- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167558062
感想・レビュー・書評
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悲しくなったりくるしくなったりしたい人なんて誰もいなくて、楽しい嬉しいことだけなぞって生きてたい。
つらいことはしたくないし嫌なことはみたくない。
日々の幸せなところだけを享受していたい。
でも、そんなことは不可能で、いっぱい上手くいかないことがあって、少し上手くいってもまたすぐにだめになっちゃって、全然ままならない。
でも、だから愛しい。
明るいばかりじゃない人生が少し愛しくなる6つの短編
(あと、帰り道に、キャラメルを買って帰りたくなる。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初の山田詠美さん。
実は今まで、作家デビューした頃から、気になるけど経験を積んだ大人になるまでは…と見て見ぬ振りしてきた作家の一人。
6つの短編に出てくる男性達は、肉体を生業とする職人、いわゆるガテン系の方々。それぞれの恋愛を軸にした話ですが、分かりやすいのに絶妙なさじ加減の言い回し、男女に関わる名言が、時には辛辣に時には甘く散りばめられて魅了されます。
男性の中では「海の庭」の哲ちゃんが一番好きです♪哲ちゃんともう一度初恋をやり直している母は、掴み所なくて少しイライラするけど。娘の日向子の目線が、大人びてて心地よい。
キャラメルはあんまり好きじゃないけれど、読んだ後なめたくなりました。-
こんばんは!
いつもお気に入りポチやコメント
ありがとうございます!
自分もこの小説好きです(^O^)
本職はボクサー...
こんばんは!
いつもお気に入りポチやコメント
ありがとうございます!
自分もこの小説好きです(^O^)
本職はボクサーだけど
昼間は引っ越し屋でトラック乗ってるので
ガテン系の男たちに
スゴく共感したし(笑)、
山田さんの作品を
よく読んでた学生の頃より
やはり今の方が
シミるものがありました(^_^;)
読書や映画や音楽って
触れた年代や
その頃の環境によって
感じ方が変わってくるから
面白いですよね。
だからこそ何度も楽しめるし♪
てか、自分は甘辛、両刀なので(笑)
ずっとキャラメル舐めながら
この作品読んでました(^_^)
2013/05/07 -
外さん、コメントありがとうございます!!
この本を読んだきっかけは、外さんのレビューなんですよ(照)
あのレビュー読んで、登場するガ...外さん、コメントありがとうございます!!
この本を読んだきっかけは、外さんのレビューなんですよ(照)
あのレビュー読んで、登場するガテン系の男達に目を奪われて…(笑)
それと、山田さんの本は大人になったら読もうと思ってた事もあったし。
タイミングが合ったんですね♪
これからも外さんのレビューを参考にさせていただきますので、どうぞ宜しくお願いします(^^)2013/05/08
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読書好きとはまだまだ程遠い私の大好きな作家さん。
この方の本を読むと恋がしたくなる、というより誰かを愛したくなる感覚になります。今も私なりの愛を向けているけれど、私はもっと愛し方を覚えなければ。素直に。
山田詠美さんは、必ずどこか芯の通った強い女性を描くイメージがあったけど、「アトリエ」のような不安定な女性が出てくるお話しが新鮮で気味悪くて面白かったです。 -
あーえいみさんの小説だ。
一つ読み終えるごとに顔を上げて感傷に浸る。なかなか言葉にできない。作り上げてきた私の薄っぺらい価値観。えぐられてぐちゃぐちゃに掻き回されていく感じ。この複雑な愉悦(光悦、恍惚?)に陥るお決まりパターン。うっとりする。
1番すきなのは「アトリエ」。あーちゃんが私のようで驚いた。私だってつじつまが合わない。納得がいく酷い過去を持ち合わせない。ほんとうはないもないのに、心の中が重くて仕方ない。この世界に生まれた、人間として命をもった。生きているだけなのに。運命を全うしているだけなのに。なぜかいつも辛い。逃げ出したい生まれ変わりたい。そんな毎日。どんくさくて社会不適合者なところもそっくりだ。
しかし1つ違うところがある。あーちゃんはゆんちゃんを愛している。私はもう17年も生きていているのに。誰も愛していない。まずは人を愛せるようになるところから、だなあ。
私も手足が冷たい。季節や時間帯に関係なく。血液が騒ぎ出して皮膚表面まで昇っていく感覚。体がぽかぽかしてる。あの人と生きている実感がほてりを冷まさない。そう感じてしまう人。私を一部分にしてくれる人。掴みたいと思った。
だけど分からない。似ているはずなのに。あーちゃんは何を思っていたのだろう…。あれは自分のでっち上げじゃなかったの。悲劇のヒロインのおとぎ話じゃなかったの?今の私には分からない。いつか自分で考えて分かる日がくるといいな。
1つだけ刺さらなかったのは「海の庭」。思いは同じなのに、2年も何年も関係をはっきりさせない若くない2人。なにちんたらしてんねん!これだけ風味を感じられなかった。いやらしさが分からない!いつかに読み返す頃はこの感想が変わっているのだろうか。
主人公に感情移入してしまった「春眠」。複雑すぎる!章ちゃんは2人を受け入れられる日が来るのだろうか。来るとしたら、章ちゃんは別人だろう。私も痛いところをつかれた。嘘をついてカッコつけてしまうところが章ちゃんと同じ。素直って素敵だよね、カッコつけるの控えよ。妹のキャラクターが好き。あなたの味方だよ。何があっても。それってなんて幸せなんだろう。今の私にはそう心から思える人がいない。
月九ドラマじゃ放送できないような、ねちねちした愛の形がすき。そうキャラメルのよう。本から目をあげると、世界は一層色をもって鮮やかに映る。私の世界の彩度をあげる。えいみさんに出会えてよかった。
「風味絶佳」の"風味"とは食べ物に限定されない。人生とは人それぞれ十人十色の風味がある。その妙味。まさに絶佳。
風味絶佳な人生に仕立てたい。 -
恋愛小説はちょっと苦手だけど、これは比較的読みやすかった。印象に残ったのは「春眠」。章造の気持ちを考えると…だけど、こんな愛の形があってもいいんじゃないかな。
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長男と二人で読む、息子に読ませる以前に何度も読んでいたので、安心して与える事が出来た。傷心した日には、思い出してほしい一冊。
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男と女はかくもままならぬものかな。ままならぬものだ、というのは話に出てきた女の子が言ってたんだけどもね、男女関係、あらゆる小説においてこれが語られることはほとんどなく、太古の昔から語らるにも関わらず、いつまでも誰もが学ばずに、そしてままならない。いやはや。
でもそんなままならない話ばっかりだから読んでてはうあーってなるかと思いきや、そうでもない。分かる、というのでもなく、かといってあり得ないほど自分とかけ離れているわけでもないんだけど。
でもこの空気感は大好き。としか言いようがない。 -
キャラメルのあじは、あまくてすこしほろにがい。
そして、なめるととろりとして、かむとねっとりまとわりつく。
そのくせ、あっというまにとけてしまって、それでもあとあじはしっかりのこる。
この短編集にでてくる恋愛はそんな感じなのかなと思いました。
あまく浸ってみたり、それと背中合わせの狂気にヒヤッとしたり…
そんな恋愛を経験したことがないからこそ、ハラハラドキドキしながら読めました -
収録されている 夕餉 という短編がとても好きだ。
おなかも満たされる気がするからなのか。
紘みたいに優しい男の人は良いなあ。 -
肉体労働者をフォーカスしてここまで魅力的に描けるのすごい。心地いいいやらしさ。