- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167554019
作品紹介・あらすじ
柔道の選手だった神取しのぶ、中国から来た天田麗文、アメリカ人のデブラ・ミシェリー。女子プロレスがティーンエイジャーの少女たちの間で熱いブームとなっていた80年代に活躍した、異質な三人の足跡をたどり、女子プロレスの文化を通して「日本」を見つめ直す。第22回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
感想・レビュー・書評
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2017/01/22 読了
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まず単純に文章がうまい! 取材が綿密!
これぞ上質のノンフィクション、最高のルポルタージュだと思いました。
特に神取の発言はヒリヒリする。 -
つくづく天才。人の言動にないまぜになっている感情を見極めて、それに名前をつけるのが上手くて唸る。
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柔道選手だった神取しのぶ、中国から来た天田麗文、アメリカ人のデブラ・ミシェリー。女子プロレスがティーンエイジャーの少女たちの間で熱いブームとなっていた80年代に活躍した、異質な三人の足跡をたどり、女子プロレスの文化を通して「日本」を見つめ直す。
91年大宅壮一ノンフィクション賞作。桜庭一樹の読書日記にあったので読んでみた。20年以上前の話なのでさすがに時の流れは感じるが、女子プロレスを通しての日本社会の異質性の描写など、内容的にはかなり惹きつけるものがあった。絶版になっているが図書館にあってラッキーだった。続編があるのなら読んでみたいがどうなのだろう?
(B) -
2010.11.30 読了
これは名著。 -
もう絶版になっていて、プロレスとか格闘技系が結構好きだと言ったら
文春の営業さんが貸して下さいました。
プロレスもののノンフィクションを読むのは2冊目で
でもこれは女子プロレスに焦点を当てて書かれてる。
色々と興味深い部分も沢山あって
日本人じゃない選手の葛藤とか
ショーとしてのプロレスについては他の本で
理解済みだったけど
それにこんなにも固執して作り上げて来た人が居たこととか
神取忍は有名な選手なのに、
実はこんな苦悩と葛藤とがあったとか
ほんとに知られざる事実ばっかり。
身体一つで戦えるわけでなく
団体との契約があったり
ファイトマネーであったり、縦社会であったり。
私がプロレスとかを理解しはじめたころには
もうクラッシュギャルズはいなくて
でもそれを、芸能に疎いはずの母親が知ってるってことは
本当に、その時期に女子プロレスが全盛期だったんだなってことを
物語っている気がした。
女相撲には衝撃を受けました。 -
大宅賞受賞作。子どもの頃にそういえば女子プロレスのポスターをよく見かけた。長与千種、神取しのぶ、キューティ鈴木。私は関心を抱くことなく終わったが、そのブームの中にいた当事者たちはそれをどうとらえていたのか。当時プロレス雑誌に寄稿していた彼女が、リアルタイムにそのブームを見ながら、プロレスラーとして興行主たちの型にはまらなかった神取、中国出身の天田麗文、アメリカから来たメデューサ。彼女たちの生い立ちから丁寧に聞き取りを重ねた労作。プロレスという格闘技に関心はないけれど、彼女たちが「言葉」で語るそれには心を惹かれた。