- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167404024
感想・レビュー・書評
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宮沢賢治とその信奉者である畑山博は共に<他界からのまなざし>(古東哲明)を持っている。
そのまなざしが凡百の作家と彼らを隔絶させている点だ。
心に沁みる詩のような作品。
「銀河鉄道の夜」という詩のような作品から、新たなスピンオフ作品を作り出してみせたのだ。
「銀河鉄道」に関するトリヴィアが楽しい。
トコトン銀河鉄道に拘りたい人に最適な本だ。
これは、ウルトラマンを科学的に分析するのと同じ心性に根ざしている。
シャーロキアンが、ホームズのトリヴィアを掘り起こし、同好者とそれを共有化し、トリヴィアに惑溺するのと同様だ。
こうしたトリヴィアリズムを鼻で笑っても意味がない。
好きなら、トリヴィアリズムにトコトンのめり込む。
嫌いなら、読まなければ良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語とはずいぶん考えられて作られてるのですね。
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そもそも自分は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が大好きで、それ故くだらない小さな疑問から読んだ人なら一度は思うであろう一般的な疑問まで色んな不思議を銀河鉄道の夜に抱いていたわけだけど、そんな私のような人にはこの本はお誂え向きだと思います。
「車両は何両編成だったのか」「発車時刻は」「食堂はついていたのか」等々…ただのフィクションではないかと言われればそれまでですが、難しい定理とかを駆使して徹底的に突き詰めていっているので本当にこの話が好きな人には夢が膨らむ本じゃないのかな。作者も相当銀河鉄道に熱意を持っているっていうのが伝わってきます。