虚無のオペラ (文春文庫 こ 29-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167542030

感想・レビュー・書評

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  • 何故こんな感覚的な小説を書けるんだろ!

  • 別れるための旅行。

    大人の別れ。
    悲しい。
    潔い結子さん。潔さも悲しい。

    最後のタクシーの別れのシーン、泣きました。
    京都、雪、別れ…美しい

  • 男だって、老いていくことは悲しいぞ。
    ましてや美しい女なら、さぞかし。

  • 絵描き,ピアニスト,声楽家,モデル。
    芸術家の間の関係は不可思議。

    自己中心なはずなのだ。
    芸術というもやがかかっていて何でも正当化してしまう。

    場面の切り替え,過去と現在の切り替えがうまい。
    最後には全貌の一部が分かる。

    分からないところもいろいろあるところが文学なのだろう。
    結末がどうなるか。全く予想と違ったので推理小説なのかもしれない。

  • 恋を終わらせるため、冬の京都へ4日間の旅に出た結子と八歳年下の正臣。
    別れを切り出したのも結子なら旅を提案したのも結子。正臣にはその理由が分からないまま残された時間は刻々と減っていく・・・。
    主人公の結子が40代だからか、この恋が不倫(正臣には妻子がいる)だからか、すべての心理描写に寄り添って読むことができなかった。しかも結子の性格が理屈っぽいというか堅物というか可愛げがないというか(言いすぎ?)なぜここまで正臣に愛されたのかが謎であった。この作品は読むべきタイミングというものがあるのかもしれない。

  • 久々の恋愛小説です。
    変わった恋愛小説がいいなーと思いながら手に取ったのだけど、案の定小池ワールド全開でした。

    46歳の主人公結子が、8歳下のピアニストとの 不倫関係を終わらせるために冬の京都へ旅に出、そこで過ごした4日間を描いたお話です。
    特に事件や事故も起こらない平坦な4日間なのですが、静かで退廃的雰囲気は悪くなかったんですけど、「老い」に向かっていくことへの主人公の孤独が、実感としては理解しきれなかった、というのが正直な感想・・・

    もっと大人(?)になって読めば印象変わるかも。

  • 人公は妻子を持つピアニストと、不倫関係にある女性。

    そのピアニストの本妻に子供ができ、それをきっかけに別れを切り出し、三泊の京都旅行に二人で行き、それを最後に会うことを止める事にし、馴れ初めから今迄の回想を混ぜながら、この旅行を書いている。

    恋愛小説によくある最後は心中かと思ったけれど、しっかり綺麗に別れた。

    男女の別れは、結局修羅場になると思っているので、こういうのは本当にあるのかと疑問。

  • 美しすぎる別れの舞台。
    その情景描写が丁寧で、一層切なさを掻き立てる。

    正臣の体をいとおしげに、丹念に洗うシーンが何とも切ない。


    お互いを思いあったまま別れを決断した結子の潔さが素晴らしく、
    そして悲しい。

  • ちょっと綺麗過ぎるかな?
    現実はもっとドロドロしてると思う。

    でも冬の京都の描写は美しい。

  •    情景の描写が 細かくて目の前に浮かんでくるよう・・・

       冬の京都、旅館の風景が 目の前に浮かんでくる

       

    “淫蕩のきわみは、純潔が最後に辿り着くところと似ている”

       堂島の言葉が すごく印象的でした。



    後は 結子の潔さ 強さに ただ ただ 圧巻

      離婚も 結婚の時より 100倍のパワーがいるって

       聞いたことがあるけど 別れる時は かなりの

        覚悟が必要なんだと思う・・・

    自分の意思じゃなく やってくる 【死】という 別れもある

    この本は そんな【死】も大事な キーワードになってる

    タイトル・・・虚無のオペラだけど 読み終えた後は 虚しさ

    なんて感じなくて 結子の行動に 爽快な気分になりました。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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