猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫 お 17-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 8091
感想 : 771
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167557034

作品紹介・あらすじ

「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に十一歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 不思議なタイトルだと思ったが話の主題でもあるチェスにかかっていた。
    チェスのルールを知っていればもっと面白かったとは思うが、そうでなくても面白く、どこか物哀しい

  • 世界観は独特でしたが、丁寧に紡がれた表現が美しく、いつまでも浸っていたくなる作品でした。

  • 自分を、受け入れる。
    そして、相手も優しく受け入れる。
    好きの、気持ちが、静かな物語だけど
    溢れてて、とても穏やかで、せつなくて
    少年と、ミイラをぎゅっと抱きしめたい
    そんな感情になりました。

  • 数ずくない読了済みの小川洋子の中でも一際静かな物語。
    読んでいることすら、彼らに知られないようにこっそりひっそり、息を潜めてページをめくる。

    早くこの世界から出たかった。

    なのに心に残るあれやこれや。

    チェスをようやく始めてみようというきっかけになった。

  • 繊細で儚い。少年の純粋な想いが刺さった。

  • 3冊目(3-1)

  • 優しい気持ちになりました〜

  • 初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。
    唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中でも、愛情に満ちた人々に囲まれてチェスと共に生きる少年。チェスが出来たらもっと深く少年の気持ちを理解出来るのでは?とも思いました。
    常に孤独と闘いながらチェスに向き合う心根の優しい少年の生き様を感じて欲しい一冊です。

  • 不思議な話だった。ちょっと変わった、生きづらそうな少年が、チェスのおかげでそれなりに幸せな人生を送れてよかったと思う。ちょっと短すぎたのと、少女と幸せになれなかったのはかわいそうだったが。

  • リトル・アリョーヒンとして生きたチェスの名手。実在していた人物だが、いまだに謎が多いという。その彼を題材にしているが、チェス盤の下が彼の命そのものというくらい、チェスに魅了されチェスに生かされた彼の生き様が、素朴だけど奥深くて、心動かされた。彼を取り巻く、優しくて強い人物たちの存在にも勇気をもらえる。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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