚えていないが、かなり久しぶりの、とにかく再読。
中川さんのところだけ読むつもりが、読み始めたら面白くてつい全員分また読んでしまった。
今回読んでみて、まぁ、向田さんはいろんなことをよくご存知の方だったのだなと思う。私の好きな映画「かもめ食堂」の中に出てくるコピ・ルアックのコーヒーの話が、すでにこの対談で話題にされていたことが驚きであった。何度も読んでいるにも関わらず、ここで再認識。私の方の知識がやっと追いついたということなのだが。
対談された皆さんの、後日談が切なくて。
向田さんが会った人々に一様に印象付けた人としての魅力が一段と強く感じられた。
向田さん、今生きていらしたら、どんなことをおっしゃるのか、どんな本を書くのか、聞いてみたいとも思った。 -
あらためてステキな女性だなと思う。
今、生きていたらどんな作品を書いているんだろう。
先日、紀伊國屋書店へ行ったら没後30年ということで関係本が数冊面出して売られていたが手は伸びなかった。
やっぱりその人の声が聞きたい。
詮無いのぞみだけれど。 -
111008 Eriko C
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先日本屋で見つけて迷わず購入。<BR>
それぞれの対談の終りに、著者が急逝した後に寄せられた談話なり文章なりが載っていた。それを読むのは切なかった。一頁を隔てた向こうで、この人はこんなにも生き生きと言葉を発している。けれど既にその距離は果てしなく遠い。ここで言葉を寄せている方たちにとって、向田邦子という人物は、確かにひざを向かい合わせて言葉を交わした、ひとりの人間だったのだなあ、と思う。<BR>
著者に対して自分が辿れるものは全て過去のもの。自分が生まれたときには既にそうだったそれが、今もってこんなにも魅力的だという事実。<BR>それは本当に稀な事だと思う。
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向田邦子さんが亡くなられて25年。本屋さんで向田邦子さんの本が平積みされていて、つい手にとってみた本。向田邦子さんも生きていれば77歳。対談する人々もいまは亡き人や大御所の人ばかり。その人たちをほぼ初対面で魅了してしまう向田邦子さんとはどんな人だったのだろう。残念ながら私は亡くなられた後に読者になったので、本を読んで想像するばかりである。