- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167528058
作品紹介・あらすじ
丑の刻、貴船神社に夜毎現われる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。そんな男の窮地を救うため、安倍晴明と源博雅が目にしたものは!?女の悲しい性を描いた「鉄輪」他、全七篇。百鬼夜行の平安時代。魍魎たちに立ち向かう若き晴明と博雅の胸のすく活躍、魅惑の伝奇ロマンシリーズ第三弾。
感想・レビュー・書評
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相手に対する好きという気持ちが叶わなかった時、その気持ちが大きければ大きいほど、相手も自分も傷つけることになるんだなと…
今回の男女の縺れがメインの話はどれもこれも切なかった。
相変わらず清明と博雅のやり取りは最高!の一言に尽きます 笑
あと個人的には道満のキャラが好き!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
蘆屋道満多めです。
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定期的に読みたくなるシリーズ。
晴明と博雅のコンビが好きでな…… -
いやさ、もう、理解している男性作家の書くものほど威力のあるものってないよね。
「ばか」の破壊力ときたらもう。
忘れ去っているので、漫画も楽しみ。 -
「鉄輪」はとても哀しい話だった。平安の世においての恋愛はほんとうに身を破滅させるだけの熱量をもって行われていたのだな、と。恐ろしいやら、素敵なもののような気がするやら。博雅が涙ながらに生成になってしまった女に、自分を喰って楽になるならそうしてくれ、と訴えかける場面は、晴明が「よい漢」と表現する理由がとてもよくわかる。
たびたび話題にあがる例の歌合せの様子がつまびらかに語られていて、平安京の華やかさに思いを馳せてしまう。 -
「瓜仙人」「鉄輪」「這う鬼」「迷信」
「ものや思ふと……」「打臥の巫女」「血吸い女房」の7篇収録でシリーズ3作目。
村上豊のカラー絵にもなった「鉄輪」。
丑の刻参りの末に生成りの鬼になった徳子は強烈。
物語もかなり強烈。
「ものや思ふと……」では宇宙の概念がつづられる。
宇は天地、左右、前後・・・の空間を意味し、
宙は過去、現在、未来・・・の時間を意味する。
空間と時間を合わせた宇宙という言葉を、
中華文明はすでに持っていた。
そして、人は呪という手段でこの宇宙を理解していた、
と、晴明は続ける。
また、言葉は呪を盛るための器であるとも言う。
──んんん、もしかして数学的認識は呪なのだと思った瞬間だった。
「打臥の巫女」は八百比丘尼で、白比丘尼だったんだ。
すっかり忘れてましたねぇ。 -
解説にもあるように、相棒の源博雅を生み出したのがこの小説の最大の功績だと思った。シリーズ3冊目まで読んで、気が済んだ感。映画やアニメの元になった作品がどのようなものかわかったので良かった。
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平安陰陽師伝奇ファンタジー第三巻。短編七編を収録。男女の情愛漂う狂おしく、切なく、そして悲しい話が多かったかな。個人的には"恋すてふ"の壬生忠見リブートがうれしい。和歌に自分を懸けた男たちの悲しい生き様がぐっとくる。