土の器 (文春文庫 329-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167329013

作品紹介・あらすじ

肩の骨を折りながらも礼拝のオルガンを弾き通した八十歳の母を支えていたのは何か。その魂のありかをたどる芥川賞受賞作と、心温かに家族を描く四つの作品。(庄野潤三)

感想・レビュー・書評

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  • 1974年下半期芥川賞受賞作。タイトルからは、まったく内容の想像がつかないが、語り手の「私」(おそらくは、ほぼ等身大に作者自身に重なると思われるが)の母の終末期を克明に描いたもの。小説としての完成度は低くはないが、芥川賞に相応しかったかどうかは疑問。つまり、斬新さに欠けるのだ。それ以前にも候補になったらしいのだが、どちらかといえば直木賞向きではなかったか。描写は丁寧だし、病者(まして母)を前にしての煩悶もよくわかる。しかし、所詮は裕福な境遇の中での死と、その周縁の者との甘やかな葛藤の物語だ。

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著者プロフィール

阪田 寛夫(さかた ひろお、1925~2005年)は、詩人、小説家、児童文学作家。
大阪市住吉(現・阿倍野区)生まれ。朝日放送に勤めるかたわら多岐にわたり創作し、1975年、小説『土の器』で芥川賞。
童謡「サッちゃん」「おなかのへるうた」「そうだ村の村長さん」などの作詞者としても知られる。
宝塚歌劇団の女優・大浦みずきは娘で、自身も大のタカラヅカファンであった。

「2023年 『阪田寛夫詩集 ねこふんじゃった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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