- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167527396
作品紹介・あらすじ
悪の坩堝のような50年代のロサンジェルス市警に生きる三人の警官-幼時のトラウマから女に対する暴力を異常に憎むホワイト、辣腕警視だった父をもち、屈折した上昇志向の権化エクスリー、麻薬課勤務をいいことに芸能界や三流ジャーナリズムに食指を伸ばすヴィンセンズ。そこへ彼らの人生を大きく左右する三つの大事件が…。
感想・レビュー・書評
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悪徳と陰謀渦巻く五十年代のLAを舞台に、それぞれ立場も性格も異なる三人の警官と三つの事件を軸に時代のうねりを描く大作。
まず三人の警官の対比がいい。
上昇志向が強く潔癖なエリート警官エクスリーと少年期のトラウマから女への暴力を憎むバド、誤って市民を射殺した過去をもつゴミ缶ジャック。血のクリスマス事件で出世の明暗を分け反目しあう三人がそれぞれの譲れないものを胸に共闘に至る過程に引き込まれる。
特にエクスリーの人間的弱さに惹かれる。
父親へのコンプレックスを払拭しきれず、「完全なる正義」の有り方について苦悩し続けた彼の終盤の選択に胸が熱くなる。
互いに憎み合っていたバドとの間に芽生える同志としての連帯感、二人が接近するきっかけとなる「突き飛ばしてくれてありがとうよ」の台詞が後の伏線になる構成も心憎い。
P362、自分が育った家を見て回るエドの胸中に去来する追想と父への別れの台詞には喝采を送りたい。
エピローグの美しさ切なさは絶品。
なにもかもを犠牲にして なんの意味もない栄光。
最後のページを閉じた時、上巻冒頭に掲げられたエピグラフの意味が真に理解でき、言葉にならない想いが押し寄せる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「暗黒のLA4部作」の3作目。これが一番面白い。深夜の大量殺人、ポルノ雑誌、クスリなどを発端に、警察官3人のそれぞれの人生が絡み合う。
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何回読んでもたまらない、です。
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映画も傑作だったけどこの原作もすごい。
ストーリー展開は途中から分岐してくけど分散はしない。 -
●観てから読むか? 読んでから観るか? のLAコンフィデンシャル。
映画版はラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケビン・スペイシー言う達者な人々が演じていて大変面白かった。
さて原作。
いや驚いた。
これって、えっらっくっっ入り組んだ話だったんですなー。
よくもこんな複雑な話を、映画になるだけわかりやすくしてくれたものだ。
アカデミー脚色賞を獲っただけあって、けっこう大胆な改変つうか端折りぶりですよ。
なんせ、映画版では優秀なエリート警察官でその昔殉職したことになってるガイ・ピアースの父親は、原作ではバリバリ生きてる実業家(笑)
しかも、けっこうキモな存在なんですねー。
その彼をカットするとは・・・大胆だのう脚本・・・。
●・・・てなわけで、原作と映画は起こる事件は同じながら、かなり異なっていると言えるでしょう。
まあ実際、原作をそのまま映像にしようとするなら2時間の映画なんて無理だし。
その時間で一本の話にまとめあげた脚本家の腕はたいしたもの。
ただやっぱり、先に原作を読んでたら、「あ、あのエピソードは? あのキャラは!?」
と言う感想にならざるを得ないよな。
繰り返すけど映画版、面白いんですよ?
ガイ・ピアースの演じるエド・エクスリーが、めっさツボだったし(笑)
でも原作の彼は、もっとややこしくて繊細な若者なのでした。
いやあ、リン・ブラッケンがシド(←ラッセル・クロウでやんす)に惚れながらエドに心惹かれる理由が、とてもよくわかるわー!!
ダメ男ばんざーい!!!!(←バカ)
●結論。
「LAコンフィデンシャルは観てから読むのが正解である。」
騙されても知らんけどな。
以上、私の順番でした。(←結局ソレですわ・・・。) -
ジェイムズ・エルロイ節が炸裂の作品。3人の刑事のそれぞれの軌跡が描かれる。
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110
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映画は随分前に見てるのですが、話はすっかり忘れてました。
1950年ごろのLAを舞台にして、3人の刑事たちの人生が絡まります。登場人物がとにかく多いのでメモ必須。事件も複数またがっているので頭の整理が大変です!
しかしその苦労は後半で報われます…。 -
上下巻読み終わった。
すんげぇ面白かった。
下巻はずいぶん映画とは違うんね。
登場人物も増えてだいぶ頭混乱したわぁ。
ロロ・トマシは出てこないのね…
あとビッグ・ノーウェアのが執筆年早かったのね。
そっち先に読めばよかった。 -
名前がたくさん出てきて、最初は読みにくいが、入り込んでしまえばこっちのもの。特別変わったストーリーでもないのに、なぜか面白い。なにか秘密があるはず。